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ちょっとだけスパイシー

雲南省旅行記(13)

2006-09-05 | 雲南省旅行記
国家AA級旅游景区 『原始雨林中的克木人』に着いた。

旅行会社の予定では植物園に行くはずだったのだが、
「時間にゆとりがあれば、こちらの方が面白いです。
少し別料金もかかりますが?」
と劉さんが言うので、少しぐらいならお金がかかっても
面白い方が良いに決まっている。
『原始雨林中的克木人』に行くことにした。

原始雨林中的克木人とは、
原始雨林の中に住む、克木民族と言う意味だそうだ。
ここでは、劉さんがガイドをしないで、
現地住民が案内をする。
バスツァーの観光客たちもここでは現地住民のガイドに替わる。
克木人は原始そのままの民族で凶暴の為、危険だからだそうだ。
20人ほどのバスツァーの観光客といっしょにガイドの女性に着いて行った。

この民族は、昔から定住をせず、
ミャンマーと中国とをメコン川を渡りながら暮らしていたのが、
数年前に中国最後、26番目の少数民族にくわえられた。
生活や文化レベルが原始時代のままで、木の葉っぱが主食として暮らしていた。
性格が凶暴で、以前は首狩り族とも呼ばれ、
自分たちの領地に他の部族が入ると殺してしまい、
首を切って頭蓋骨を飾っていた。
私が良いと言った場所以外で勝手に写真を撮ってはいけない。
この中に足を踏み入れるのには、友好の挨拶をしなければいけない。
それは、右手を口に当て『アワワワ・・・』と声を出す。
これをしないと侵略者として襲ってくる・・・

途中までは納得して聞いていたのだが、
最後の方は子供向けのお遊びに聞こえた。

熱帯雨林の中に細い道を作って、
克木人の生活や風習を見て廻る事ができるようにしてある。
「毒のある草や木もあり、触ると皮膚がただれたり火傷をしたりするので
絶対に触らないで下さい」
どうやら、これは本当らしい。

うっそうとした森の中を歩いていくと、
『アワワワ・・・』 『アワワワ・・・』
と何処からか聞こえてきた。
観光客も
『アワワワ・・・』 『アワワワ・・・』と返事をすると
木の上から克木人が飛び出してきた。
熱帯雨林の自然に加え、住居や沐浴の様子。
主食だったと言う木の葉っぱや木の根っ子の試食。
(口に入れるだけで吐き出した)
若い女性たちからの、歓迎の踊りがあった。
ここでは写真を撮っても良いと言われた。
観光客も踊りに参加する。
人なつっこい10歳代前半の女性たちばかりかも知れない。
自分から近寄ってきて、写真に入ろうとする女の子もいた。
大耳黒牙人といって、女性の大きなイヤリングにお歯黒と言った民族の風習
空中走廊や、火海庁と言う所では火を使ったショーがあった。
松明を口に入れたり燃えている炭の上を歩いたりと、
昨日見たショーと内容がいっしょだ。
終わってから、大きなお皿にお金を入れろと、催促するところも同じだ。
表演庁と言う場所があり、
もうすぐ歌舞のショーがあるという。
若い女性達が、ショーまで時間があるのだろう。
ラジカセでロックを流しながら、踊っていた。
凄く身が軽く上手い。
時間が来て、民族音楽の踊りが始まった。
アップテンポのメロディーを槍や弓を持って踊る。
見ごたえのある踊りだった。
その建物の外側の壁には、昔は人間の頭蓋骨だったが、
今では牛の頭蓋骨になったという壁一面の飾りなど、
たくさんの見せ場があった。
動物を捕獲する罠の展示してある場所近くに、屋根だけの小屋があり、
その中に青いタオル地の服を着た2歳ぐらいの子供がひとりでいた。
手にはチョコレートの入ったビスケットを持っている。
おとうさんらしい上半身裸の人が、罠の弓に矢をつけている。
少し笑える風景だった。
出口に近づいたとき、克木人のガイドが友好の印に、
何か記念になるものが欲しいと言ってきた。
ディバックのポケットに入っていた10円玉と50円玉を上げると、
凄く喜んでいた。
この施設そのものが観光客用の作り物であることは現実で、
少し誇張しているところもあるが、
自然と、つい最近まではこのような生活をしていたのだと言う事実を考えると
興味深く、面白い場所だった。
若い女性たちの、屈託のない笑顔が印象に残っている。
男性たちは、踊りや演技、施設のメンテナンス。
若い女性は歌や踊りなど、少し年配で中国標準語を喋れる人がガイド。
などと少数民族の人達が協力しあって生きているのだと思った。
現代の世の中は、現金収入が無いと生きて行けない。
少数民族で、最近まで現地の言葉しか使わなかった人達は、
このような観光客相手の仕事しか、出来なかったのだろう。

帰りの車の中で、劉さんに
「タイ民族の人達が観光客に自分の家を見せて
お金儲けをしたりするのは、同じタイ民族としてどう思いますか?」
と聞いてみた。
「なんとも思いません。タイ民族は観光客相手の仕事でしか、
収入を得ることが出来ない人達がたくさんいます。
ガイドの仕事も、タイ民族が生きていく為の、
お手伝いをする仕事だと思っています」

明日は、別のガイドに変わるそうだ。
この二日間、少数民族の文化や芸術、生活や風習、そして歴史など、
根本的な所から考えることができた。
心からお礼を言ってホテルで劉さんと、お別れをした。

コメント
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