永野宏三のデザイン館&童画館  アート日和のできごと

イスラエル国立美術館、ミュンヘン国立応用美術館、国立国会図書館、武蔵野美術大学美術館図書館他に永野宏三の主な作品が収蔵。

清張世界に浸りました。

2014-01-20 11:42:59 | 日記・エッセイ・コラム
なぜかこのところ松本清張にはまってしまいました。もともと清張世界の引力にはひきつけられていたのですが、ことしになってあらためて清張作品を読み直しはじめました。
いま日本は土台に変調の兆しがあちこち出てきましたので、清張さんだったらいまの時勢をどう見るのかなと思ったのです。清張さんの俯瞰する眼を通して先を読む表現作品から時勢を見ると意外と事象の成りを紐解くことができたりします。
ぼくの所有する清張作品の本が足りない時は図書館から借りて読んでいます。この流れに乗って、いま北九州の松本清張記念館で開催されている「北九州市と松本清張展」も昨日見てきました。またタイミングよくテレビ朝日系で土日の二日間で放映された松本清張スペシャルも見ました。昨日の「黒い福音」は、原作の時代背景がよく表現されていてリアルに迫ってきました。今朝の毎日新聞に戦後、アメリカからの日本のこどもたちへの物資援助である「ララ基金」のことが紹介されていましたが、「黒い福音」はこの「ララ基金」がキーワードになっているので、なにか妙に時代の接点みたいなものを感じました。
新聞にもありましたが「ララ基金」の主な物資はパンの小麦粉と脱脂粉乳です。ぼくには小学校低学年のこどものころに経験があるのですが、給食に必ず出ていた脱脂粉乳でできたミルクが臭くてどうしても飲みこめず、こっそり、となりの学友にあげていました。その友人はおいしそうに飲んでいたのですが、あるとき担任の女先生にそのことが見つかって、こっぴどく叱られた苦い思い出があります。その先生は栄養不足に成りがちな当時のことでこどもにしっかり栄養をと考えてのことだったと思いますが。
まだまだ十分に咀嚼してないところもあります。いつになるかわからないけれど、たぶん終わりのない清張世界に溺れそうです。