先日ネット動画をみていると、おそらくどこかのテレビ局のニュースだろうと思いますが、 「中高年の男性は孤独」というテーマでコミュニケーションの研究家が分析している話を キャッチしました。
中高年といえば今の世の中で働き盛りの人々であり、日本を背負っている階層ですが、 そんなに孤独をかこっているのか、とふとさびしくなりました。日本人は確かに交流べただと いわれますが、どうやら孤独の原因は単に個人の問題ではなさそうです。
この研究家は3つ上げていました。一つは日本社会の問題。二つ目は日本の会社の問題。 そして三つ目は日本的な価値観の問題でした。第1の日本社会に関しては、無縁社会と いわれる今、会社や家庭以外に受け皿がどんどん消滅していることだとの指摘でした。
第2の日本の会社の問題は、日本特有の労働システムの中で上下の関係に慣れてしまい、 肩書きや名刺のないコミュニケーションが取りづらくなっているようです。要するに会社を 止めても肩書きから抜き出る事が出来ないのです。
第3の価値観の問題ですが、日本の伝統的なサムライ文化の中で「お前、男だろう」とか 「男ならやってみな」、「男なら我慢しろ」など、男のあり方がことさら強く問う社会に生きてきた のです。孤独を美化するような風潮もありました。
こうした日本社会が醸成して来た伝統やしきたりの中で、自分らしい姿を見出し得ないまま、 いわば第二の人生に入っていくわけです。落ち着いて羽根を休めるとことを見出し得ないと すれば、やはり辛く、さびしいことだと思います。踏ん張って自分を意識的に変えていくしか ないのでしょうか。ただ、後期高齢者になってもしっかり生きている人はたくさんいるのですから、 中高年の方々に負けるな、とエールを送りたい気持ちです。
やさしいタイガー