馬場あき子旅の歌38(11年4月)
【遊光】『飛種』(1996年刊)P128
参加者:N・I、曽我亮子、藤本満須子、鹿取未放
レポーター:N・I
司会とまとめ:鹿取 未放
290 アヤソルクのヨハネ教会の跡に立ち驢馬の胡瓜の花咲くをみる
(まとめ)
289番歌「王権と宗教のむごき葛藤の距離をゆくエフェソスよりヨハネ教会まで」で見たように、コンスタンティヌス帝によって313年キリスト教が公認された後、アヤソルクの丘にあるヨハネの墓の上に木製の教会が建てられた。それが聖ヨハネ教会の原型である。6世紀にはユスティニアヌス帝の命により壮大な教会に改築され、6つのドームを持つ本館があったが、今は廃墟となり遺っているのは壁と円柱、床のモザイク画、ヨハネの墓所だけだそうだ。
茫漠とした廃墟に驢馬の胡瓜が花を付けている。驢馬の胡瓜の実は棘をもつというが、花は人間の胡瓜と同じように黄色いのだろうか。その花の哀れさ。もちろん歴史も宗教も変転したが、そのはかなさを言葉で言わず、花に焦点を当ててもの言わしめている。(鹿取)
(レポート)
キリスト教会(ヨハネ教会)の跡はモスクとなっている。モスクは神像を置いてない。驢馬は粗食に耐え辛抱強いので当時の人たちにも大事にされていたのでしょう。その名残で壁画か彫刻に記されていてそれを見ている。(N・I)
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