BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBA世界女子ミニマム&WBC世界女子Lフライ級統一戦

2009-12-07 00:55:37 | Boxing
WBA王者 多田悦子 VS WBC王者 富樫直美

両者スプリットドローで防衛

考察 ~多田~

サウスポーでジャブをヒョイヒョイ突くわりに、
インサイドでのムーブの方が相対的にさまになっているように見えた。
接近戦での左フックが軽めではあるが的確に当たっていた。
ただ、相手の距離を潰すボクシングを自身の目指すダンサブルなボクシングでは
コントロールできず、カウンターの右ショートフックは4割程度当たったが、
ロングのスイングは的中率0%。
これは間合いのコントロールの主導権を相手に握られていたということ。
前者は相撃ち、後者は相手の出入りに翻弄されていたということで、
リング中でオープンスタンスで打ち合いを挑む相手に、
スクエアスタンスで鋭角的にパンチを繰り出しても効果の面では一枚落ちる。
スタミナと手数で最終ラウンドこそポイントは取ったが、
管理人採点では富樫の勝ち。
来年はチャンピオンロードではなく、堅実なマッチメークが求められる。


考察 ~富樫~

助産師か。
日本ではなぜか男がなれない職業だ。
助産師であるということは看護師でもあるわけで、
医療に関する確たる知識や技術を持っている証明だ。
さらにプロボクサーでチャンピオンであることに尊敬の念を禁じ得ない。

サウスポーに苦手意識が全くないね。
左との連戦のキャリアの賜物か、あるいはキャリア自体の浅さによるのか。
右を面白いように相手の顔面にヒットさせたが、
これは相撃ち上等で潜り込んでいった結果。
誤算があるとすれば相手のアゴとスタミナか。
ゴリゴリのインファイターだが、ボディ打ちはスラップ気味で、
前半の出入りの激しさと後半の泥ボクシングの落差は、
スタミナ配分のミスだろう。
しかし、額をこすり合わせての右のアッパーは当たりはしなかったものの、
インサイドでの勝負勘を証明した。
Lフライで再戦すれば体力勝負で明白に封じ込められる。
「男前度」では多田のマスクに譲ったかもしれないが、
スカーフェイスこそボクサーの「顔」。
私的に日本版マイケル・カチディスの称号を贈る。