今年も札幌の風物詩「さっぽろ雪まつり」は2月の上旬の1週間開催され、天候に惑わされながらも史上2番目という多くの観光者が雪像を楽しんだ。今回も自衛隊の活躍は大変なものだった。いまや芸術品とさえ言われるほどの見事な雪像が並んでいた。しかし、どんなに見事な作品でも終われば、直ちにブルドーザーやクレーン車によって容赦なく壊されていく。これを観るツアーもあるそうだが、たまたまぼくはその場面を通りすがりに出会い、しばし寒さを我慢しつつ眺めていた。何となく、はかなく宴の跡のような空しさを感じさせた。
メインの作品は彦根城であった。この城の藩主は井伊家の居城として1622年に井伊直継によって築城され、最後の藩主井伊直弼大老まで継がれた。明治6年に廃城令が出されたが、大隈重信の上奏により破却は免れて残ったが、明治11年廃城した。琵琶湖を眼下に眺め、その優美さは、白鷺城で有名な姫路城と並んで美麗な城としても知られている。
大きな音を立てて次々と雪像が壊され、雪の塊になっていく。華やかな宴の後の荒城をみるようなそんな思いが頭をかすめた。小山となった雪の下には長い冬から待ち焦がれていた春が準備をしているに違いない。
やさしいタイガー
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