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クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

◇クラシック音楽◇ゲザ・アンダのモーツアルト:ピアノ協奏曲第20番/第21番

2008-08-11 11:00:28 | 協奏曲(ピアノ)

モーツアルト:ピアノ協奏曲第20番/第21番

ピアノ/指揮:ゲザ・アンダ

管弦楽:ウィーン交響楽団

 ゲザ・アンダはもう32年も前に亡くなったピアニストにもかかわらず、その録音は今でも輝きを失わず、多くのリスナーによって愛されている。また、現在、ゲザ・アンダ国際コンクールが開催されており、その名は過去のものにはなっていない。このような例は意外に少ないことに気付かされる。それと、映画「みじかくも美しく燃え」のサウンドトラックに、ゲザ・アンダとモーツアルテウム・カメラータ・ザルツブルグとによるモーツアルトのピアノ協奏曲第21番が使われたことも、ゲザ・アンダの名前を一層ポピュラーなものにしているのではなかろうか。

 このCDはゲザ・アンダがこの世を去る3年前に録音されたものだ。ピアノと指揮がゲザ・アンダ、管弦楽がウィーン交響楽団というメンバーで、モーツアルトの第20番と第21番の2曲が収められており、有名なモーツアルテウム・カメラータ・ザルツブルクとの録音とは異なる盤。最晩年に録音されたためか、内容の深い名演となっており、ウィーン交響楽団のいつも以上の熱演振りも聴いていて心地いい。

 ゲザ・アンダのモーツアルトは、安定感のある堂々と真正面からモーツアルトと向き合った演奏を聴かせ、聴いた後にも満足感が存分に残るといった趣だ。透明感がある上、メロディーを美しく歌いあげ、微妙なニュアンスもたっぷり含んでいるのだが、それでいて、病的なところが少しもない、すがすがしい演奏に彩られている。ゲザ・アンダがピアノと指揮とを一人で行っているが、この結果、演奏に一体感が生まれ、成功している。(蔵 志津久)


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