BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBC世界バンタム級タイトルマッチ

2009-12-18 22:09:13 | Boxing
王者 長谷川穂積 VS アルバロ・ペレス

長谷川 4ラウンドTKO勝利

考察 ~長谷川~

1ラウンド残り30秒で浜田氏が「効いた効いた」と絶叫している最中に
一瞬両手両脚の筋肉を弛緩させ、直後に長いボディブローを空振りしたが、
あれは初回KOを捨てるのと同時に自身のフィジカルコンディションを
確かめるのに役立ったのではないか。
よく「体が流れる」と表現されるが、体幹のバランスを崩さないこと以上に、
体幹のバランスを意図的に乱した直後に全身のcoordinationが効いたパンチを
打とうとするところに長谷川のポリシーとともに自身の言う”神の領域”が感じられた。
カウンターとは相手のパンチに合わせてパンチを放つことだが、
今回の長谷川のフィニッシュブローの左ショートは
相手に無意識に右足を踏みこませてのパンチ。
展開と距離を再構築すべくシューズ一足分の距離を置き、
強いパンチを練習のイメージ通りに打つべく打ち、
左スト右フックで掴んだ流れから左をコネクトしたところで
心象通りの逆ワン・ツー・スリー。
流れのボクシングと浜田氏はよく言うが、
大河ドラマを思わせる平板かつ重厚な試合もあれば、
花火の如く一瞬の輝きを放つ試合もある。
長谷川のボクシングにはその両方がある。

考察 ~ペレス~

母への想いで後れを取ってはならじと思ったかどうかは知らないが、
オープニングベルからアドレナリン全開で打ってくるのは
敵地に出向く挑戦者として歓迎すべき姿勢だ。
パンチが伸びると言われたが、幻覚や小手先の技術ではなく、
やや腰高の体勢から両の拳のパームを相手に向けながら、
いきなり左をloomするので射程が長くなる。
ロングレンジでは有効に作用し、対照的にショートレンジでは
手数は無いものの硬質なボディを叩いて上体を柔らかく振ってくる。
だが、”神の領域”の間合いに呼び込まれては為す術なし。
プランを作り、プランを破って戦ったが、
いかように戦おうとも倒れるしかなかった。
a wrong man in a wrong place at a wrong timingというやつか。

WBC世界バンタム級タイトルマッチ予想・・・というか願望

2009-12-18 19:14:56 | Boxing
王者 長谷川穂積 VS 挑戦者 アルバロ・ペレス

予想:長谷川の判定勝ち

技術論をとやかく言うのは試合後である。
差し迫った今、言いたいことはそろそろ長谷川のボクシングを
12ラウンドにわたって堪能したいということである。
連続序盤KO?
うん、いいね。
しかし、マニアが長谷川に望むのは長丁場なのである。