BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

IBF世界Sフェザー級タイトルマッチ

2009-09-14 23:28:26 | Boxing
王者 マルコム・クラッセン VS 挑戦者 ロバート・ゲレロ

ゲレロ 判定勝利

考察 ~ゲレロ~

フェザーの最後の頃はコテコテのファイターだったが、
リッツォー戦で決め手になったのは鮮やかな長距離左アッパー、
Sフェザーでの肩慣らしを決めたのも密着状態からの左アッパーボディ。
軸になるパンチがあり、それを活かすためのポジション取りを心掛け、
自然とそれを当てるための布石となるパンチが出せる。
つまりはサウスポーらしいサウスポーとなるわけだが、
それゆえにオーソドックスの右を単発ではあるがもらい続けた。
それでもelusivenessを保ちパンチのaccuracyも保ち続けられたのは
サウスポーらしさゆえだった。
サウスポーという難問は結局、攻略法という公式だけでは解けないのだ。

考察 ~クラッセン~

硬質な拳ゆえに連打が出せないのはこの種の選手のお約束なのか。
一目見ただけでバッティングを多用するスタイルかと勘違いしたが、
clash of headsは数度だけ。
相手の足捌きもあろうが、自身のパンチを過信したせいでもある。
スナップを利かせて手数を出してくる相手にナックルを返すパンチで抗するも
ジャッジに印象を与えるには現代ボクシングでは前者だ。
南アは良い選手が結構出ているが、意外にフィジカル依存のボクサーは少ない。
この男、オーソドックス相手ならかなりの強さを見せるような気がする。
内山との打ち合いを見てみたい選手だ。

WBO世界Sライト級タイトルマッチ

2009-09-14 22:33:14 | Boxing
王者 ティモシー・ブラッドリー VS 挑戦者 ネート・キャンベル

ブラッドリー 3ラウンド終了TKO勝利(負傷引き分けに変更)

考察 ~ブラッドリー~

リズムボクシングの申し子のようだ。
いったん前に出る流れをつかめばunstoppableで、連打力もパンチ力も標準以上。
不格好ではあったが下がりながらでもパンチが出せるのは利点だ。
反射に優れているおかげで自信過剰気味に一発をもらうこともある(VSホルト)が、
柔軟性と瞬発力に恵まれた肉体はダメージをすぐに回復する。
近い将来にカーン、マイダナとの激突が期待される。

考察 ~キャンベル~

リーチを生かしたボクシングよりも肘をたたんだ状態から振れる強打が特徴だ。
接近戦の巧さを身上とするが、密着戦では相手が一枚上手だった。
不可解裁定は運がなかったとも言えるが、試合前の観客のブーイングも
ブラッドリー人気&キャンベルのライト級での体重超過が背景だろう。
再戦の話も持ち上がるだろうが、その際はさらに明確に敗れると見る。

WBO世界フェザー級タイトルマッチ

2009-09-14 21:07:32 | Boxing
王者 スティーブン・ルエバノ VS 挑戦者 バーナベ・コンセプション

ルエバノ 7ラウンド終了時失格裁定により勝利

考察 ~ルエバノ~

オープニング・ラウンドこそ様子見で正面に立ち、パンチを食ったが、
2ラウンドからは軽いジャブをコンスタントに繰り出しつつ、
相手の脚が自分の右足外に置かれた瞬間に右肩を軸にした小さい右フックで牽制、
これも肘を回すスタイルから肩を回すスタイルに変更・微調整するなど、
インテリジェンスを見せた。
killer instinct不足はしょうがない。
それがこの選手の持ち味だ。
M・サンティアゴのような噛み合う相手が出てくれば、人気もそこそこ出るはず。
最後はsportsmanshipが仇になった形だが、再戦の必要性はゼロだ。

考察 ~コンセプション~

ジャブの差し合いを徹底的に拒否したことで初回にペースを掴んだが、
代償として以降のラウンドでペースを奪われっぱなしだった。
ガードを高く保つのはいいが、前に出られなくなった途端に手詰まりとは
引き出しが少なすぎる。
パッキャオのようなウィービング、ドネアのようなフットワーク、
ペニャロサのようなフェイント技術を持ち合わせずして
フィリピン第三の男というのは看板負け。
着実にキャリアとボクシングメンタルを見直し、作り直すことだ。
米国で再び戦えるかどうかは個人的には疑問だが。

PS.
ジェイ・ネイディーは勇ましかったな。
フレディ・ローチに"Don't argue with me!"(口応えするな!)