ジェノサイド | |
クリエーター情報なし | |
角川書店(角川グループパブリッシング) |
大量殺戮を意味するジェノサイド。
最初のうちは、表題と物語はなかなかリンクせず、
日本とアメリカでの二つの物語がパラレルに進んでいきます。
物語の中盤に差し掛かって
二つの物語がリンクして、
物語の全貌が明らかになりだしたあたりから
俄然面白くなっていくので、
そこまでは辛抱して読むべし。
福島の原発事故以来
高度な政治判断という美名の下に
国民に対して必要な情報を隠すというのが
国家権力の常套手段かもしれないというケースが
現実に次々と現れてくると、
この小説に書かれてある権力者たちの行動も
あながち荒唐無稽と笑えないからおそろしい。
人類絶滅の危機を示唆する
ハインズマンレポートの存在をはじめとして
「傭兵」や「創薬」、アフリカのコンゴでの虐殺事件、
などなどディテールの描き方が半端なく精巧なので
非常に現実感が溢れています。
一部残虐なシーンがこれでもかと詳細に描かれますが
そのことが傭兵たちのアフリカ脱出劇の壮絶さを際立たせています。
任務に隠された真実は何か?
背後で糸を操っているのはいったい何者なのか?
最後まで目を離せないスリルを味わえます。
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またよろしくです♪
久しぶりにハラハラドキドキする小説を読みました。
これからもよろしくおねがいいたします。