川柳誌『現代川柳』第14号(通巻97号)2025年夏号をお贈りいただきました。ありがとうございます。
例によって素人のわたしの独断で目に留まった句を紹介します。決して巧拙で選んだのではありませんので念のため。
他にも優れたのがあるのでしょうが。
「月の抄」より。
扇風機正義の顔で首を振る 田村尋
青の空ワッと呑み込み逆上がり 田村ひろ子
人生の終わりにポンと訂正印 石川街子
○神なのかアミダに線を足したのは 風生冬子
居酒屋で席作られて帰れない 喜田みなみ
○天気予報ところによりがここでした 近藤ゆかり
城跡の高校生もいまや喜寿 杉浦まりこ
一秒が惜しくて寝不足が続く 三浦蒼鬼
転んだらあかん何度も母に言う 渡辺かおる
「星の抄」より。
○プライドも削り取られる手術台 大海幸生
ちりりんとドアチャイムにも喜怒哀楽 久保奈央
夕虹に声を届けてクジラ呼ぶ 久保奈央
たまにはハート書いてあげようオムライス 道家えい子
玄関に筍届く名乗らずに 牧田成子
ふり向いて良かったあの娘笑ってる 小川なおみ
視力検査 当てずっぽうがよく当たる 忰山真理子
耳そうじ待ちわびた子の寝息かな 高橋直子
自分にぴったりくるのに出会うとニンマリしてしまいます。今号も楽しませていただきました。