『あと半分もう半分』という面白いタイトルの詩集をお贈り頂いた。
神戸の詩人、宮川守さんから。
宮川さんとはたしか一度だけお話をした覚えがある。
何かの会で席が隣り合った時。
何かの会と書いたが実は覚えている。
その時話した内容も覚えている。しかしここには書かない。
多分、彼は忘れている。もう随分昔のことだ。
さて詩集。
機知にあふれているというのでもない。切れがあるわけでもない。
ハッと思わせるものも見られない。なにごともなさそうで、普通の呼吸音が聞こえてくる。
ところが、読み進めるうちに、わたしのことを書かれているのではないかと思えてきたり。
共感するんですよね。じわじわと。
作者は、その何気なさを解っていて書き続ける。
したたかと言えるかもしれない。
そう、たしかに、これだけ平凡そうに見える作品を並べられているのに、一つの世界が立ち上がってくる。
存在感のある世界が。宮川ワールドといえるものが。
すでに彼の術中にはまったか。
作品を3篇紹介しよう。
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この3篇だけでは術中にはまることもないかも知れないが、雰囲気は伝わるかも。