北海道旅行、ついにラストです。
今回は、ちょっぴり泣ける話・・・かも。
平岸の高台公園とHTB本社を見学し、一気に遠くへ。洞爺湖へと向かいます。
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途中、偶然にもHTBの中継車と遭遇!
onちゃんがでかでかと描かれていたのですぐに気付きました。
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定山渓を経由し、豊平峡行ってみたいなあ・・・と思いながらも車を進め、中山峠で休憩。
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中山峠と言えば、道民でもなんでもない自分でも知っているのが「あげいも」!
平日なのにあげいもを食べている人がけっこうたくさんいたのが驚き。
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ということで食べてみました。これが3つ串に刺さって300円也。
じゃかいももおいしいのですが、外側のホットケーキのような生地の甘みが気に入りました。
ただけっこうしつこいので、個人的に1人で全部食べるのはきついかなあ、という印象。
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こんなのもありました。どう見てもだんご3兄弟のパクr(ry
今回の旅行、前日は円山動物園で雨に降られたものの、この日の天気は持ち直していたのですが
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やはり羊蹄山のまわりには雲が集まっていて、中山峠からはその姿をきれいに見ることはできず。
頂上が雲に隠れるところも合わせて、本当に富士山みたいです。
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再び車を走らせ、国道を喜茂別、留寿都と進みます。
洞爺湖の道の駅で再び休憩したものの、羊蹄はやっぱり見られずじまい。
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そんなこんなで札幌を出てから2時間半。洞爺湖に着きました。
なぜわざわざ洞爺湖に来たのか。純粋に湖を見るため、ではありません。
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今回も目的地はここ、「西山火口散策路」。
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今から12年前。このすぐ近くにある有珠山が噴火し、洞爺湖周辺は大きな被害を受けました。
その噴火によって破壊された道路や家がそのまま保存され、現在見学することができるのです。
上の写真ですが、下にアスファルトの舗装道路が見えるように、かつては下っていく形で国道が伸びていたそうです。
しかし目の前の西山付近に火口が開き、噴火に伴い土地が隆起したため、上り坂になってしまったといいます。
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国道は左右に走り、真ん中に見える「止まれ」の看板の位置で、1977年の噴火後に国道と平行するように作られた町道と交差していました。散策路はその町道の跡を歩くことになります。
目の前の建物はかつての消防署で、現在は噴火の資料館となっているようです。
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また、噴火によって地盤沈下が起こり、地下水や雨水がたまり池のようになってしまったとのこと。
ちなみに中央に見える白い車ですが、まだ噴火の兆候が現れた段階で取材に来た記者が乗っていたもので、噴火がひどくなり身動きが取れなくなったため乗り捨てていった―という話があるらしい。
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その町道も以前は下っていたそうですが、国道と同じく土地の隆起により上り坂に。
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しかも亀裂や段差があちこちにあり、到底車が走れる道ではなくなっていました。
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かなりの勾配を登っていくこと5分ほど。車道は完全に草に埋まり、枕木で作られた歩道だけが火口へと伸びていきます。
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頂上に到着。「散策路」というイメージとは大きく違い、半ば登山気分を感じるほどのアップダウンです。
左側、速度標識と折れた電柱のあるとことがかつての町道。国道はすっかり木々に覆われ、どこにあるのかさっぱりわかりませんでした。
ちなみに奥の方に羊蹄山が見えますが、結局てっぺんは雲に隠れたままでした。
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反対側を向き、虻田市街を望んだところ。噴火湾も見渡せます。
手前から煙が出ているのが見えますが、火山ガスのようで散策路の柵の外には絶対に出ないよう警告が掲示されていました。火山活動が続いていることを実感させられます。
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散策路は火口付近を頂上に、南側にも続いています。
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少し降りると廃墟が。
洞爺湖名物のお菓子、わかさいもの製造工場だったところです。
土地の隆起により建物は折れ曲がり、噴石が降り注いだことで屋根にはいくつもの穴が開いています。
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さらに歩いていくと、歩道の脇に大きな石が。これも噴火で飛ばされてきたものでしょうか。
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そして斜めになった住宅の門やガレージも。
地形が大きく変わったことがうかがえます。
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この家の方が持ち出せなかったのか、車が一台置いてありました。
中をのぞくと、座席に苔が生していました。
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さらに地下に埋められていた暗渠も、地面が盛り上がったことで地表に出てきています。
この先も散策路は続き、噴石に破壊された幼稚園の廃墟などがあるそうです。
また、旧国道をはさんだ反対側の山には金比羅山火口というものがあり、火山灰や泥流で一階部分が埋まった温泉施設や住宅の遺構が残っているとのこと。
両方とも見たかったのですが、帰りの飛行機までもう時間がなかったので、再訪を期して新千歳空港へと向かいました。
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散策路に入ったところで、一匹のネコに会いました。
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雨上がりで観光客も誰もいない中、道路にぽつんとたたずむネコ。
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人懐っこくて、しばらく背中をなでたりして先へ進もうとすると、道案内をするかのごとくいっしょに歩き始めました。
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と、そこで道沿いのお土産物屋さんからおばさんが出てこられました。
話を聞くと、おばさんの飼い猫だそうで、「トラちゃん」と呼んでいました。
トラちゃんが現れたのは、今から10年ほど前。
噴火から2年ほど経った頃、噴火によってできた、この西山から下りてきたそうです。
おばさん曰く、「近くのアパートで飼われていたネコじゃないか」とのこと。
有珠山が噴火したのは、12年前の3月31日。
その数日前に噴火の兆候が観測され、この一帯に住む人には避難するよう指示が出されていたそうです。
トラちゃんはその時、飼い主さんに逃がされたのか、置いていかれて自ら逃げたのか―
山から現れた時は、毛が逆立ちひどい姿だったようです。
ここで暮らすうちに体力も回復し、今のように元気になったとか。
ただ、トラちゃんは今でも山へ向かい、かつてアパートがあったところを捜し求めて歩き回っているそうなのです。
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「トラちゃん、寒いから中にお入り」と何度も言われながら、ネコは火口の方をじっと見ていました。
おばさんと別れ、アパートを探しましたが、それらしい痕跡はまったく見当たりませんでした。
家に帰ってから調べてみると、どうやらアパートはわかさいもの工場の隣にあったようです。
いまその付近で撮った写真を見直しても、写っているのは折れた電柱や工場のがれきばかり。
トラちゃんはこの中をするすると歩きながら、かつて飼い主と過ごした日々を思い出しているのかもしれません。
おばさんから10分ほど話を伺っただけなので、記憶違いなどあったら申し訳ありません。もっと言えば、どこまで事実なのかも断言することはできない話です。
しかし、災害に巻き込まれたこのネコの話は、この時目の前の風景を他人事ではなく”自分事”として捉えなおす大きなきっかけに思えました。
埼玉に住んでいると「噴火」という災害はいまいち実感がわきませんが(まあ富士山はいろいろ言われてるけど)、様々な遺構を見ていると噴火に限らず、地震や津波といった災害そのものへの恐怖心を改めて強く感じた出来事でした。