かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

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馬場あき子の外国詠203(アフリカ)

2014年05月19日 | 短歌一首鑑賞
  【阿弗利加 2 金いろのばつた】『青い夜のことば』(1999年刊)P165
                参加者:K・I、N・I、崎尾廣子、T・S、高村典子、藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
                 レポーター:渡部慧子
                  司会とまとめ:鹿取 未放
 

36 人間は大きくあれば蠅などとたたかはずゆつたりと羊頭を吊る

     (まとめ)(2008年1月)
 上句がゆったりとしていておおらかで魅力的なうたである。レポーターのいう羊頭狗肉はこの歌では関係ないし、蠅をマスコミ報道などに見立てるのは穿ちすぎだろう。ユーモアを含んだ上句は面白く、事実そのままの情景ととって十分よい歌に思われる。
 なお、先月鑑賞した中にも蠅の歌があった。
ベルベル族のテントに入りてミントティ飲む朝の顔蠅まみれなり  馬場あき子
         (鹿取)


      (意見)(2008年1月)
★面白がっている。文明に対する批評の思いがある。(藤本)

    
(レポート)(2008年1月)
 〈羊頭狗肉〉つまり〈羊頭を掲げて狗肉を売る〉ということわざがある。狗肉とは犬の肉で下等なものとされているので、看板に偽りありという意味。さて掲出歌、実際に羊頭を吊りそこへ蠅もたかっている現場へ作者は来合わせた。このスーク内の肉屋は看板どおりの商いをしているのであろうが、吊られているものから〈羊頭狗肉〉という言葉を連想し、蠅をマスコミ報道などにみたてたとも思える。今も昔も、世の東西を問わず、食品偽装という想像も可能な一首なのだが、掲出歌の冒頭に注目したい。
 「人間は大きくあれば」と詠うとおり、この肉屋は蠅を追うでもなく泰然と商いをし、またそれに対し不潔などとさかしらにつぶやかない作者の面構えのみえる一首だ。(慧子)
                                       
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