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ちょっとだけスパイシー

雲南省旅行記(17)

2006-09-12 | 雲南省旅行記
出発は30分遅れの8時30分になった。
西双版納大橋を渡り『野象谷』へ向かった。
タクシーが最初に寄った所は、『蠎蛇園(蠎=おろち)』
私はいろいろな動物を見るのが好きなのだが、
爬虫類、特にヘビは見ただけで足が止まり、
びっくりして声が出なくなる。
真剣に見学しようという気にならない。
妻も気持ちが悪いと、あまり見ようともしない。
ただ、この日は昨日と違い天気がよく、
雨粒が葉の上に残った熱帯雨林の中は心地よく、
さらに民族衣装を着たガイドや従業員を目にする事ができ、
ふたりを楽しませてくれた。

民族衣装を着た若い女性たちは手にデジカメを持ち、観光客を撮っている。
少し先の竹で作った小さな小屋にパソコンとプリンターが置いてあり、
ここでも1枚20元で売っている。

『蠎蛇園』の次は、『蝴蝶館』蝶の博物館だ。
金網で大きなドームを作り、その中で、2千匹の蝶を飼育している。
中国だけでなく、世界各国から珍しい蝶を集め飼育している。
蝶だけでなく、地面にはたくさんの花や木も植えられている。
人間に慣れているのか、敵意が無いと解かるのか、
近づいても、逃げない。
妻は大喜びでカメラを手に写真を撮っている。
私も一緒になって、写真を撮りだした。

川や池のほとりを歩くと、『百鳥園』に出た。
ここでは、蝶の博物館の何倍もの大きさの金網で作った、
囲いがあり、鳥を飼育している。
その他にも、鳥のショーなどもあり、
運転手や私たち夫婦を楽しませてくれた。

これらを後に、『野象谷』に移動した。
ここは野生の象が住む自然保護区で、
運が良ければ、野生の象を見ることが出来るらしい。
入り口に入ると左手に川があり、飼育係の人が、
4頭の象の身体を洗っていた
まもなくショーが始まると言う。
コの字型に造られた会場で、コンクリートの椅子にすわり
開演まで待つことにした。
ここでは飲み物や軽食が食べられるようになっていて、
民族衣装を着た男女が、席まで運んでくれる。
せっかくここまで来たのだから記念に、焼き鳥を2本頼んだ。
スズメより、ひとまわり大きく、50センチほどの竹串に挟んで焼いている。
毛はキレイに取られているが、頭や手足がついたままで、
グロテスクな様相である。
骨ばかりで身はほとんど無く、頭蓋骨をガブッとかじると、
やわらかく、ぬるっとした食感の脳味噌を味わうことが出来た。

いよいよショーが始まった。
象のダンスやマッサージ、サッカー、
人間30人対象1頭の綱引きなど30分ほどのショーだ。
見物客がお金を出せば、象の背中に乗って写真を撮ってくれる。
見物客がお金を出せば、象にバナナの餌をやることが出来る。
などなど、徹底した金儲け主義だ。
ショーが終わり、入り口近くのレストランに入った。
大きな建物で、バイキングになっていて、ステンレスのお皿と器をとり、
中央に建物を2等分するようにおかれたテーブルの上に、料理が乗っている。
ステンレスのお皿と器の中は水が溜まっていて、
どうみても清潔とは言えない。
ティシュペーパーで綺麗に水を拭き取り、妻が料理を取りに行った。
お皿の上には、ゆで卵と枝豆にピーナッツ、少しの料理しか乗ってない。
「食べるものがない。辛いのや、脂っこいものばかり」
さっき、焼き鳥を食べた所なので、お腹の方は大丈夫だろう。
他に店が無いとは言え、もう少しまともな(日本人が入れるような)
店を選んでほしかった。ふと劉さんの方が良かったとつぶやいてしまう。

旅行会社の作ったプランでは西双版納の観光予定はこれで終了である。
タクシーは景洪に向かって走り出した。
残った時間は景洪の市内観光と思っていたら、
タクシーは景洪市内に行かず、途中の空港に行き、
「これでおれの仕事は終わり」
と荷物を下ろし、走り去ってしまった。
時間はまだ、午後2時前。飛行機の出発時間は午後5時30分だ。
景洪空港は、すごく小さな空港で、ロビーに手荷物預かりどころか、
ベンチや椅子さえもないのである。
こんな空港で3時間半も何をしろというのだ。
妻が状態を旅行会社に連絡。
とりあえず、タクシーで市内の大きなホテルに行くことにした。
空港玄関でタクシーに、
「景洪で一番近いホテル」
と言って乗り込んだ。
空港から景洪には車で移動したことがある。
この前とは違う道だ。
ホテルに到着し、タクシー運転手が
「25元」
と言い出した。
わざと遠回りをし、料金も倍以上の金額を言っているのである。
妻が顔を真っ赤にして、抗議。結局5元の支払で済んだ。
ホテルで再度、旅行会社に電話をし、このホテルにいると伝えた。
最初はロビーに二人で座っていたが、最低でも2時間は何もすることが無い。
ロビーの奥に喫茶店があったので、そこで時間をつぶすことにした。
10元で、プーアル茶を頼んだ。
この喫茶店では一人1杯ではなく、ポット1杯分のお茶で
お湯のお代わりが何杯でも良く、何人が飲んでもかまわない。
奥の席では、男性4人がトランプをしている。
平日の昼間から良い男がトランプをして・・・
「劉さんが言ってた、タイ人の男性は結婚したら、
働かなくて良いって、本当なんだな?」
と、納得してしまった。
30分ほどして、ガイド兼運転手がやって来た。
旅行会社から、怒られたようである。
飛行機に乗るのを確認して、ガイドの仕事は終了である。
二人を降ろしてから、タクシーの仕事をしていたそうだ。
市内見学に行こうと言われたが、私たちはもう、
このガイド兼運転手の顔も見たくない。
「帰っても良い。ふたりでゆっくりとお茶でも飲んでる。」
と言うと、
「それでは悪いので、4時にこのホテルに迎えに来ます。
空港までは送らしてもらいます」
最後にくだらない事件はあったが、
西双版納は良いところもたくさんあって、
私たち夫婦を楽しませてくれた。

次の大理を楽しみにしながら、景洪空港を飛び立った。

コメント
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