★ 私のクラシック音楽館 (MCM) ★ 蔵 志津久

クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

◇クラシック音楽◇コンサート情報

2021-03-31 09:39:52 | コンサート情報




<コンサート情報>



~ベートーヴェン生誕250+1年 篠崎史紀と38人の武者たち ”マロオケ古典派浪漫”~

ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 Op. 67 「運命」
        交響曲第6番 ヘ長調 Op. 68 「田園」
        交響曲第7番 イ長調 Op. 92

ヴァイオリン:篠崎史紀、他 

会場:サントリーホール

日時:2021年5月2日(日)  午後2時

 ヴァイオリンの篠崎史紀(1963年生まれ)は、福岡県北九州出身。現在、NHK交響楽団のコンサートマスターを務め、愛称は“まろ”。15歳のときに「毎日学生コンクール」全国1位。高校卒業と同時に8年間に及ぶウィーン留学へ。ウィーン市立音楽院に入学。翌年コンツェルト・ハウスでコンサート・デビューを果たす。1988年帰国後、1997年、34歳でNHK交響楽団のコンサートマスターに就任し、現在に至る。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽◇新譜DVD情報

2021-03-30 09:43:28 | 新譜DVD情報



<新譜DVD情報>



~エレーヌ・グリモー ピアノ・リサイタル 自然を愛するグリモーが描く”森と水と音楽の世界”~



ベリオ: 水のピアノ~6つのアンコール第3曲―アントニオ・バリスタのための
ニティン・ソーニー: ウォーター―トランジション1
武満 徹: 雨の樹素描II~オリヴィエ・メシアンの追憶に 4. ソーニー: ウォーター―トランジション2
フォーレ: 舟歌第5番嬰へ短調Op.66
ソーニー: ウォーター―トランジション3
ラヴェル: 水の戯れ
ソーニー: ウォーター―トランジション4
アルベニス: アルメリア~『イベリア第2巻』第2曲
ソーニー: ウォーター―トランジション5
リスト: エステ荘の噴水~『巡礼の年第3年』第4曲
ソーニー: ウォーター―トランジション6
ヤナーチェク: アンダンテ~『霧の中で』第1曲
ソーニー: ウォーター―トランジション7
ドビュッシー: 沈める寺~『前奏曲集第1巻』第10曲

ピアノ : エレーヌ・グリモー

収録: 2017年6月26日、ハンブルク、エルプフィルハーモニー (ライヴ)

DVD:キングインターナショナル KKC9608(DVD)/KKC9607(BD)

 ピアノのエレーヌ・グリモー(1969年生れ)は、フランス、エクサンプロヴァンス出身。1982年13歳でパリ国立高等音楽院に入学。1985年ラフマニノフのピアノソナタ第2番の録音により、モントルーのディスク大賞を受賞。1987年よりプロのソリストとしてパリで活動。21歳でアメリカ合衆国に移住。ドイツ・ロマン派音楽を得意としていたが、最近ではフランスの作曲家の作品にも取り組む。この映像は、2017年ハンブルクのエルプフィルハーモニーで行われた「ウッドランド・アンド・ビヨンド」と題したコンサートの模様を収録したもの。演目は、同時期にリリースされたアルバムと同じ構成。ベリオ、武満、フォーレ、ラヴェル、アルベニス、リスト、ヤナーチェク、ドビュッシーの「水」をテーマとした作品と、それらを繋ぐ英国の作曲家ニティン・ソーニーの書き下ろしの新作「トランジション」とのコラボレーション。




コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽◇コンサート情報

2021-03-29 10:12:31 | コンサート情報



<コンサート情報>



~マエストロ小林研一郎 80th 祝祭演奏会 VOL.2~

チャイコフスキー:交響曲第1番「冬の日の幻想」
         交響曲第4番 

指揮:小林研一郎

管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

会場:サントリーホール

日時:2021年4月7日(水)  午後7時

 指揮の小林研一郎(1940年生まれ )は、東京藝術大学指揮科を卒業。1974年第1回「ブダペスト国際指揮者コンクール」第1位、特別賞を受賞。1987年から1997年までハンガリー国立交響楽団(現ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団)の常任指揮者、音楽総監督(GMD)を務め、現在は桂冠指揮者。日本では、東京交響楽団首席客演指揮者、東京都交響楽団正指揮者、京都市交響楽団常任指揮者、日本フィルハーモニー交響楽団音楽監督・桂冠指揮者などを歴任。ハンガリー・ブダペスト交響楽団名誉指揮者。今回の公演は、小林研一郎80歳(傘寿)記念&チャイコフスキー生誕180周年記念「チャイコフスキー交響曲全曲チクルス」( Aプロ)。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽◇新譜CD情報

2021-03-26 09:35:32 | 新譜CD情報



<新譜CD情報>



~「ニューイヤー・コンサート2021」 リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィル~



<CD 1>

第1部

ファティニッツァ行進曲[オペレッタ「ファティニッツァ」より](スッペ)
ワルツ「音波」 作品148(ヨハン・シュトラウス2世)
ニコ殿下のポルカ 作品228 (ヨハン・シュトラウス2世)
ポルカ・シュネル「憂いもなく」 作品271 (ヨーゼフ・シュトラウス)
ワルツ「坑夫ランプ」(ツェラー)
ギャロップ「贅沢三昧」[オペレッタ「キスのリハーサル」のモティーフによる] (ミレッカー)

第2部

歌付き喜劇「詩人と農夫」 序曲 (スッペ)
ワルツ「バーデン娘」 作品257(コムザーク)
マルゲリータ・ポルカ 作品244(ヨーゼフ・シュトラウス)

<CD 2>

ヴェネツィア人のギャロップ 作品74 (ヨハン・シュトラウス1世)
ワルツ「春の声」 作品410 (ヨハン・シュトラウス2世)
ポルカ・フランセーズ「クラップフェンの森で」 作品336 (ヨハン・シュトラウス2世)
新メロディ・カドリーユ 作品254 (ヨハン・シュトラウス2世)
皇帝円舞曲 作品437 (ヨハン・シュトラウス2世)
ポルカ・シュネル「恋と踊りに夢中」 作品393[オペレッタ「女王のレースとハンカチーフ]のモティーフによる] (ヨハン・シュトラウス2世)

アンコール

狂乱のポルカ 作品260 (ヨハン・シュトラウス2世)
新年の挨拶[リッカルド・ムーティの英語によるスピーチ]
ワルツ「美しく青きドナウ」 作品314 (ヨハン・シュトラウス2世)
ラデツキー行進曲 作品228 (ヨハン・シュトラウス1世/ウィーン・フィル編)

指揮:リッカルド・ムーティ

管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 
 毎年1月1日に行なわれるウィーン・フィルの「ニューイヤー・コンサート」。このCDは、2021年1月1日、ウィーン、ムジークフェラインザールでのライヴ・レコーディング。2021年は、2010年以来シカゴ響音楽監督をつとめる巨匠リッカルド・ムーティが、1993、1997、2000、2004、2018年に次いで3年ぶり6回目の登場。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽◇コンサート情報

2021-03-25 09:45:14 | コンサート情報



<コンサート情報>



~2021年ミュンヘン放送管弦楽団のコンサートマスターに就任した 滝 千春 リサイタル~

柿沼 唯:サルヴェ・レジナ(2018)
ビーバー:《ロザリオのソナタ》から「パッサカリア」
ジョーンズ:リーガル・ハイズ(1988)
コリリアーノ:ストンプ(2011)
アンタイル:ソナタ第2番
バッハ:《無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番》ニ短調 BWV1004から「シャコンヌ」
挾間美帆:B↔C(2021、滝千春委嘱作品、世界初演)
シャリーノ:6つのカプリッチョ(1976)から第2曲「アンダンテ」
木山 光:Death Metal Rock with Head Bang(2013/16)
ビーバー:チャコーナ ニ長調

