BOXING観戦日記

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WBC世界フライ級王座統一戦

2010-03-27 22:55:03 | Boxing
正規王者 亀田興毅 VS 暫定王者 ポンサクレック・ウォンジョンカム

ポンサクレック 2-0判定勝利

考察 ~興毅~

市原か。
よう知らんが市内の目と鼻の先の高校に映画のロケで来てたらしいな。
ま、どうでもいいが。

パンチの引きの速さだけを意識したボクシングとでも言おうか。
内藤戦からここまでの間にスタイル変更をする時間は確かに長くはなかったが、
正直ここまで無策に近い状態でリングに上がってくるとは思わなかった。
スピードではわずかに優るもクイックネスで完敗。
2ラウンドの右フックのカウンター喰ったとこで中盤KO負けかと感じたが、
まあよく踏ん張ったよ。
右グローブの高低はそのまま興毅のメンタルに反比例するかのごとく、
序盤から中盤に向けてどんどん高くなり、バッティング後には頂点へ。
今こそフットワークの使いどころと思ったが、
心身に染みついた亀田ガードが復活しては・・・
頭を下げながらのジャブは対内藤では相手のカウンターを封じたが、
サウスポー対決、というか対ポンサクレックでは相手のパンチの方が鋭角だった。
一番の違いが連打の際に出た。
興毅のシュシュシュって連打は肘が伸びきらず、
また腰が軽いまま頭から突っ込む悪癖が抜けきっていないので、
相手には初撃をブロックされ、あとは悠々とボディワークでかわされた。
時々見せる左グローブのプルプルプルっていうジェスチャー、
あれはジャッジ、観客向けのアピールなんだね。
プラス自分自身を奮い立たせるおまじないか。
内藤戦では左がハマったおかげで見栄えもしたが、
今回は当たらなかった場合にも盛んにアピール。
物悲しいモーションである。
引きの速さだけを意識したスタイルに改造されたせいで、
強い一発、まとまったコンビネーションともに打てないボクサーになった。
今後は名城を狙ってSフライに進出?

リングサイドの観客がほとんどノーリアクションかつ、
遠めのアングルからのリングの画もないことから、
会場はかなりの不入りだったと考えられる。

敗因は親父の不在・・・ではなく実力不足と未熟なキャリア。
唯一の救いはバッティングにより負った負傷。
立派な言い訳になるからね。

PS.
鬼塚は佐藤も○○○(←お好きな熟語をどうぞ)だ。
左足に重心をかけて迎え撃ってます、ってどう見てもバックギア全開だったよ。
つーかその髪の色とヘアスタイルはなんなんだ?
佐藤も○○○(←お好きな熟語をどうぞ)だ。
アナ「亀田興毅、どうすればいいですか?」
佐藤「・・・うーん、雑になると相手がやりやすくなるので雑にならないように・・・」
毎回言ってるが、この2人は解説をやめたほうがいい。


考察 ~ポンサクレック~

予想通りの圧倒的な微差(?)判定ですね。
最大の勝因は正規王者が弱かったから。
獰猛さが影をひそめたように思えたのは巷間指摘される衰えなのか、
それとも相手の弱さに拍子抜けしたからなのかは判断できない。

もともと自分から前に出て展開を作る選手だが、
相手の手数の異様な少なさから序盤は主導権を握り、
中盤以降に相手が出てくると的確にカウンターをとった。
左ボディストレートはあまり届かなかったが、
右フックが要所でハマり、右アッパーも2度だけ見せ場を演出した。
この王者は時計回りに動く相手にも動じず、
右フックを当ててくる冷静さと技術がある。
ジャブ、フック、アッパー全てに共通するのが右足への重心の置き方。
相手とは実に好対照で、右の体側を軸に鋭角的に小さなパンチを威力をもって打てるのは
この体の使い方に尽きる。
これは攻撃だけではなくカウンターにも有効で、
相手のガチャガチャの連打の打ち終わりにきれいにカウンターを当てることができるのは
前後(つまり右→左)のバネを戻す際に打つことがキャリアで身についているから。
前足でこれをやるのはユニークだ。
引き足のピボットは興毅がたまにやるように、メキシカン(M・カスティーリョとか)がよくやる。
10ラウンド以降がスパーリングのように見えたのは管理人だけではないはずだ。

タイ人は強いのから弱いのまで幅が大きく、日本に来るような選手(強豪OR噛ませ)には
平均的というか中間層が欠けているのでいま一つスタイルが読み切れない。
言えることはしかし、日本にとっての悪夢がまたも復活したということ。
清水もまだちょっと厳しいかな。
VS内藤のChapter Fiveだけは勘弁してほしいところ。

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4 コメント

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Unknown (涼しい木星/管理人)
2010-04-11 20:20:00
カリスマ管理人さん - 私はよほどでなければボクサーもしくはボクシング関係者の人間性など問題視しません。私が鬼塚と佐藤に文句を言っているのは、解説者としての力量不足、これに尽きます。今打ったコンビネーションの意図は何か、これこれのフェイントはココがポイント、サウスポー同士の対決で時計回りと反時計回りで何が変わってくるのかなど、観ている人間(ミーハーなファンからディープなマニアまで)に「解説」しようという気がさらさらないように映るところに腹が立ちます。私はボクシングを技術>戦術>体力>精神力の順に観察していますので、亀田兄弟の試合の解説にはいつも消化不良です。

