川柳作家、N野友擴さんがお持ちくださった本を読み始めました。
今読んでいる何冊かの本はちょっと横に置いておいて。
先ず詩集『折にふれて』を読みました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/91/2906698a31c1d4d1624e0a809583015f.jpg)
著者の吉田泰巳さんは受賞歴多数のいけばな作家さんです。
詩は最近になって書き始め、詩集もこれが初めてとのこと。
内容について、わたしは評論しないでおきます。
ただ、言葉を操ることにおいては優れておられるな、という印象。
続けられるとしたら、次はどんな詩集になるのでしょうか?
次に、読み始めたのは時実新子さんの『愛は愛は愛は』(左右社刊・1500円+税)です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/22/834e8aad844227f2a171837756368fea.jpg)
これは文句なしに素晴らしい。
しようがないですねえ、新子ちゃんのアンソロジーですから。
352句、たっぷりと楽しめます。
わたしの好きな句もいっぱい。
乳房つんつん私に背き恋をする
なわとびに入っておいで出てお行き
手が好きでやがてすべてが好きになる
何だ何だと大きな月が昇りくる
まだ咲いているのは夾竹桃のバカ
飛行機の昇る角度は恋に似る
飛行機の降りる角度は愛に似る
君は日の子われは月の子顔上げよ
大方の虫はしずかに生きて死ぬ
犬走れ使いに走れ愛走れ
愛咬やはるかはるかにさくら散る
入っています入っていますこの世です
こうやって繋がっていくカアカアと
平成七年一月十七日 裂ける
ほんとうに刺すからそこに立たないで
かなしみは遠く遠くに桃をむく
こちらあなたの夫と死ねる女です
凶暴な愛が欲しいの煙突よ
母だから泣かない母だから泣く日
ころすかもしれぬ愛へとさしかかり
妻を殺してゆらりゆらりと訪ね来よ
風の駅まもなく電車が入ります
れんげ草この世の旅もあと少し
稀にある美しい日が今日だった
ほかにもいっぱいいいのがあるが、もう一つ、わたしにとって忘れ得ぬ句。
目的はあなたにあった旅をした
これは文句なしに珠玉の一冊です。いつも手もとに置いておこう。
今読んでいる何冊かの本はちょっと横に置いておいて。
先ず詩集『折にふれて』を読みました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/91/2906698a31c1d4d1624e0a809583015f.jpg)
著者の吉田泰巳さんは受賞歴多数のいけばな作家さんです。
詩は最近になって書き始め、詩集もこれが初めてとのこと。
内容について、わたしは評論しないでおきます。
ただ、言葉を操ることにおいては優れておられるな、という印象。
続けられるとしたら、次はどんな詩集になるのでしょうか?
次に、読み始めたのは時実新子さんの『愛は愛は愛は』(左右社刊・1500円+税)です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/22/834e8aad844227f2a171837756368fea.jpg)
これは文句なしに素晴らしい。
しようがないですねえ、新子ちゃんのアンソロジーですから。
352句、たっぷりと楽しめます。
わたしの好きな句もいっぱい。
乳房つんつん私に背き恋をする
なわとびに入っておいで出てお行き
手が好きでやがてすべてが好きになる
何だ何だと大きな月が昇りくる
まだ咲いているのは夾竹桃のバカ
飛行機の昇る角度は恋に似る
飛行機の降りる角度は愛に似る
君は日の子われは月の子顔上げよ
大方の虫はしずかに生きて死ぬ
犬走れ使いに走れ愛走れ
愛咬やはるかはるかにさくら散る
入っています入っていますこの世です
こうやって繋がっていくカアカアと
平成七年一月十七日 裂ける
ほんとうに刺すからそこに立たないで
かなしみは遠く遠くに桃をむく
こちらあなたの夫と死ねる女です
凶暴な愛が欲しいの煙突よ
母だから泣かない母だから泣く日
ころすかもしれぬ愛へとさしかかり
妻を殺してゆらりゆらりと訪ね来よ
風の駅まもなく電車が入ります
れんげ草この世の旅もあと少し
稀にある美しい日が今日だった
ほかにもいっぱいいいのがあるが、もう一つ、わたしにとって忘れ得ぬ句。
目的はあなたにあった旅をした
これは文句なしに珠玉の一冊です。いつも手もとに置いておこう。