ヴァイオリン:滝 千春

ピアノ:中野翔太
チェロ:山本裕康
ドラムス:エルンスト・ビーア
マリンバ:藤澤仁奈
バロックギター:尾尻雅弘

会場:東京オペラシティ リサイタルホール

日時:2021年4月20日(火) 午後7時

 ヴァイオリンの滝 千春(1987年生まれ)は、東京都小金井市出身。2005年3月桐朋女子高等学校音楽科卒業後、チューリッヒ音楽大学でザハール・ブロンに師事。2001年「ノヴォシビルスク国際ヴァイオリン・コンクール」(ジュニア部門)第1位。2002年4月フランスにおいて開催された「若い音楽家のためのメニューイン国際バイオリンコンクール」(ジュニア部門)で第1位。同年9月桐朋学園音楽部門創立50周年記念演奏会にて小澤征爾指揮桐朋OBオーケストラと共演。2008年5月ギリシャにおいて、レオシュ・スワロフスキー指揮アテネ国立響と共演。同年8月東京の紀尾井ホールで清水和音との共演でデビュー・リサイタルを開催。同年10月ドイツのパッサウでニーダー・バイエルン・フィルとブラームスで共演し好評を得た。2021年ミュンヘン放送管弦楽団のコンサートマスターに就任。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽◇コンサート情報

2021-03-24 09:38:57 | コンサート情報



<コンサート情報>



~コロンえりか ソプラノ・リサイタル~

ドリーブ:カディスの娘たち
ファリャ:7つのスペイン民謡
E.コロン:被爆のマリアに捧げる賛歌
アザラシヴィリ:無言歌
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ 第5番 より
ラウロ:子守歌 他

ソプラノ:コロンえりか

ピアノ:山田武彦

会場:宗次ホール

日時:2021年4月11(日) 午後2時

 ソプラノのコロンえりかは、ベネズエラ出身。聖心女子大学、大学院で教育学を学んだ後、英国王立音楽院声楽科修士課程を優秀賞で終了。同年ウィグモアホールでデビュー。モーツァルト・フェスティバル(ブリュッセル)、宗教音楽祭(フィレンツェ)、日英国交150年記念メサイア(ロンドン)でソリストを務めるなどオラトリオの分野に力を注ぐ。オペラではイタリア、モンテロッソ音楽祭「コジ・ファン・トゥッテ」デスピーナ役、「ドン・パスクワーレ」ノリーナ役を務めた他、フランス、プリヴァ市バロック音楽祭で「紅の薔薇」タイトルロールのヴィーナスを演じ、ラジオ・フランスで放送される。東日本大震災以降、エル・システマジャパンの立ち上げから、ホワイトハンドコーラス設立にも携わり、耳の聞こえない子どもを含む様々な障害を持つ子どもたちに音楽を教えている。2019年「東京国際声楽コンクール」グランプリ部門ならびに歌曲部門で第1位。ライフワークとして取り組んでいるのは、父エリック・コロンが平和への願いを込めて作曲 した「被爆のマリアに捧げる賛歌」の演奏と講演会で、浦上天主堂に於ける初演、CD出版後、世界各地で学校や大学を訪れて長崎からの平和へのメッセージを発信している。4児の母。

 ピアノの山田武彦は、東京藝術大学作曲科卒業、同大学院作曲専攻修了。1993年フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院ピアノ伴奏科に入学、同クラスの7種類の卒業公開試験を、審査員の満場一致により首席で一等賞(プルミエ・プリ)を得て卒業。フランスの演奏団体である2e2m、L'itineraire、Triton2等でソリストとして演奏し、現代音楽の紹介を務める。またフランス北部のランス市において大戦後50周年記念式典のために、ヘブライ語による委嘱作品を発表。帰国後はピアニストとして数多くの演奏者と共演、的確でおおらかなアンサンブル、色彩豊かな音色などが好評を博し、コンサート、録音、放送等の際のソリストのパートナーとして厚い信頼を得る。2004年より“イマジン七夕コンサート”音楽監督、2007年より“下丸子クラシックカフェ”ホスト役を担当するなど、ユニークなコンサートの企画にも参加している。これまで洗足学園音楽大学に於いて作曲及びピアノコース統括責任者を歴任、現在同大学教授。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽◇NHK-FM[ベストオブクラシック]レビュー(シモーネ・ヤング指揮ロサンゼルス・フィルのR.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」他~)

