BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

IBF世界Sミドル級タイトルマッチ

2009-12-22 22:38:12 | Boxing
王者 ルシアン・ビュテ VS 挑戦者 リブラド・アンドラーデ

ビュテ 4ラウンドKO勝利

考察 ~ビュテ~

前回の反省を活かしたというよりも、
自身の持ち味を存分に発揮したのだろう。
手、脚、頭のいずれかを常に動かし続けている。
ジョッピー戦、ベリオ戦で見せたムーブのデジャブで、
サウスポーのカウンターパンチャーが半身で戦うことの重要性を
実演してくれたかのようだ。
この選手は体躯の割にリーチが短いが、
自身のパンチの最適な軌道を知っている。
フックで引っかけ、ダックですり抜け、スコーンと左を打ち抜く。
右と右のレバーブローには踏み込みが要求されるが、
サウスポーの場合は呼び込んで突き上げられる。
パッキャオがコットから奪った2度目のノックダウンが、
もしレバーに入っていればどうだったのか。
その疑問はこの結末である程度解かれたように感じる。
管理人はこういうスタイリッシュなボクサーが大好きである。
長所を強く印象付けるボクサーはついつい穴を探したくなる。
たとえば、workrateで上回る相手と相対したときにはどうか。
あるいはサウスポーには?
ヨーロピアンスタイルには?
敵地では?
それらの疑問の大部分に一挙に答えるのはスーパーシックスへの参加だったが、
リスクとリターンを計算して独自路線の方に採算ありと見たのか。
アメリカンvsヨーロピアンという図式も興味深いが、
相の子であるビュテも機会されあればsubstituteとなるべきだ。
トーナメント制覇者に挑戦はさすがにムシが良すぎる。

考察 ~アンドラーデ~

モーションは元々スローだったが、
パンチングパワーが落ちたように見えた。
相手のフットワークとボディワークに幻惑され、
見入ってしまっては、体をあずけた柔軟さを活かした連打も繰り出せず。
相手のクリンチ対策も計算外だったのではないか。
ボディを打っていけという指示を忠実に実行した瞬間に
左フックをカウンターでもらってしまった。
たとえばシントロンがマルガリートとの再戦で沈められたあのパンチに
ショートの右フックをカウンターでアゴにぶち込んでいればどうだったのか、
というifに回答が出された気がしないでもない。

ボクシングでは、Aは○○だからBが△△で・・・
などとシミュレーションの楽しみをファンに提供するが、
そこには常にバイアスがかかったイメージがある。
タフで鳴らしたアンドラーデもさすがに歴戦のダメージで
wear offしてしまったのか。
ドクターFなら即座に引退勧告だろうが、
引き際だけは誤らないでほしい。

WBO中南米ライト級タイトルマッチ

2009-12-22 21:53:36 | Boxing
ホルヘ・バリオス VS ミッチェル・ロサダ

バリオス 

考察 ~バリオス~

防御が課題というが、おそらく一朝一夕には解決しないだろう。
過去の世界戦で相手を徳俵まで追いこみながら敗れた経験を活かすならば
とっくに活かしているはず。
あるいは練習では優れた防御技術を見せるのかもしれない。
だが、この試合を見る限り、常に腰を落としたい、
腕を下ろしたい、パンチを振り抜きたいという意識でソワソワしている。
バレロ、ソト、カサマヨルらとの激突が待たれるが、
自身が打つ際は引き手が下がり、相手に打つ際はガードの上を打ちたがる。
一流ファイター相手には打ち負けてKO負け、
一流カウンターパンチャーには見切られてKO負けする姿が目に浮かぶ。

考察 ~ロサダ~

川嶋xミハレスの前座でバレロと戦ったのがつい昨日のようだ。
(管理人はミハレスも川嶋も好きなのであの日本メキシコ対抗戦の録画をよく観るのだ)
バレロ戦後の戦績は素晴らしいが、ALLカマセでは意味がない。
L字ブロックで真っ直ぐ後ろに下がるが、スウェーもショルダーブロックもあまりに中途半端。
ホンマに世界ランカーかいな?
再来年あたりには坂東ヒーローと日本でポカスカやりあうんじゃないのかね?
もしくは内山が涙の世界戴冠を果たした際の初防衛戦とか。