朝食会場にはセルフで珈琲や紅茶などが飲めるコーナーが
あった。そこを見に行くとスティック珈琲であったが、ちょっと
値の良さそうなものがあったので旦那に言うと、それを部屋で
飲むというので1本持って部屋に戻った。
まだ8時過ぎだったので10時までには時間があるし、もう化粧も
していたのでしばらくのんびりすることに。
旦那は何やらずっとスマホを見ていたので、私も適当にネットを
見たりゲームをしたりしてゴロゴロ9時くらいまで過ごした。
9時過ぎると、ボチボチ部屋の最終的な片付けなどをして、10時
まではいられたが、旦那も明日もう仕事だしなぁという頭も
あったので、9時半にはチェックアウトを済ませて民宿を出た。
帰る時も女将さんはドライだった。決して愛想が悪いわけでも
なかったが、余計なことも一切言わない。
しかし私達にとってはそれはそれくらいの方が良かった。
旦那も私も変に距離を詰められて会話をされて、気を遣って受け答え
をしなくてはならないよりは全然そっちの方が良かったからだ。
旦那も放って置いてくれる感じが気楽で良かったと言っていた。
宿と出てから少し海辺を散歩したあと、前の日に言った土肥金山に
また旦那と向かう。前の日に旦那がお土産品を「明日帰りに買う」と
は言っていたが、それは来た時のテンションで言っていて、次の日に
なったら「やっぱりいいかな、このままもう帰ろうかな」と言うこ
とも考えられたけど、宿を出た途端に旦那が「またあそこ行ってもいい
?」とすぐに言ったので、記念に自分達用にお土産を買うという
ことを旦那が大切にしてくれているような気がして、ちょっと温かな
気持ちになった。
一通りまたお土産品を見てから、旦那はやっぱり前の日に欲しいと
言っていたマグネットを買っていた。
お土産屋さんを出てきた後に、土肥金山の入り口で2人で写真を
取った。
その先にちょっとした池と橋があり、綺麗な色とりどりの金魚がたく
さん泳いでいた。金魚の餌も売っていたのでせっかくだからと2人で
金魚に餌をやった。それもまた良い時間だった。
土肥金山を出て、車で走っていると旦那が「来る時に戸田にも道の駅っぽい
看板が出てたのを見たから、そこにも行ってみたいんだけど」と言う。
私はすぐに「いいよ」と言った。
思えばここ数年旦那が自分から「ここに行きたい」と言うことは、
あまりなくなっていた。
昔は旦那がいつも先導して「ここに行きたいんだけど」と言いだし、
私がそれにいつもつきあっていたという形が多かったが、仕事が
変わってから旦那が自分から積極的に「ここに行きたい」と言い出す
ことはあまりなくなっていた。
もちろん普段の生活の中でちょっとした「これ買いたいんだけど」とか
そういうのはあっても、昔に比べたら旦那も覇気がなくなったなと
印象を私はずっと持っていた。
なので例えそれが道の駅に寄りたいということで旦那が自分から言い出す
ことが私は嬉しかった。ところがその前の日に見たという看板が見つから
ず、結局は行くことができなかったのだけど、さっきお土産屋さんに
寄ったばかりなのに、その上でまた道の駅に行きたいというのが
珍しかったし、なんだか可愛かった。