2021-03-23 09:36:36 | NHK‐FM「ベストオブクラシック」レビュー




<NHK-FM[ベストオブクラシック]レビュー>




~シモーネ・ヤング指揮ロサンゼルス・フィルのR.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」他~



ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」から組曲「4つの海の間奏曲」作品33a
     「テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード」作品31
R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」作品30

テノール:マイケル・スラッテリー

ホルン:アンドリュー・ベイン

指揮:シモーネ・ヤング

管弦楽:ロサンゼルス・フィルハーモニック

収録:2019年2月2日、米国ロサンゼルス、ウォルト・ディズニー・コンサート・ホール

放送:2021年2月18日 午後7:30 ~ 午後9:10

録音:アメリカWFMT

 今夜のNHKーFM「ベストオブクラシック」は、オーストラリア出身の女性指揮者シモーネ・ヤングの指揮ロサンゼルス・フィルの演奏で、ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」から組曲「4つの海の間奏曲」作品33a、「テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード」作品31、R.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」作品30の米国での演奏会の放送である。

 女性指揮者のシモーネ・ヤング(1961年生まれ)は、オーストラリア、シドニー出身。ニューサウス・ウェールズ州音楽院(現シドニー大学附属シドニー音楽院)で作曲、指揮、ピアノを学ぶ。1985年にオーストラリア・オペラコレペティートル(指揮者助手)に採用される。1985年シドニー・オペラハウスで指揮者デビューを果たす。1986年「オーストラリア最優秀新人賞」を受賞し、オーストラリア芸術評議会奨学生としてドイツへ留学。ドイツではケルン歌劇場でジェームズ・コンロンに、ベルリン国立歌劇場でダニエル・バレンボイムに師事する。1993年ウィーン国立歌劇場に女性指揮者としてデビューを飾る。以後、ウィーン国立歌劇場には頻繁に出演している。1996年にハンブルク州立歌劇場にデビューする。以後、ヨーロッパ各地で指揮活動を行う。1998年から2002年までノルウェーのベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者、2001年から2003年までオーストラリア・オペラ首席指揮者・音楽監督、2005年~2015年ハンブルク州立歌劇場総支配人・音楽総監督およびハンブルク・フィル首席指揮者を務める。同年ウィーン・フィルを女性指揮者として初めて指揮。レパートリーは広いが、特に19世紀ロマン派のオペラおよび管弦楽曲を得意としている。日本での演奏は1997年にNHK交響楽団と共演して以降、頻繁に来日公演を行っている。2004年「オーストラリア勲章」を受章。
 
 今夜第1曲目のブリテン作曲のオペラ「ピーター・グライムズ」 作品33は、ブリテンにとって最初の本格的オペラとなった作品。台本は、モンタギュー・スレイター によるもので、ジョージ・クラッブの詩「町」の一節である「ピーター・グライムズ」が原作。このオペラは、第二次世界大戦後のオペラ界に大きな影響を及ぼすことになった。同作中の間奏曲の6曲をもとに組曲「4つの海の間奏曲」作品33aと「パッサカリア」作品33bがつくられた。組曲「4つの海の間奏曲」作品33aは、同作品の間奏曲3曲に新たに1曲を付け加えた作品。今夜のこの曲でのシモーネ・ヤング指揮ロサンゼルス・フィルの演奏は、優雅でロマンの香り高い演奏に終始し、今まで味わったことがないような繊細さを表現すると同時に、曲の骨格をしっかりと掴み、適度の緊張感を持ったものに仕上がった。特に素晴らしかったのは、音の流れがごく自然なものとして表され、リスナーはその優美なの流れに身をゆだねる感覚に酔いしれることが出来たことだ。このような、自然体でありながら、音楽の主体性を保つことは、なかなか難しいこと。今夜の演奏は、この困難さを見事成し遂げ、見事というほかない。

