かまくらdeたんか   鹿取 未放

「かりん」鎌倉支部による渡辺松男の歌・馬場あき子の外国詠などの鑑賞

 

馬場あき子の外国詠350(スイス)

2016年11月26日 | 短歌一首鑑賞

   馬場あき子の外国詠49(2012年2月実施)
      【ロイス川の辺りで】『太鼓の空間』(2008年刊)177頁 
       参加者:N・I、井上久美子、崎尾廣子、曽我亮子、藤本満須子、渡部慧子、鹿取未放
       レポーター:N・I
       司会とまとめ:鹿取 未放

350 ロイス川の向かうに行つてアンティクのマリア一体買はんと思ふ

      (当日意見)
★楽しんでいる。余裕がある。(曽我)
★夕暮れの雨の色をしている川の向こうですね。「アンティクのマリア」ということで、この国の
 古い歴史にコミットしたい想いがあるのでしょう。それを考えるとつねに夕暮れの雨の色をして
 いる地区というのも、もう少し深い意味があるのかもしれないなと思います。(鹿取)

 
        (レポート)
 川の向こうに行って骨董のマリアを買いたい。新品でないところがこの歌の眼目、骨董にはそれなりに訴えるものを宿しているのであろうから。(N・I)