1個前の記事を読み返したら、1つ思ったことがあった。
長男とつきあい、その人と結婚し家を出たかった姉。
その姉の結婚が決まる前に私は旦那と結婚を決めた。
これは姉にとってはショックなことだっただろうと今は思う。
この話だけを聞いた人がいたとしたら「それはお姉さんに一言、
私結婚してもいい?家を出てもいい?とお姉さんにも了解を得るべき
だった」と言う人もいるかもしれない。
しかし当時、姉とその人は確かにつきあってはいたが、本当に「つ
きあっている」と言っていいのかわからないような関係だった。
まず、数年つきあっていたが一線を越えていなかった。
それどころかキスもしたことがないらしかった。
お芝居を観るのが好きな人だったので、チケットが手に入ったり、
見たい映画が公開されたりすると姉を誘って良く行っていた。
でもウチに来たことは一度もない。
ウチに上がったり、ウチの両親に挨拶したこともない。
もちろん相手の家に行ったこともなかった。
ただただお芝居に一緒に行くだけ。
話を聞いていると、それって本当につきあってるの?という感じだった。
でも姉はゾッコンだった。
お芝居に行く日は念入りに化粧をし、普段は絶対にしないマニキュア
までしていた。
姉はその人のことが好きだったのだろうが、どう見ても結婚する雰囲気
ではなく、それどころか「それってただの友達じゃないの?」という
感じだった。
父も同じ印象を受けていたようだった。
私の結婚が決まったあとだったか、姉のお相手のことを「ウチに一度も
来たこともないし、挨拶されたこともない」と不満げに言っていたのを
覚えている。真剣に交際しているという感じではないことは父も感じて
いたのだと思う。
なので私も「先に結婚してもいい?家を出てもいい?」と言う感じでは
なかった。酷いようだが私に言わせてみれば「結婚どころか、騙されてる
んじゃないの?」という感じだったのだ。
どう見ても結婚なんかする雰囲気ではないのに、それどころか、女とし
て見てもらってるかわからないのに、姉はそんな現実は無視して、
冷静に相手のことを見ることができなかった。
私の結婚が決まった数ヶ月後、姉はその人と破局した。
それは私の結婚とは関係なく、姉にまた別の、仲良くしてくれる人が
現れたのだ。その人の運転で姉と一緒に私達の新居にも遊びに来て
くれたこともあった。そして私達とその人と姉とで一緒に夏祭りに
行ったこともあった。その人の方がいいんじゃないの?と思っていた
ら、姉もそう思ったらしく、数年プラトニックな関係を続けていた
彼にはお別れを言ったと言っていた。ところがその、私達の新居にも
来てくれたその人に別の交際相手がいたことがあとから判明し、
姉は結局1人になってしまった。
それもまた姉にとってはキツい出来事だったとは思う。
私もその人とはうまくいってほしいとは思っていた。
しかしその人もまた長男だったので、母は反対していたが。
姉は、プラトニックな関係だった人と別れたこともあとから後悔し
たかもしれないが、あれは姉の為には別れて私は正解だったと思って
いる。しかし姉の本心はわからない。
姉はその一連も流れもあったからか、私を恨んでいたのかもしれない。
そのことを旦那にも言ったことがある。
でも旦那は「もう既に2人の中で(姉とプラトニックな彼との中で)
密かに結婚の話が出てたとかならまだわかるけど、あんな、結婚する気
があるのかないのかわからないような関係だったんだし、一応向こうの方
が年上でお姉ちゃんって立場ではあるけど、今時妹の方が先に結婚する
ことなんてザラにあることだし、変な意味じゃなくて、SARAの家は
一般の家でどうしても跡取りが必要な旧家とか名家でもない。ただ、
お母さんの願望があっただけで、絶対にどちらかが残らなきゃいけない
っていう状況かって言ったらそうでもなかったわけで。だから親に
言って親がそれを了承したんだから、それでいいと思うけどね。」
というようなことを言ってくれた。
私も正直、当時はその旦那の感覚と同じだった。
旦那も言うように、ウチは代々続く名家だとか、旧家の長男の家で、
地元の土地も持っててお墓もずっと長男が守ってきて、とかそういう
家でもなんでもない。ただの公務員の家。
その大きくもない普通の家に姉妹が産まれて、どちらかが婿を取れ、
なんてことを強要する母もどうかと思う。
「できれば残ってほしいわ~」という可愛い願望ではなかったのだ。
それはそれはもう狂気じみていた。
どちらかが残ってくれなかったらお母さんは死ぬ!!とかそのうち
言い出すのではないかというくらいの執念があった。
しかし私はその母の言うことを聞いて残るのは絶対に嫌だった。
もう自由になりたかった。
姉も最初は抵抗していた。
母に反対されても、その長男の人とずっとつきあい続けていた。
しかしその人とも別れ、仲良くなった別の人とも別れ、妹は家を出て
行き、1人になった時に、ウチの実家に激震が走るような事件が起きた。
ある人に騙されて、父が大金を失うという事件だった。
父は酷く落ちこんでいた。
一時は「俺はもう死ぬ!!」と母みたいなことを言い出すこともあ
った。
そんなこともあってか、姉は突然お見合いをすると言い出した。
婿取りの条件をつけて。
私がこの家の跡を取る!と言った。
それは偉かったと思う。
しかし姉は私ほどは実家に残るということ自体には抵抗はなかったの
だと思う。
私は絶対に家を出たかった。
そのプラトニックな彼とは結婚したくて、その人と結婚するということ
は自動的に家を出たいこととなっていたのかもしれないが、家を出たい
願望自体が強かったわけではなかったと思う。
去年、姉の子供が独り暮らしを始め、旦那の姪や甥も独り暮らしを始めた。
「みんな家を出ちゃうね。でも若い頃はみんなそうだよね。私も一度は
独り暮らしを経験したかった。」と私が言うと姉は「私はそんなこと
思ったことない」と言った。「そうなの!?」と言うと「だって寂しい
じゃん」と言った。
それを聞いた時、やっぱり姉は実家に残るべき人だったのかもしれない
と思ったのだった。
私が先に結婚したことは、姉にとってはキツかったのかもしれないし、
その後の破局なども辛い出来事ではあっただろうとは思う。
でも私としては、だからと言って意地悪をしたり、仕返し的なことを
されるまでのことをしたとは思っていない。
ましてや、ただ普通に結婚をし、家を出ただけで、母に辛く当たられる
理由もない。
母は良く人に対して不満を言っている。
父は良く人の批判をしている。
姉はわざと私を傷つけようとする言葉を言う。
結局みんな幸せじゃないのかなと思う。
私のように病んではいないのかもしれないが、決して満たされてはいな
いのかなと思う。
そんな人たちの態度に傷つき、私は精神障害を負った。
でもラッキーだったのは、子供がいなかったので、働く必要がなかった
ことだ。
子供がいたら働かざるを得なかった。
2人だからまだ何とかなっているが(ギリ何とかなっていない説もあるが)
子供がいたら完全にアウトだった。
それにこうして自分のことを考える時間がたっぷりあるのも幸せな
ことかもしれない。