最後まで読ませる力はさすがだと思いました。
展開自体は確かに劇的なので、
途中飽きることなく最後まで読み進めることができました。
面白くない小説は途中で読むのをあきらめるので、
そういう意味では、面白い小説なのだろうと思います。
最高権力に向けた、それぞれの飽くなき執着を余すところなく描いています。
安田講堂攻防当時の物語の展開は、
つかこうへいの「飛龍伝―神林美智子の生涯」を彷彿とさせますが、
崇や尚子、宣子のやりとりは昼のメロドラマみたいな印象を受けました。
傲岸不遜で、自己中心的だが容姿端麗かつ有能とされる崇の
ステレオタイプなエリート像は、やや陳腐です。
女性陣の方が個性的に描けていたように思います。
眞一郎や三奈の変容は、70年安保世代に対する痛烈な皮肉なのかもしれません。
もっとも、あの結末はいただけません。
どういう結末に終わるのか期待していましたが、
結末には拍子ぬけしました。
読者の想像にゆだねるような終わり方は、
エンターテイメントの作家としてはどうかなあと思います。
帯には衝撃の結末と書いていますが、
中途半端な終わり方ではないでしょうか。
望むような未来が決して約束されているわけではないことを
予感させるだけでは、読み手に不完全燃焼を与えるのでは?
読後感がこの作品の全体の評価を決めてしまうことになりそうです。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京
最近読んだ楡周平作品の中では「再生巨流」の方が面白かったように思います。
展開自体は確かに劇的なので、
途中飽きることなく最後まで読み進めることができました。
面白くない小説は途中で読むのをあきらめるので、
そういう意味では、面白い小説なのだろうと思います。
最高権力に向けた、それぞれの飽くなき執着を余すところなく描いています。
安田講堂攻防当時の物語の展開は、
つかこうへいの「飛龍伝―神林美智子の生涯」を彷彿とさせますが、
崇や尚子、宣子のやりとりは昼のメロドラマみたいな印象を受けました。
傲岸不遜で、自己中心的だが容姿端麗かつ有能とされる崇の
ステレオタイプなエリート像は、やや陳腐です。
女性陣の方が個性的に描けていたように思います。
眞一郎や三奈の変容は、70年安保世代に対する痛烈な皮肉なのかもしれません。
もっとも、あの結末はいただけません。
どういう結末に終わるのか期待していましたが、
結末には拍子ぬけしました。
読者の想像にゆだねるような終わり方は、
エンターテイメントの作家としてはどうかなあと思います。
帯には衝撃の結末と書いていますが、
中途半端な終わり方ではないでしょうか。
望むような未来が決して約束されているわけではないことを
予感させるだけでは、読み手に不完全燃焼を与えるのでは?
読後感がこの作品の全体の評価を決めてしまうことになりそうです。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・東京
最近読んだ楡周平作品の中では「再生巨流」の方が面白かったように思います。