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マーラのいる「のんほい」へ その2

2012-08-22 19:02:30 | 動物園
つづき。
やっと子ゾウ・マーラが出てきます。
ここまで「豊橋総合動植物公園」と書いていたんですが、正確には「豊橋総合動植物公園」という名称だそうです・・・

※以下、8月10日に撮影。ちなみにマーラの誕生日は2011年9月17日なので、およそ生後11ヶ月となります。


現在マーラの公開は時間を区切って行われており、午前11時~12時と午後2時~3時の1日2回実施されています。


とりあえずゾウ舎へ。駅から行くといちばん奥に位置しています。

のんほいパークでは、先月からゾウ舎のリニューアル工事が行われています。
具体的には、マーラが生まれたことを受けた運動場と部屋の増築工事。来年3月に完成すると屋外運動場が増設され、面積的にも広くなるそうです。
(各ゾウの紹介の前に先取りして書くと、写真で見えている2つの運動場が統合され母親・アーシャーのエリアに、写真手前側に新たな運動場を作って父親・ダーナのエリアに、そして工事中のいちばん奥の場所にマーラ用運動場ができるらしい)

さて、この工事の影響でこれまでマーラが展示されていた奥側の屋外運動場は閉鎖されており、ゾウ舎裏手に仮設運動場を作ってそこにマーラが出されています。


午前11時、ついにマーラと対面!
―だったのですが、仮設運動場は元々エサ置き場だか物置だかだったらしく、フェンスが張り巡らせていて非常に見づらくなっていたのです・・・

ちなみに左に写りこんでいるベニヤ板を組み合わせたものはフェンスの補強のためとのこと。この時マーラの体重は430キロ以上、力もかなり強くなっており、体当たりすると柵が持たないと判断したらしいです。


しかし、少し見にくいものの距離はとても近く、1メートルほどの至近距離でマーラと対面できました。
なんだかありえないくらいの小ささで、この動物がゾウであるということに違和感すら感じてしまいました。


マ「こんにちは!マーラです」
目が大きい、そして鼻が短い・・・!


この日はすんごく暑かったので、11時・2時の回ともにマーラの水分補給のため、水の入ったバケツが用意されました。
どうやらバケツはお気に入りらしく、鼻をつっ込んで息を吐きブクブク...とやってみたり、水をこぼしたり、挙句の果てに取っ手を取り外したりして遊んでいました(笑

さて、マーラに会うことを最大の目的にのんほいを訪れたわけなので11時・2時と2回とも、時間いっぱいマーラを観察していたのですが。
2時の回は見る人も少なく、開始から20分ほど経つと他に誰もいなくなってしまいました。
その時、マーラの付き添い(後述)で来ていた飼育員さんに「午前中もいましたよね?」と言われてしまい、そこから30分ほどマーラについていろいろな話を聞かせていただきました。


もうすぐ1歳を迎えるので、そろそろミルクから離れて草を食べさせたいとのこと。そのためにこの時も草を持ってきたのですが・・・



口には運ぶもののなかなか食べないそうです。
どうやら「食べ物」として認識していないようで、見ている間だけでも、鼻でつかんでも振り回して遊ぶだけでした。

そして、その主因は人工哺育にありそうです。
母親・アーシャーは、マーラを産んでも子育てをしようとせず、蹴飛ばしたり踏みつけたりしようとしたため、マーラは飼育員さんたちが人工哺育で育てることとなりました。
一方、どんな動物でも赤ちゃんは親のすることを真似して育っていきます。
真似する存在が欠けてしまったマーラは、草を食べるということを学べなかったのです。

さらに見ていて思ったのは、マーラは自分のことをゾウと思っていないのでは、ということ。
この後マーラは室内の運動場に移動したのですが、外にいるアーシャーがマーラに気付き、鼻を伸ばして興味を示しても、マーラは逃げるだけでした。
アーシャーは「小さなゾウがいる」ということでコミュニケーションを図ったのかもしれませんが、マーラはアーシャーのことを母親とも、もしくはゾウとも認識せず、「よくわからない動物」と思い怖がってしまったようです。

