cuminseed

ちょっとだけスパイシー

雲南省旅行記(29)

2006-10-05 | 雲南省旅行記
広州新白雲空港には、
大学で漢方薬の教授をしている妻の友人と、
その息子さんが迎えに来てくれていた。

車で広州市内や、少し離れた郊外の様子を案内してくれた。
観光地でなくただ車を走らせて、
車窓から中国人の生活の様子や風景を見るだけだが、
私にとっては楽しいものだった。

広州は日本やドイツ、中国と車戦争が興っていると説明してくれた。
彼女の車はホンダだ。
広州にはトヨタの工場もあると言う。
それに彼女は別荘も持っていて、
市内から車で1時間半ほどだと言う。
中国の別荘はどんなところか見せてもらうことにした。
最近は全然行かなくなって掃除や手入れもしなくなったそうだ。
数年前に、上流階級の人達の間で別荘を持つことがブームになったらしい。
その時に無理して買ってしまったのだと話してくれた。
妻に日本が嫌になったら、ここに住んだら?
と言うが、車が無ければ買い物にもいけないし、
自然は多いのだが、ここは雨が多い(蚊も多い)地域だ。
返事だけ「うん! うん!」としてごまかしたようだ。
だけど、年金だけ日本でもらい、
生活を中国でしたら、贅沢が出来るかも・・・

夕食を食べる為に市内に戻った。
彼女の親友で、広州市役所の福祉課に勤めている人が、
私たちを招待してくれると言う。
友人と友人のお嬢さんの車に乗り換え、
広州の5つ星のレストランに案内された。
お嬢さんはロンドンの大学に留学中なのだが、
夏休みで帰ってきているという。
彼女は日本語も勉強中で、簡単な日常会話も出来るのだ。
妻の友人は息子と御主人が来られ、
個室へと向かった

さすが5つ星ホテルの広東料理はすごい!
味付けは日本と変わりないぐらいの味の濃さ。
眼で楽しみ、味で堪能する料理だ。

妻の友人の家に宿泊予定だったが、空港の便を考え、
空港近くのホテルに泊まっては、と話された。
宿泊代までだしてくれるそうだ。
「お金持ちは違うな」
と感心はするが、お言葉に甘えることにした。

ホテルに到着し、ツインの部屋を2つ用意してくれた。
妻と、妻の友人がゆっくり話をするためだ。
私と妻、妻の友人を残し部屋代を支払って、
「明日は忙しいからこれで失礼します」
と帰っていってしまった。
中国のお金持ちは違うなと、またまた感心。

豪華ホテルで妻は友人と積もる話を、
私はゆっくりと物思いにふけって、
中国最後の夜を過ごした。

関西空港行きの飛行機の中で妻が
「今晩は、お寿司を食べに行こうか?」
「うん・・・」


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雲南省旅行記(28)

2006-10-04 | 雲南省旅行記
昆明の空港では、
私たちが広州から来たときに迎えに来た
若い女性が待っていてくれた。
深夜1時である。旅行会社も大変だなぁと感心する。
タクシーでこの前に泊まった同じホテルに向かい、
チェックインを済ますともう2時になっていた。
「明日の午前中に市内見物しますか?」
と聞かれたが、眠たいのと荷物の整理などが残っているので、
「空港も私たち、二人で行きます。
お世話になりました」
と挨拶し、別れた。
疲れているためか、部屋に入るなり眠りこけてしまった。

翌朝も一度レストランで朝食を食べ、
部屋に戻ってまた眠ってしまった。
10時ごろに起きだし、荷物の整理をする。
早く日本に帰りたいような、
もっとここに居たいような、
複雑な気分である。

11時にタクシーで空港に向かい、
荷物を預け、簡単な昼食を食べにロビー2階にある
レストランに入った。
今までと違い凄く高い。
最低で30元(約500円)からだ。
妻が
「これは辛いですか?」
とウエイトレスに尋ねると、
「そんなに辛くはありません」
という返事。
辛くないという料理2つとビール1本を注文した。
出てきたのは小皿に少しの鶏肉と野菜を和えたもの。
口にすると、
「どこが辛くないねん!」
口から火が出そうなくらい辛い。
30元と言えば、ふたりで食べきれないほどの1回分の食事の金額。
「だまされた!」
ウエイトレスを呼んで、
「辛くないと言ったのに、凄く辛いぞ!」
と文句を言ったが、
「そうですか? そんなに辛くありませんよ」
食文化の違いだろうが、ここは空港で外国の人も来るんだぞ。
と思ったが、もうどうすることも出来ない。
妻は辛いが食べれなくは無いらしいが私には無理だ。
もったいないが、食べ残して搭乗口に向かった。
いよいよ、雲南ともお別れである。


