明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



版画家川瀬巴水の作品を観ていて思うのは、自分のルールを持っていないとならない、ということである。絵画は本来そうしたものであろうが、自分にとって本当のことであることが肝腎であり、自然界のおきて整合性などどうでもよいのである。いや、どうでも良くはないだろうが、その案配のしかたに作家性が現れる。巴水は影を描かなくとも、そこに水があると、それが水たまりであろうと鏡の如くの映りようである。自然を描こうとルールブックは私だ、というわけで、写真を手段とする私も是非そうありたいのである。“自分のイメージに不要な物は取っちまうぜ。それが例え立体の陰影でもな。” 本日深川祭りの最中、深川資料館に行こうとトラックドライバー3人と約束していたら、約束時間を守らず、回転寿司食べてます。という。みんな酒弱いくせに酒飲んで約束などするな、といいたい。運送業界の愚痴は聞き飽きたし。もういいや、と一人で向かう。資料館は一日に800人や900人の来場者だという。結局、円朝と牡丹灯籠のお露とお米の共演は果たしていない。これは1作制作しておこう。 その後K越屋に行くと祭りの真っ盛り。びしょ濡れの男女が出たり入ったり。オヤジも2度目の脳梗塞を乗り越え良かった。他の町会はもう終わったというのに、7時近くになってまだ担いでいる。3年ぶりの本祭りの終了を惜しむ江戸ッ子の未練。亡くなった町内の人の写真が掲げられ、担ぎ手の間から見え隠れしていた。 

※8月31日まで谷中『全生庵』円朝旧蔵の幽霊画を公開中。それに伴い三遊亭円朝像を出品中。
※8月10日より20日まで深川江戸資料館“深川お化け今昔”にて三遊亭円朝像、及び写真作品「鏑木清方作三遊亭円朝像へのオマージュ」『怪談牡丹灯籠』など6点出品。 別室では11月まで九代目市川團十郎像を展示。

HP

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