まあ、だからといって人工哺育の判断がよくなかったというわけではないですが。アーシャーから取り上げられなかったらマーラが死んでいたかもしれないし・・・

ところで、飼育員さん曰く「もう人工哺育はごめんだ」とのこと。
マーラが生まれてから4日間不眠不休で面倒を見た結果、自身の体重が5キロも減ったとか。
ゾウ担当のスタッフは4人しかいなかったそうで、その後2人増員してもらったそうです。

それでも第2子の誕生に向けて既に動いているようで、およそ100日周期でやって来るアーシャーの発情期に合わせ、最近にもペアリングをしたとのこと。
「でも次もアーシャーが育てなかったらどうするんですか?」と質問したところ、冗談なのか本気なのかわかりませんが「マーラに面倒みさせようかな」と仰っていました(笑


11時の回のラスト15分ほどは、室内に移動して水浴びが行われました。
水浴びは毎日ではなく、3日~4日に一度ほどでやっているそうです。


マ「きもちいいよ!」


屋外よりは柵が少ないので撮りやすい・・・かな・・・
けっこう毛が生えてます。生まれてきたときはもっとあったそうですが、特に体の横側の毛は壁で擦ったりして抜けていくんだとか。
ちなみにかなり硬い毛だそうです。市原ぞうの国で何度かゾウの鼻をさわったことがあって、大人のゾウはチクチクしていたのですが、硬さは子ゾウでも変わらないとのこと。


ア「いいなー・・・わたしも水浴びしたい!」
マーラの水浴びを屋外から眺めるアーシャー。


ぎょろっ
けっこうシワがあるんですね・・・


水浴びが終わったら、きちんとタオルでふきふき。海浜・陽浜もかつてタオルで拭かれていましたが、小さいうちは免疫が弱りやすい(カゼ引いたり)からでしょうかね。
飼育員さんからタオルを奪って口にくわえてます。



甘えるマーラ
いいなー、さわりたい・・・

ちなみにマーラは今のところミルクを飲んでいるそうですが、カナダから船便で輸入(!)して調達しているとか。
しかも4トン単位でしか注文できないらしい・・・トンって・・・


さて、マーラの話題はここまでにして両親も紹介しておきましょう。


こちらは父親のダーナ。2003年に長年連れ添ったメスのシャンティが死んで以来1頭で過ごしていましたが、めでたくアーシャーと結ばれ父親になりました。
飼育員さん曰く、温厚な性格とか。


マーラが出てくる11時より少し前に行ってみると、ダーナがトレーニングをしていました。足や鼻を指示通りに動かすように訓練し、血液検査のような身体のチェックをしやすくするためです。
右脚を上げさせた時に「反対」と言うだけでちゃんと左脚を上げたのを見て、やっぱりゾウって頭いいなあと改めて思いました。



そして母親のアーシャー。2009年に上野動物園からブリーディングローンで貸し出された個体で、35歳とかなり高齢です。
この動物園に来るまでいくつもの動物園を渡り歩いたものの、なかなか子どもを授かることはできませんでした。上野から遠く離れた豊橋でついに旦那さんを見つけたわけです。

現在工事のためアーシャーの運動場の前が立ち入り禁止になっており、これくらいしかまともな写真を撮れませんでした・・・
この時はマーラの運動場の前でアーシャーの話をしていたのですが、飼育員さんは「自分の名前が呼ばれたから気になってるんでしょう」と仰っていました。いやさすがにこの距離では聞こえないのでは・・・


ところで一般的にゾウのオスは乱暴な性格が多いらしく、発情期以外ではオスとメスをいっしょの運動場に入れることはないそうなんですが(少なくとも上野はそうしている)、ここでは毎日同じ空間に入れています。
というのもダーナの寝小屋はいちばん奥のため、いったんアーシャーの運動場を通り抜けないと入れないのです。

ふつうならアーシャーを先に部屋にいれ、誰もいなくなった運動場をダーナが通る・・・はずなのですが、どうやらアーシャーがダーナのことを気に入っているらしく、ダーナが部屋に入るのを確認しないと帰らないんだとか。
この日もアーシャーは自分の部屋への扉が開いても入ろうとせず、それどころか自らダーナに近づいてく始末でした。
温厚な性格のダーナと、彼にぞっこんのアーシャーという組み合わせだからこそできることなんですね。




<余談>
内容が多いので2回に分ける予定だったのですが、面倒なのでまとめてしまいました・・・
次回でのんほい特集は最後です。

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