内藤自身がどう感じていたかは私は興味がありません。残りのキャリアを納得いくように締めくくってほしいだけです。

鬼塚が亀パパの暴走を止められていたかについてははなはだ疑問です。

調子の悪さもコンディショニングという実力のうちです。少なくとも私はそう考えていますし、そのことはたびたびこのブログでも強調してきました。

亀田ファンであることは結構なことではないですか?私は最近の大毅はまあまあ買ってますよ。
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Unknown (カリスマ管理人)
2010-04-11 11:36:38
はじめまして、物凄い深い文章で、さらには物凄くボクシングも詳しいんですね。
なかなかというか、かなり読み応えがあります。素晴らしい。まさに、スプレンディッドブロガーです。中途半端な英語使って申し訳ないです。
ただ、少しだけ記事の内容に反論させてください。確かに、解説にいる佐藤さんは、存在感がないというか、解説のテクニックがいまいちというか、もっと、いい人いないかな?と思うんです。あれなら畑山の方がよっぽど、わかりやすくていいなと。ガチンコ出身の竹原でもいいんです。

ただですよ。ただ。世界の鬼塚さんは素晴らしい人です。物凄く。やはり、鬼塚さん自身、物凄い酷いバッシングを経験されていますし、そこらへんからして、人の気持ちが物凄くわかるから、興毅の気持ちもよくわかってくれる。鬼塚という男は決して人の悪口はいいません。
素晴らしいことですよ。なかなかできることじゃない。鬼塚さんは、日本ボクシング界の重鎮になってほしいです。ああいう人間的に凄い人が・・・今回の事件でも安河内氏じゃなく、鬼塚さんだったら・・・史郎さんの恫喝も、あの鬼塚の最後の試合でみせたような必要以上な打たれ強さでにらみ返し、史郎氏も途中で恫喝をやめていたでしょう。鬼塚ならあの騒動も何事もなくまとめ切れていたような気がします。
あくまで私の勝手な妄想ですけどね。

興毅の場合は、調子が悪かったのか?もしくは、相性が悪かったのでしょう。

実際に両選手と試合をした内藤大助が目でみただけじゃなく、肌で感じた気持ちとして、亀田興毅が勝つと思い込んでいたと。そう発言しています。この発言は説得力がありますね。
内藤は、興毅とやった時に、興毅のとらえどころのないディフェンス&スピード。そして、決して打たれまくった感じはしないが、要所要所で的確にパンチを当てポイントを奪っていくテクニック。そこらへんを加味して、ポンサクVS興毅の試合を予想した時に、興毅が勝つ可能性が高いだろうなと。予想していました。内藤は。なので、あまりにも興毅がよわっちいみたいな意見に少々疑問を感じました。

長々と失礼いたしました。
私、亀田ファンなもんで、反論言ってしまいました。気分を害されたらすいません・・・

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Unknown (涼しい木星/管理人)
2010-03-28 00:25:24
ボク猿さん - 終始ポンサクレックのペースでしたね。私はある程度WBC(≠亀田陣営)がジャッジに手心を加えてくるとの予感がありましたので、採点結果には特に驚きはありませんでした。

私は興毅のベストバウトはワンミーチョークとのOPBFタイトルマッチだと思います。ランダエタとのリマッチはワーストバウトに近いと感じています。理由を書き出すと長くなりそうなので割愛します。ご了承ください。

シフトウェイトしないならしないでいいんですよ。すべてのボクサーがキャンバスを常時踏みしめているわけではないので。実際にシューズにも色々な種類がありますしね。一番の問題はコンビネーションが打てなくなったことでしょう。あのシュシュシュシュというのは連打ではあってもコンビネーションではないです。コンビネーションは連打の中にリズム、アクセント、アングルの変化をつけたもので、これがないとただの連続パンチです。実際、面白いぐらいに当たらなかったですね。

今ふと思ったのですが、興毅の敗因のひとつにトレーナーがメキシカンだったという点があったのでは。若い選手がベテラン相手に後手に回った場合には参謀の声にじっくり耳を傾ける必要がありますが、通訳を介したことで指示が不十分もしくは不明確なまま、手探り状態で戦わざるを得なかったのかもしれません。

清水との国内最強決定戦は興味深いです。が、なにやら亀パパがまた暴れているようで。どうも興毅はあの親父の操り人形にしか見えません。精神的な意味でのpatricide=父殺しを果たさないことにはこの負けの経験も生かせないのではないでしょうか。
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Unknown (ボク猿)
2010-03-28 00:07:06
ポンサク健在。一つ一つの技術もコウキを上回り終始試合を支配したと思う。
全盛期より落ちたが、いまだ日本人世界ランカー達のでかい壁になりそう。内藤はよくこの相手を攻略できたね。内藤のスタイルは打倒ポンサクのために作り上げたスタイルなのかね・・・
五回目はやらなくて、引退でいいんじゃない。
コウキは今だスタイルが確立していないんじゃないかと感じる。
ランダエタ2戦の亀スタイルを捨てた完全なアウトボクシングか、亀と中途半端な待ちカウンターか、いろいろなあるがベストバウトはラン2が一番ボクシングしていた。一つ一つの技術の質を上げないと厳しい、管理人さんが指摘したようにシフトウエイトができてないから相手にダメージが与えられないし、何もかもが中途半端な印象。いいものは確実に持ってはいるがそれを生かしてない。
今回負けて良かったんじゃないかな。自分とのレベル差を測れて、清水辺りと日本人最強を決めても遅くはない。
ドロージャッジを聞いたとき三者三様のドローかと思った。世界見渡せば、このようなジャッジは見かけるがやはり気分は悪い。
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