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雲南省旅行記(27

2006-10-02 | 雲南省旅行記
ガイドが帰ってしまったので、
運転手の夏さんが私たちの面倒を見なくてはいけないようになった。
飛行機の時間まであと4時間はある。
まだ明るいが、麗江古城に行くことにした。
他に行くところも無いし、夜景が綺麗から、
絶対に行った方がいいと張さんやホテルの人が言うからだ。
車の中で夏さんは
「オレはあんまり好きではないな。
 最初に行ったときは良かったけど、
 2、3年前に女房と行ったときは、
 騒がしいだけですぐに帰った。
 最近は仕事で来ても、行かないようにしている」
と、例のごとく、ぽつりぽつりと話しだした。

綺麗だと言う人もいるし、観光地化されてよくないと言う人もいる。
いちど自分の目で見て、私がどう思うか、確かめてみたい。

近くのホテルの駐車場に到着し、
私と妻が麗江古城に行こうとしたら、
「オレも着いていく。
 何かあったら大変だからな。
 道に迷ってもいけないし。
 飛行機に乗るまでは、
 オレの責任だ」
と夏さんが言った。

私たちにしてはありがたいが、
昨日の夜も大理から運転してもらい、
今日も私たちが飛行機に乗ったあと、
大理の自分の家に帰らないといけないのだ。
「無理しないで車で休んで下さい」
と妻が言ったが、
「こっちだ!」
と先に歩き出した。

少し陽が傾きだして、
居酒屋(?)やパブなどが、
看板やちょうちんを出して用意
をしている。
すでに開いている店の前には、
民族衣装を着た女性が客引き
をしている。
四方街を中心に散策し日が暮れるのを待った。

あちらこちらに赤いちょうちんや、
かわらの屋根がライトアップ
されて来た。
私は、景観がどうのこうの言う問題では無いという感想である。
居酒屋やパブの店先には民族衣装を着た女性がずらりと並び客引をしている。
店の中にはステージを作り、ナシ族の民族舞踊を、
現代風にアレンジして踊っている。
所々でミラーボールが回転し、その光の筋と音が外の石畳に飛び出し
静寂を攻撃しているようだ。
街全体が『テーマパーク』に変貌したようだ。

私としては、古い歴史の面影を残した街を、
ゆっくり物思いにふけながら散策、、、

とは、ほど遠いものだった。
夜の8時がまわったころ、夏さんに
「車に戻って飛行場に行きましょう。
 夏さんの言うように観光地化されすぎ、
 私たちにはこれで充分です」
そうだろう! といった顔でうなずき、
車の置いてあるホテルの方に歩き出した。
途中で、牛肉の干したお土産を買い車に乗り込んだ。

これで雲南省の観光はすべて終了である。
これから飛行機で昆明に行ってホテルで宿泊予定だが、昆明着が夜の12時。
ホテルにチェックインするのは、おそらく2時ごろになるだろう。

空港に到着し夏さんともお別れだ。
今回の旅行では夏さんにいちばんお世話になっている。
日本ならチップや心づけを渡すのだが受け取らないだろう。
何か良いものはと、さっきのお土産物屋で干し牛肉を買ったのだが、
夏さんは頑なに受け取らない。
二人で、ほんとうに心から感謝のお礼を言って別れた。

飛行機の中では、
雲南で出会った人たちを思い出しながらの会話が
途切れも無く続いた。

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雲南省旅行記(26)

2006-10-01 | 雲南省旅行記
麗江市内の手前でレンタルしていた酸素ボンベの空き缶を返し、
お決まりの、お土産物屋に直行した。
雲南省でガイドを頼むと、
必ず「翡翠」か「お茶」の土産物屋に連れて行かれる。
日本で言うところの、ガイドの組合か観光協会のようなもので
決まっているらしい。
観光客がお土産を買ってくれれば、
何パーセントかの報酬がガイドに渡されるのだが、
観光客を連れて行かない場合や、
お店側が観光客を連れて行ったと言う証明書を出さないと、
その日の給料に罰金が課せられるという。

