cuminseed

ちょっとだけスパイシー

言葉のニュアンス「結構美味しい」

2006-10-29 | 日常


昨日の夕食に妻が作ってくれた料理。
冬瓜の皮をむき、中をくり抜き、
くり抜いた冬瓜にミンチに椎茸、
人参、筍などを混ぜて味付けし、
再び冬瓜に詰め込み、クコの実をまぶして
蒸すと言う料理だ。

妻も初めて作った料理で、
健康的でヘルシーな料理だ。
中国では薬膳料理として、良く食べられているらしい。

『結構美味しかった!』

良く妻が使う言葉である。
まだ日本語を完全に使い切れていない妻には
微妙な意味の違いが、理解できていないようだ。

レストランや家などで、美味しい料理を食べたときも、
『不味くは無いね』
と言うときがある。
本人は、「料理がとても美味しい」と
表現したつもりなのだが、
深い意味が解かっていない。

日本人の感覚では、
「不味くは無いけど、美味しくもない」
と理解する人の方が多いかも知れない。

昨日の昼食は、近所の中華料理屋に食べに行った。
妻の知り合いの店なのだが、この付近では評判の店で、
食事時にはいつも満席だ。
先日の夕食に、この店の餃子は美味しいから食べに行こうと妻に誘われ、
暖簾をくぐったのだが、満席の為、食べずに帰った。

お昼の早い時間なら、大丈夫だろうと、
美味しいと言われる餃子を味見しに行った。

すでにたくさんのお客さんが来ており、
二つだけ空いていたカウンター席に座り、
私は中華定食、妻は餃子二人前とビールを注文した。

お店はご主人と息子さんが調理、
ご主人の奥さんが外に出て注文を聞いたり,
レジや洗い物をしている。
奥さんと妻とは間を見て会話をしていた。

大振りの自家製餃子で、少し野菜の切り方が
大きすぎる気もするが、美味しい一品だ。
妻が、
「この餃子。結構美味しい」
と、奥さんに声をかけた。

忙しいのか、聞こえないのか事実は解からないが、
返事が返ってこない。

家で食事をするときなどには、あまり言わないが、
日本では「結構美味しい」とは言わずに、
『とても美味しい』
と言った方が喜ばれると注意した。

少ししてから、今度は、
「この餃子。とても美味しい」
と妻が奥さんに言うと、
「この前はせっかく来てくれたのに、
 席が無くてゴメンネ!
 今日も狭いカウンターで・・・」

以前妻に日本語を教えてくれた人が、

『不味くは無いね』
『結構美味しかった』

と良く言っていた為、
それで良いものだと思っていたし
注意する人や、詳しく説明してくれる人もいなかったらしい。
日本語としては間違っていないのだが、
時と場合によっては使い分けた方が良いだろう。


昨日の妻の作った料理は

『不味くは無いね』
『結構美味しかった』

の両方だ。

理由は、
日本の「冬瓜」は、
中国の「冬瓜」よりも大きく、
ガスコンロの火力が小さい。
その為に、中央部分が少し生煮えで硬くなっている。
中国の「冬瓜」に
中国の「ガスコンロ」なら、

『凄く美味しい』のに・・・










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トイレットペーパー

2006-10-27 | 日常
朝はいつも一番先に会社に到着し、
オートロックキーを開けて事務所に入る。
地下鉄堺筋本町駅を出てすぐのビルの4階が事務所だ。
3階と4階が事務所で7階が休憩室兼食堂になっていて、
7階の鍵を開けるのも私の仕事だ。

休憩室には自動販売機が置かれ、
キリンビールが同系列の会社の為か、
他の自動販売機で買うより、少し安く買える。
夏の暑いときには、部屋の鍵を開けて、
冷たい缶コーヒーかペットボトルのお茶を買い、
一気に飲み干すのだが、最近は朝も涼しくなり、
給湯室でステンレスの魔法瓶に熱いお湯を入れ、
デスクの中に入れてある、
近所のスーパーで買ったインスタントコーヒーとマグカップで
自分で作って飲むようにしている。

健康診断で、太り過ぎで糖尿病だと診断されたので、
砂糖にミルクは入れず、そのままブラックで飲む。
いくら安く缶コーヒーが買えても、自分で作ったほうが、
何倍も安く飲むことが出来る。
どうせ私は、味など詳しく解からないのだから、
インスタントコーヒーで充分だ。

誰も来ていない会社で30分ほど、
本を読むか食堂でテレビを見るのだが、
その間に必ずすることがある。
『お通じ』
だ。

今までは、4階のトイレに行っていたのだが、
先月から7階のトイレに行くようになった。
私が会社に着く前に、ビルの清掃会社のおばちゃんが、
トイレ掃除を始めているのだが、
4階と7階では違う人が掃除をしている。

今までまったく気にもしなかったのだが、
7階のトイレ掃除をしているオバサンは、
掃除が終わったあと、
必ず、トイレットペーパーの取り出し部分を、
きちっと3角に折りたたんでいるのだ。

いつも綺麗に清掃してもらっているだけで感謝しているのに、
何気ない思いやりが、とても嬉しい!

