馬場あき子旅の歌43(11年9月)【コンヤにて】『飛種』(1996年刊)P143
参加者:K・I、N・I、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:曽我 亮子
司会とまとめ:鹿取 未放
315 荒地の木の命の脂濃きことをトルコのオリーブ嚙みて黙せり
(レポート)
荒れ地に生きる木には生命力の塊のような濃厚さがあるということをトルコのオリーブを食して納得。この地の自然の過酷さに私は言葉を無くしてしまったのだった……
夏のアナトリア南東部の平原は非常に暑く土はすっかり干上がって粒子となり、一陣の風にも舞い上がるその過酷さは例えようもない。作者は自然の厳しさとともに、この地に根を下ろす人々の苦しみと忍耐に思いを致され、詠まれているのだ。(曽我)
(当日意見)
★脂に注目。ひまわりもそうだった。(崎尾)
★「荒地の木」の一つの例として「トルコのオリーブ」がある。崎尾さんの発言どおり、中国やサ
ハラやスペインなど訪れた地の脂濃き様々な木が想いの中にあるのだろう。結句の「黙せり」に、
レポーターの書いているような思いがよく表現されている。(鹿取)
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