BOXING観戦日記

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WBC世界ライト級王座統一戦

2010-03-02 22:40:15 | Boxing
正規王者 エドウィン・バレロ VS 暫定王者 アントニオ・デマルコ

バレロ 9ラウンド終了TKO勝利

考察 ~バレロ~

肘打ちに流血とキレる要素はいくらでもあったが、
思いのほかring smartであることを証明した。
長身選手相手に打ち込めるのかどうかは疑問だったが、
手首を反り返らせるようにしてでも、あるいは猫手でも打つ時は打つのだ。
西岡や嶋田はパンチのボディメカニクスを微に入り細に穿って追求するが、
バレロは肉体がそう動くから、という理由で打っている、
というより浜田氏の言うとおり「殴っている」。
血を見て興奮するのではなくナチュラルハイなんだな、きっと。
ディフェンスはどうか。
この日は相手のサイズに敬意を表してパリーを織り交ぜつつも、
基本はバックステップなどのフットワーク。
避ける、かわすというよりは逃げるという表現が不適切かもしれないが適当か。
攻防は一体であるべきだが、攻防分離もOK。
だが、この日のバレロのディフェンスにはらしさは感じられなかった。
それでもボディワークはパッキャオ的でもあった。
散発的にもらうことはあっても決定的にはもらわないと言おうか。

パッキャオにとって最も危険な対戦相手になりうる。
ただし、そのためにはSライトでブラッドリー、マイダナ、カーンあたりを
完膚なきまでにぶちのめす必要がある。
1年で辿り着けるか?

考察 ~デマルコ~

前戦分析で対バレロに懸念を表明したが、その通りになってしまった。
長身、手長で相手をじっくり見ながら長いジャブ、ワンツー、カウンターで
相手の勢いを殺ごうとするが、見ているうちに見過ぎてしまい、
また届くと思っているうちに打たれてしまった。
相手の強さは早い時点で肌で感じたはずだが、
そこから勝負する(≠勝利する)術を見つけられなかった。
かつてイーグル・デーン・ジュンラパン(父君の病はいかがか?)は
「相手が自分よりも強いと悟った瞬間に本当の勝負が始まる」と語ったが、
そこまでの勝負師の域には達していなかったね。
内容は異なるも構図としてはミハレスがダルチニャンにタコ殴りにあったように、
サウスポーのボクサーはサウスポーの猛烈ファイターに相性悪し。
というよりサウスポーの猛烈ファイター自体が珍しいのか。

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