7年前に脳出血を発病したとき、
1ヶ月は寝たきり状態でトイレに行けず、
処理を看護婦さんや介護の人に頼むしかなく、
屈辱と羞恥の毎日だった。
それから、抱きかかえてもらって車椅子に乗せてもらい、
トイレまで行って、また抱きかかえてもらって
便座に座らせてもらうという事が
2週間ほど続いた。

病院のトイレのトイレットペーパーが右手の方に付いていて、
右片麻痺になれていない私は、紙を取ろうとしたとたんに
バランスを崩してしまい、パンツを下ろした状態で、
便座から落ちてしまった。
普通の人では信じられないだろうが、
それぐらい情けない状態だった。

その様子を見ていた掃除のおばちゃんが、
少しでもペーパーを取り易いようにと、
いつも取り出し口部分を3角に折りたたんでくれた。
すごく有難い事だった。


最近は、何気ない優しさが、少なくなって来たかも知れないし、
私自身が、優しさを感じなくなってきたようだ。
7階のトイレではオバサンに感謝しつつ、
用を足した後は、同じように元に戻すようにしている。
朝は、爽やかな気分でスタートしたいものだ。




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喋ったことのない友人(2)

2006-10-25 | 日常
今日の朝、いつもの時間通りに家を出て会社に向かった。
いつも地下鉄で出会う、喋ったことのない友人は、
月曜日・火曜日と同じ電車には乗っていなかった。

『今日はいるかな?』

と、本町駅で地下鉄中央線に乗り込むと、
いつもの一番後ろの車両の優先座席前に、
濃紺の、ダブルスーツにピンクのシャツ、
ピンクのネクタイを締め立っていた。

「今日は寒いですね」

彼の方から喋ってきた。

彼「私、あまり日本語が上手くありません」

私「いえいえ。 お上手ですよ!
  日本に来て、どのくらい立ちますか?」

彼「8年になります。日本語、難しい」

私「そんなことないです。よく解かりますよ」
  
彼「私はインドのニューデリーから仕事できました。
  日本の冬は寒いです。寒いと朝、起きるのが辛いね」

ほんの1~2分ほどの時間だったが、
2年目で初めての会話だ。
まだ名前も知らない友人だが、
今日一日、とても爽やかに過ごすことができた。

ほんの少しの会話でも、
たくさんの想像と期待感が膨らむ。
このような出会いも大切にしたいものだ。

明日からの通勤が、
すごく楽しみだ。




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韓国障害者自立生活体験研修in日本

2006-10-24 | 障害者
21日東京で
日本に、自立生活体験研修に来た
韓国の障害者たちとの交流会に参加してきました。

バリアフリーや、障害者の生活保護などでは、
日本の方が進んでいるようですが、
国民の障害者に対する意識や姿勢は韓国の方が、
進んでいるような気がしました。

残念ですが、最近騒がれている、
イジメや虐待等などが、別の方面で、
身近に起こっていても、不思議ではないですね。

当然ですが、今回日本に来られた障害者は、
重度であっても、人生を前向きに生きようと、
頑張って生活しておられる、
選ばれた方がたとは思いますが、
みんなが明るく良い人ばかりでした。

その中でも、特に親しくなったのが
『ジュンチャン』で、
身体の体形や機能だけでなく、骨折しやすい体質で、
日本に来る数日前に腕を骨折したにもかかわらず、
痛みを表情に出さず、明るく元気に振舞っていました。
彼らとの交流で、元気をたくさん貰うことが出来ました。





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上海の義兄(2)

2006-10-20 | 中国
上海新天地でもう一つ義兄に連れられて食べたものがある。
『臭豆腐』だ。
乳腐とも言い、豆腐を発酵したもので、
日本の『くさや』とか『鮒寿司』のような臭いがする。

上海新天地でノドが乾いたので
ジュースでも飲もうと、ファーストフード風に造られた、
混雑した店に入ったとき、義兄がメニューを見て、
「これを食べよう」
と言い出した。

妻は
「なんでも食べるけど、
 これだけは食べることが出来ない」
と、口をつけず姪とコーラを飲んでいた。

義兄は私が食べれないと思ったのだろう。
冗談のつもりで注文したに違いない。
しかし、食に関しては好奇心いっぱいで、
とにかく味見しないと気がすまないのだ。
それに、発酵食品も不味いとは感じない。

その店では、臭豆腐を揚げたものが出て来た。
タレに生姜醤油か辛子味噌を好みでつけるようになっている。

中がやわらかく、外はサクサクし、
臭味の中に微妙な美味しさがある。

義兄は、私が「臭豆腐」を美味しいと食べるので、
ますます親近感が、湧いてきたようだ。

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