 第2曲目のブリテン:「テノール、ホルンと弦楽のためのセレナード」は、テノール・ソロ、フレンチ・ホルンと弦楽のための作品。①プロローグ②牧歌③夜想曲④エレジー(悲歌)⑤挽歌⑥賛歌⑦ソネット⑧エピローグ、から構成されている。歌曲作品であるのだが、歌曲といっても、テノールと並んでホルンもソリストとして演奏し、弦楽合奏が伴奏するという珍しい形態の作品。6つのイギリス詩歌から成り立っており、ブリテンが遺した20世紀歌曲の珠玉の作品とも呼ばれている。イギリスの作曲家らしい品のある音楽であると同時に高い声楽的技術も要求される作品。この曲は、優れた作品として高い評価を受けているが、実際はあまり聴く機会がないので、今夜の放送の中でも特に興味深いものとなった。聴き進むうちに、ホルンとテノール、それに弦楽合奏という滅多に聴くことのできない組み合わせが、なかなか味わいの深いものであることが徐々に感じられ始めた。ホルンのアンドリュー・ベインの演奏が、変幻自在とでもいえる名人芸に終始していたことが特に印象に残る。アメリカ出身テノールのマイケル・スラッテリーは、イギリス人であるブリテンが遺した最高の歌曲作品として、気品を保った歌唱を展開。
 
 今夜最後の曲のR.シュトラウス:交響詩「ツァラトゥストラはこう語った」作品30は、R.シュトラウスが1896年に作曲した交響詩。「ツァラトゥストラはかく語りき」とも訳される。ニーチェの同名の著作にインスピレーションを得て作曲されたが、原作の思想を具体的に表現したというより、原作のいくつかの部分を選び、それらを描写的に表現した作品。初演時から賛否両論に分かれ、評論家エドゥアルト・ハンスリックや作曲家フーゴー・ヴォルフは非難し、作家ロマン・ロランや指揮者アルトゥル・ニキシュは好意的であった。全体は9部(日の出、世界の背後を説く者について、大いなる憧れについて、喜びと情熱について、墓場の歌、学問について、病より癒え行く者、舞踏の歌、夜の流離い人の歌)からなり、切れ目なしに演奏される。映画「2001年宇宙の旅」の冒頭で第1部「導入部」が使われたことで知られる。今夜のこの曲でのシモーネ・ヤング指揮ロサンゼルス・フィルの演奏は、通常、我々が耳にする「ツァラトゥストラ」とは異なった表現に拘った。決して極端な激情に走らず、あくまで精神の奥深いところに軸足を置いた、新しい表現の「ツァラトゥストラ」演奏を聴かせてくれた。この曲の美的要素を優美に鳴り響かせる、シモーネ・ヤングの指揮者としての見識の高さには感服させられた。(蔵 志津久)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽◇コンサート情報

2021-03-22 16:58:53 | コンサート情報



<コンサート情報>



~マリコとオペラ!  作家 林真理子のトーク・コンサート 一冊の名作は人生を語り、一曲の名曲は人生を謳う~

プッチーニ:「ジャンニ・スキッキ」より 私のお父さん
      「トゥーランドット」より 誰も寝てはならぬ  
マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲  
プッチーニ:「ラ・ボエーム」より 冷たき手を、私の名はミミ、愛らしい乙女よ 二重唱  他

