今回は髭切が審神者に語り掛ける詩にしました。
髭切は名前が何度も変わった刀で、ゲーム内では弟として登場する膝丸の名前も、うっかり忘れてしまうお兄さん。
ところで、ゲーム内で審神者は一応、プレーヤーとしての名前が登録されていますが、
刀剣男士たちは審神者を「主」や「主君」としか呼ばないんですよね。
刀剣男士たちが審神者の名前を呼ぶ日は来るのでしょうか?
タイトルは「吠えたい名がある」です。
………………
吠えたい名がある/そらし といろ
ねぇ君、僕の弟の名って、あぁそうだ、今はその名だった、
所詮ぼくらは物だから、気に入った名があっても、
持ち主の心次第で変わってゆくから、
よすがとするのはこの刀のみ、
今の主は君だから、君が新たに名づけても良いんじゃないかな、
ぼくが新しい名を覚えられるかは、微妙だけれど、
ところで、現世で君たちは、真名だけを名乗ると聞いたよ、
昔はとくに、高貴な人を真名で呼ぶことは避けていたから、
仮名が用いられて、呼んでいたということさ、
ぼくはぼくに与えられた名の数だけ、
大切にされていたんだろうとは思うけれど、
こんな風に肉体を与えてくれた君には、
歴代の持ち主とはまたちがった、執着を感じてしまうねぇ、
あぁ、そういえば、千年経っても戦はなくならなかったか、
人はあまりにも寿命が短いから、
ぼく以上に忘れっぽいのかもしれない、
それでも、人が絶えることなく在るのは、
膨大な数の誰かたちが、大切に繋いできたからなのかな、
ながいながい時間のなかで、
いくつもの名が生まれては消えていった、
君の真名を歴史のふちへ刻むことは、難しいことだ、
だから、せめてぼくらは君に仮名を贈りたい、
膨大な数の付喪神のぼくらが、君のもとへ現れて、
このときの、ぼくらの唯一の主として、
短い寿命を淡々と全うしてゆく君が、
ここでは、ぼくら以上に貴いものだからこそ、
髭切は名前が何度も変わった刀で、ゲーム内では弟として登場する膝丸の名前も、うっかり忘れてしまうお兄さん。
ところで、ゲーム内で審神者は一応、プレーヤーとしての名前が登録されていますが、
刀剣男士たちは審神者を「主」や「主君」としか呼ばないんですよね。
刀剣男士たちが審神者の名前を呼ぶ日は来るのでしょうか?
タイトルは「吠えたい名がある」です。
………………
吠えたい名がある/そらし といろ
ねぇ君、僕の弟の名って、あぁそうだ、今はその名だった、
所詮ぼくらは物だから、気に入った名があっても、
持ち主の心次第で変わってゆくから、
よすがとするのはこの刀のみ、
今の主は君だから、君が新たに名づけても良いんじゃないかな、
ぼくが新しい名を覚えられるかは、微妙だけれど、
ところで、現世で君たちは、真名だけを名乗ると聞いたよ、
昔はとくに、高貴な人を真名で呼ぶことは避けていたから、
仮名が用いられて、呼んでいたということさ、
ぼくはぼくに与えられた名の数だけ、
大切にされていたんだろうとは思うけれど、
こんな風に肉体を与えてくれた君には、
歴代の持ち主とはまたちがった、執着を感じてしまうねぇ、
あぁ、そういえば、千年経っても戦はなくならなかったか、
人はあまりにも寿命が短いから、
ぼく以上に忘れっぽいのかもしれない、
それでも、人が絶えることなく在るのは、
膨大な数の誰かたちが、大切に繋いできたからなのかな、
ながいながい時間のなかで、
いくつもの名が生まれては消えていった、
君の真名を歴史のふちへ刻むことは、難しいことだ、
だから、せめてぼくらは君に仮名を贈りたい、
膨大な数の付喪神のぼくらが、君のもとへ現れて、
このときの、ぼくらの唯一の主として、
短い寿命を淡々と全うしてゆく君が、
ここでは、ぼくら以上に貴いものだからこそ、