かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

渡辺松男の一首鑑賞 237 

2015年08月20日 | 短歌一首鑑賞

 渡辺松男研究29(15年7月)【陰陽石】『寒気氾濫』(1997年)101頁
          参加者:石井彩子、M・S、渡部慧子、鹿取未放
          レポーター:渡部 慧子
          司会と記録:鹿取 未放


237 ささやきのごとくに若葉揺れあいて樹々の秘密はあかるかりけり  

          (レポート)
 揺れあいの原因の風については描かれておらず、そこに作者や「揺れあい」の相手が考えられる。「ささやき」「秘密」「あかるかりけり」と言葉を繋いで、作者の回想に落ち着いているのは若やかな恋を思ってのことだろう。(慧子)


        (当日意見)
★何か希望のあるようなおしゃれな感じですね。(石井)
★さりげない歌ですが、随分あまやかな回想ですね。若い二人を取り巻いて若葉がささや
 きのように揺れていたという。(鹿取)



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