雲南省に来て最初は解らなかったが楊さんに聞いて、
買わなくてもだいたい20~30分店に入れば証明書が出ると言う。
張さんは「翡翠」のお土産物屋に連れて行った。
このとき私も妻も用を足したく、お店に着くなり厠に直行した。
店の奥まった所にトイレがあり、
済ませてから20分ほど店をうろうろし車に乗った。
張さんがお店からなかなか出てこない。
5分ほどしてから、今にも泣きそうな顔をして出てきた。
いくら頼んでも、そのお店が証明書を出してくれないと言うのだ。
「もう1件お土産物屋に行ってくれませんか?」 
と私たちに頼んできた。
さっきの漢方薬のお店は指定されたお土産物屋ではなかったらしい。
時間もまだ余裕があるので了解すると、
今度は雲南の美術工芸品を扱うお店に連れて行かれた。
このお店には日本語を勉強している学生がアルバイトで来ており、
日本人観光客の多いこの店では重宝されていると言う。
翡翠だけでなく絵画や仏像、陶器に家具など様々な工芸品がおいてあり、
私たちの目を楽しませてくれた。
妻は店長に、私は日本から観光で来たが仕事は商社マンで、
自分は通訳で付いてきていると言ったようだ。
筆や硯がおいてあるテーブルに、茶色い紙に筆で書かれた冊子を見つけた。
アルバイトの学生に聞くと、トンバ文字の事典だと言う。
中を見てみると、トンバ文字の下に中国語と英語の訳が書いてある。
150元(約2200円)だそうだ。
無性に欲しくなってきた。
120元にまで値切ることに成功。
品物も買ったから、張さんの証明書も出るはずだ。

近くにある食堂に入った。
このとき時計を見ると5時。昆明には11時発の飛行機だ。
麗江古城の夜景を見てから空港に出発するのだが、
ガイドの張さんは最後まで付き合わなければいけない。
口には出さないものの、態度が早く帰りたいような感じだ。
妻が麗江古城は午前中にも行っているし、
女の子が夜遅いと危険なのでもう帰っても良いと言うと、
大はしゃぎで喜びだした。
一度私たちが宿泊したホテルに戻り
お客様の了解を得たという証明書を書き、
障害者手帳のおかげで半額になった玉龍雪山行きのバス代や
ロープーウェイ代の精算をすると、後ろを振り向かず、
さっさと玄関の方に歩いて帰ってしまった。

運転手の夏さんも私たち夫婦もあっけにとられ、
顔を見合わせて笑い出した。

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雲南省旅行記(25)

2006-09-30 | 雲南省旅行記
白水河から麗江に帰る途中でも、
玉龍雪山がよく見えると言う草原で車を止めた。
ここも春には一面に花が咲き、綺麗だという。
麗江に向かって右側には草原・杉林・玉龍雪山と続き、
左側にはなだらかな丘が広がり、遠くの方で牛を放牧しているのが見える。
その真ん中に、道路が1本通っているだけだ。
車も時折、走り去るぐらいでのどかな雰囲気だ。
車から降りて草原に行こうとしたら、コンクリートで作られた溝がある。
深さが70センチ、幅が1メートルほどの溝で、
普通の人なら気にせず、飛び越えるかまたいで渡れるのだが私たちは
悩んだ結果、私がいちど溝の中に降りて妻を抱きかかえて渡し、
その後で溝に這い上がるという惨めな渡り方だ。

30メートル後方に、タクシーが停まり中から新婚さんらしい
若いカップルが降りてきた。
「うわぁ~~~! ステキ~~~(と言ったと思う)」
と軽々と溝を飛び越え、写真を取り出した。

中年の障害者夫婦とエラい違いである。
草原には、小さな黄色い花が咲いていて私たちも写真を撮りだした。
カップルが私たちの方に近寄ってきて、
「写真を撮ってください」
「良いですよ! 私たちの写真もお願いできますか?」
ギブ・アンド・テイクである。
広い草原には、2つのカップルしかいないのだから当然の事だろう。

写真を撮り終えると、若い新婚さん二人は溝を飛び越え、
タクシーに乗り込み、すばやく立ち去って行った。
私たち中年カップルは、エッチラホッチラと
50センチの溝を横断するのに、汗だくである。

車に戻り、漢方薬のお土産物屋に立ち寄った。
目的はトイレなのだが、
9月にはNPO団体で『アジア家庭薬膳料理教室』を開催する予定もあり、
いろいろな漢方薬を見ていると、
高血圧や糖尿病に効果があると書いているのを見て
妻これは良いと購入した。
出口の方には加工牛肉を販売しているコーナーがある。
玉龍雪山のバス乗り場で張さんがかった肉を少し味見させてもらったのだが、
凄く美味しい。これだけでビールやお酒がいくらでも呑めそうである。
よく似ている加工牛肉を、ビニール袋いっぱいに購入し車に乗り込んだ。
日本に帰ってからこの肉を食べたのだが、見た目は同じなのだが、
張さんの買った肉の方が断然美味しかった!
味・肉の柔らかさなど雲泥の差である。
張さんが
「ここの肉はおいしい」
と言ったときに買っておけば良かったのに
もったいないことをした。
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