トーク:林真理子   

ソプラノ:小林沙羅   
テノール:望月哲也  

ピアノ:河野紘子   

ナビゲーター:浦久俊彦

会場:三井住友海上しらかわホール

日時:2021年3月24日(水) 午後6時45分

 音楽に造詣が深く、オペラ好きで知られる作家・林真理子。自身で初めて脚本を手掛けたオペラ・ブッファ「狂おしき真夏の一日」(音楽:三枝成彰、演出:秋元康/2017年10月初演)は、その高い完成度で大絶賛を博した。そんな林真理子が三井住友海上しらかわホールに登場。稀代の歌手とピアニストが奏でる極上の「音楽」と、繰り広げられるトークによる「言葉」で、オペラの魅力に触れる。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽◇新譜CD情報

2021-03-19 09:39:55 | 新譜CD情報



<新譜CD情報>



~若きマエストロ 太田 弦のデビュー盤 シューベルト:交響曲 第8番「ザ・グレイト」~



シューベルト:交響曲 第8番「ザ・グレイト」

指揮:太田 弦

管弦楽:新日本フィルハーモニー交響楽団

録音:2020年7月17~18日、東京・すみだトリフォニーホール(ライヴ録音)

CD:オクタヴィアレコード OVCL-00742
 
 指揮の太田 弦(1994年生まれ)は、札幌市出身。札幌西高校から東京藝術大学に進学し、同大学音楽学部指揮科及び同大学院音楽研究科指揮専攻修士課程を卒業。指揮を尾高忠明、高関健、作曲を二橋潤一に師事。 2015年「東京国際音楽コンクール(指揮)」で、2位及び聴衆賞を受賞。 2019年4月より大阪交響楽団正指揮者。このCDは、若手指揮者の筆頭と目される、太田弦のデビュー・アルバム。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

◇クラシック音楽◇コンサート情報

2021-03-18 10:52:17 | コンサート情報



<コンサート情報>



~東京都交響楽団 大阪特別公演~

カレヴィ・アホ:ティンパニ協奏曲(2015)<日本初演>
マーラー:交響曲第1番 「巨人」

ティンパニ:安藤芳広

指揮:大野和士

会場:フェスティバルホール

日時:2021年4月18日(日) 午後2時

 ティンパニーの安藤芳広は、 1987年東京芸術大学音楽学部器楽科卒業。在学中よりオーケストラを中心に様々なエリアで活動開始。1993年東京都交響楽団入団。95年より同楽団首席ティンパニ&打楽器奏者に就任、現在に至る。1997〜1998年 アフィニス文化振興財団の派遣によりドイツ・ベルリンへ留学。ベルリン・フィルのソロ・ティンパニスト ライナー・ゼーガース氏のもとで研鑽を積んだ。1989年より沢田研二「アクト・クルトワイル」グローブ座公演及び全国ツアーへ参加。2003年JTアートホール室内楽シリーズにおいてソロ、アンサンブルの公演を行う。武蔵野音楽大学専任講師、沖縄県立芸術大学非常勤講師。

 指揮の大野和士(1960年生れ)は、東京都出身。東京芸術大学指揮科に入学。大学卒業後、25歳の時欧州に渡る。1987年「アルトゥーロ・トスカニーニ国際指揮者コンクール」で優勝。1988年ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者・音楽監督に就任。その後、カールスルーエ・バーデン州立歌劇場の音楽総監督、ベルギー王立歌劇場(モネ劇場)の音楽監督を務めた。2008年フランス国立リヨン歌劇場首席指揮者、2012年アルトゥーロ・トスカニーニ・フィルハーモニー管弦楽団首席客演指揮者に就任。2015年東京都交響楽団の音楽監督、また同年バルセロナ交響楽団の音楽監督就任。2018年より新国立劇場のオペラ部門の芸術監督に就任。2010年日本芸術院賞・恩賜賞受賞、サントリー音楽賞受賞、文化功労者に選ばれる。2017年フランス共和国より芸術文化勲章「オフィシエ」を受勲。同時にリヨン市からリヨン市特別メダル授与された。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする