久しぶりに時事問題を書こうと思います。
半ば”出来レース”と化している自民党の総裁選挙。もちろんこんなネット世界の末端の地で意見を述べたとしても、到底世論を動かすことなんてできないわけですが、一応法学部政治学科進学を検討している高校生としてはこの種の話題に首を突っ込むことが多少なりとも良いだろうと思うので、拙い文章ではありますが書かせていただきます。
さて、結論から言うと私は今回の選挙のどの候補もイマイチだなあと思うわけです。各候補毎に理由を書き連ねていくと・・・(順不同)
与謝野氏:消費税を増税するのには賛成。税金が上がるのは嫌ですが、今の日本は税金を上げないとかなりやばい状態にあると思うわけで。もちろん各省庁で発覚している”無駄遣い”を無くすというのが増税の絶対的な前提条件ですが。
でもこの人にはリーダーシップが期待できない気がする。昨年は官房長官をやってましたが、正直私は「確かやってた」程度の認識なんです(ただし某新聞では「官房長官として腕を発揮した」との論調もあるので、あくまでこれは個人的な意見ですが)。官房長官という職に就いていたことを半ば忘れられるような人に首相が出来るのでしょうか。
小池氏:小泉氏からの支持を取り付け、完全に小泉改革の後継者となったと言えますが、その小泉改革があまり好きではないので支持できない。
石破氏:なんだか突然出てきた印象で、得意の防衛関連以外の政策がまったくまとまってない気がする。この人が経済対策とか語ってるのをまだテレビで見たことが無いのですが。取り上げられてないだけ?
石原氏:論外。というのも、感情的に見ると彼が勝つ→父親の石原都知事が調子に乗る→都知事は春に「パンダいらねえ」発言をしたので個人的に嫌い、というのがあるため。もっと客観的に見ると、この人に関してもリーダーシップがない気がする。年齢が若いので、もし首相になってももっと年上の議員たちに頭が上がらないのでは?それじゃあ年配の人がなった方がいいのか、と言われたら違うのですが。
以上挙げたのは4人。一人足りないのはもはや言わずもがなの麻生氏です。
総裁選でもすでに全票の6割を固めたとか報道され、当選はほぼ確実。そして国民的人気も高い麻生氏ですが、私はこの人を一番支持できません。
そもそも政策が合わない。メディアで散々言われてますがこの人は典型的な「バラまき型」。今、日本の収支を見て借金が歳入の何倍にも膨れ上がっている今、財政再建路線を捨ててさらに借金をするべきだとはどうしても思えません。
そもそも小泉氏以降、旧来の政治手法を改めようという動きが大勢を占める中で、どうしてここにきて先祖返りするような方法を訴えているのでしょう。それに”バラまく”ための財源はどこから出てくるのかという問題もあります(注:財源に関しては私が把握していないだけで何か言ったのかもしれません)。
また、麻生氏のバックに古賀選対委員長がついているのも見逃せません。古賀氏は道路族議員の取りまとめ的存在。そんな人が後ろにいるということは、麻生氏がバラまきを公言していることからも考えて今後は道路の建設が進むとしか思えません。せっかく無駄遣いだらけの道路特定財源の一般財源化を実現しようとしているのに、これではまったくもって昔の自民党に戻ってしまい、道路特定財源の無駄遣いは収まらず、そして建設業界との癒着が復活してしまいます。
もう一つどうしても支持できない重大な問題があります。
麻生氏から岡崎市に謝罪文 豪雨めぐる発言で
そう、言動のことです。
氏はこれまでもさまざまな”問題発言”をしてきました。もっともメディアや支持者の中には「歯に衣着せぬ発言」とか言って褒めているのもありますが。
で、総裁選の間は自分の足をすくわれかねないのでさすがに問題発言はしないだろうと思っていたのですが、結果が上の記事です。自らの当選が確実な総裁選でもこのような発言をするということは、もちろん選挙で勝って首相になっても人のことを思いやらない発言をし続けるということと受け止められると思います。
今回の豪雨についての発言では、「主要都市での公共工事は必要だ、という趣旨で言った演説の一部を切り抜いただけで報道するな」とか、「どうせアンチ麻生派や民主党寄りの報道だ」などという発言も見られるようですが、それは違うと思います。確かに一部分だけを抜いて報道されたのは事実ですが、たとえその演説の一部分だけだとしても自分の発言すべてについて責任を持つ、というのが政治家の責務なのではないでしょうか。それに政治家というのは国民全体のことを思いやって政治をしなければならないわけで、このようにたとえほんの一部分だけだとしても国民を傷つけたり、不快感を抱かせてはならないはずです。麻生氏はそのことをまったく肝に銘じていないと思います。だからこそ問題発言を連発するのです。私は国民のことを思っていない政治家に首相が務まるとは到底思えません。
今回の総裁選が盛り上がりに欠けている最大の理由は麻生氏絶対優位の”出来レース”であること、そしてそこから来る政策論争の不完全燃焼ということだと思います。その他にも第6の候補擁立時の周囲からの圧力、町村派の仲間割れ等々まったくもってかつての自民党と変わっていないことに対して国民があきれた、というのもありうるでしょう。そして本来ならここで民主党がその不満の受け皿になるべきなのに、まったくその役割を果たしていないという現実。中国の台頭などで国際的に埋没しかけている日本の未来は、果たしてどうなるのでしょうか。
未来にいちばん影響を受けるのは、私のような今の高校生などの世代なのです。今の政治家は我々のことをちゃんと考えてくれるのでしょうか。そして自民党は今回の総裁選が国民不在であること、もっと言えばすべての政治家は今の政治が国民不在のままに進んでいることをしっかりと認識しているのでしょうか―