★ 私のクラシック音楽館 (MCM) ★ 蔵 志津久

クラシック音楽研究者 蔵 志津久によるCD/DVDの名曲・名盤の紹介および最新コンサート情報/新刊書のブログ

◇クラシック音楽◇新譜CD情報

2014-02-28 11:07:49 | 新譜CD情報

 

<新譜CD情報>

 

~オットー・クレンペラーのベートーヴェン:交響曲全集 (ライヴ録音盤)

ベートーヴェン:<CD1>交響曲第1番,第3番
          <CD2>交響曲第2番,第7番
          <CD3>交響曲第4番,第8番,「エグモント」序曲、「プロメテウスの創造物」序曲
          <CD4>交響曲第5番,第6番
          <CD5>交響曲第9番,コリオラン序曲

指揮: オットー・クレンペラー

管弦楽:フィルハーモニア管弦楽団

独唱:ウィルマ・リップ(ソプラノ)
    ウルズラ・ベーゼ(アルト)
    フリッツ・ヴンダーリヒ(テノール)
    フランツ・クラス(バス)

合唱:ウィーン楽友協会合唱団

録音:(第1番)1960年6月7日
    (第3,2番)1960年5月29日
    (第7番・プロメテウス)1960年6月2日
    (第4番,エグモント)1960年5月31日
    (第8番,コリオラン)1960年6月4日
    (第9番)1960年6月7日
    全てウィーンでのライヴ (モノラル録音)

CD:タワー・レコード(Music & Arts)

 オットー・クレンペラー(1885年―1973年)は、現ポーランド(当時ドイツ領)に生まれたドイツ人指揮者で、20世紀を代表する指揮者の一人。ロサンゼルス・フィルハーモニック音楽監督、ピッツバーグ交響楽団首席指揮者・音楽監督、フィルハーモニア管弦楽団巣席指揮者などを歴任。このCDは、1960年のウィーンにおけるライヴ録音。

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◇クラシック音楽◇コンサート情報

2014-02-27 11:11:50 | コンサート情報

 

<コンサート情報>

 

シューベルト:ハンガリー風ディベルティメント
ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲
ボロディン:だったん人の踊り
ストラヴィンスキー:春の祭典

ピアノ:ウラディーミル&ヴォフカ・アシュケナージ ピアノ・デュオ

会場:東京文化会館

日時:3月6日(木) 午後7時

 「是非もう一度アシュケナージのピアノが聴きたい」と熱望するファンの声に応えて、長男ヴォフカとの共演によるピアノ・デュオCD「ドビュッシー&ラヴェル~2台のための作品集」と「ロシアン・ファンタジー」がリリースされた。今回は、この親子のピアノ・デュオによるコンサート。

 

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◇クラシック音楽◇NHK‐FM 「ベストオブクラシック」 レビュー

2014-02-25 10:02:50 | NHK‐FM「ベストオブクラシック」レビュー

 

<NHK‐FM「ベストオブクラシック」レビュー>

 

~ルガーノのアルゲリッチ・プロジェクトから~

①モーツァルト(フィリップ・ウィルビー補筆完成版):ピアノとバイオリンのための協奏曲
        
   ピアノ:酒井 茜
   ヴァイオリン:木嶋真優

   指揮:ユベール・スダーン
   管弦楽:スイス・イタリア語放送管弦楽団

②レスピーギ:グレゴリオ風の協奏曲

   バイオリン:ルノー・カプソン

   指揮:ユベール・スダーン
   管弦楽:スイス・イタリア語放送管弦楽団

③ベートーベン:ピアノ協奏曲第1番

   ピアノ:マルタ・アルゲリッチ

   指揮:ユベール・スダーン
   管弦楽:スイス・イタリア語放送管弦楽団

収録:2013年7月3日、スイス・ルガーノ、スイス・イタリア語放送協会オーディトリウム

提供:スイス放送協会

放送:2014年2月5日(水) 午後7:30~午後9:10

 今夜の「ベストオブクラシック」は、“ルガーノのアルゲリッチ・プロジェクトから”と題する三夜目の放送である。曲目は、①モーツァルト(フィリップ・ウィルビー補筆完成版):ピアノとバイオリンのための協奏曲②レスピーギ:グレゴリオ風の協奏曲③ベートーベン:ピアノ協奏曲第1番。3曲ともユベール・スダーン指揮スイス・イタリア語放送管弦楽団の伴奏によるもの。ルガーノは、スイスのマッジョーレ湖とコモ湖の中間にあるルガーノ湖のほとりに位置し、ここで開催される音楽祭が「ルガーノ音楽祭」である。ピアニストのマルタ・アルゲリッチは、毎年“アルゲリッチ・プロジェクト”と名付けたコンサートを、2002年からこの音楽祭の会期中に開催している。マルタ・アルゲリッチは、アルゼンチンのブイノスアイレス出身の現代を代表するピアニストの一人。1957年ブゾーニ国際ピアノコンクールで優勝、さらに1965年ショパン国際ピアノコンクールで優勝して、その名が国際的に知られるようになる。1998年から別府アルゲリッチ音楽祭、1999年からブエノスアイレスにてマルタ・アルゲリッチ国際ピアノコンクール、2001年からブエノスアイレス-マルタ・アルゲリッチ音楽祭など、自身の名を冠した音楽祭やコンクールを開催し、後進の育成に力を入れていることでも知られる。1998年以降は別府アルゲリッチ音楽祭のため、毎年来日している。

 最初の曲目のモーツァルト(フィリップ・ウィルビー補筆完成版):ピアノとバイオリンのための協奏曲は、1778年(28歳)のマンハイムで作曲が進められたが、モーツァルトが作曲したのは第1楽章の最初の120小節のみで、未完に終わっている。何故、作曲途中で止めたのかは謎であるが、最も考えられる理由は、モーツァルトがパリへ向かうためマンハイムを去ったためと考えられている。ウィルビーは、モーツァルトが同曲の作曲後に出版されたヴァイオリンソナタ第30番が、この曲のスケッチをもとに作曲されたと仮説を立て、第1楽章を補筆すると同時に、ヴァイオリンソナタ第30番の第2・第3楽章をオーケストレーションに編曲した。これが“フィリップ・ウィルビー補筆完成版”である。演奏は、ピアノ:酒井 茜とヴァイオリン:木嶋真優で、共に日本の女性演奏家の若手ホープとして活躍している。ピアノ:酒井 茜は、名古屋出身。桐朋学園大学を1999年に卒業後、ベルギーのレメンス音楽院に留学。現在ヨーロッパ、日本で演奏活動を展開中。アルゲリッチの共演者として信頼を得ている。一方、木嶋真優は、神戸市出身のヴァイオリニスト。2001年ケルン音楽大学へ留学し、ブロンに師事。2005年中、ロストロポーヴィチと、アメリカ、ヨーロッパツアーを重ね、好評を得た。2011年ケルン国際ヴァイオリンコンクール優勝。ここでの演奏は、まずユベール・スダーン指揮スイス・イタリア語放送管弦楽団の如何にもモーツァルトらしい、明るく澄み切った伴奏が、実にしっくりと耳に沁みるところから始まる。酒井 茜のピアノ、木嶋真優のヴァイオリンも、伴奏のオーケストラの音とぴたりと合い、三者が如何にも楽しげに演奏する様は、理屈を超えてモーツァルトの音楽を存分に堪能することができた。

 次のグレゴリオ風の協奏曲は、レスピーギが1921年に、グレゴリオ聖歌を引用して完成させた作品で、ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲。レスピーギ41歳の時の作品で、同時期には「ローマの松」「ローマの祭り」などの作品がある。ルノー・カプソン(1976年生まれ)は、フランス出身のヴァイオリニスト。14歳でパリ国立高等音楽院に入学。1998年から2000年まで、クラウディオ・アバドの指名によってマーラー・ユーゲント・オーケストラのコンサートマスターを務めた。これまで、世界の主要オーケストラに客演している。「アルゲリッチ・プロジェクト」には、2002年の第1回から毎年出演している常連。このレスピーギ:グレゴリオ風の協奏曲は、“ローマ三部作”などと比べると、あまり聴くチャンスがない曲ではあるが、実に美しいヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲であり、演奏される機会が少ないのはもったいない気がするほど。時折、ハットするほどの閃きのある曲想に、リスナーは暫し、聴き惚れる。ルノー・カプソンのヴァイオリン演奏も、正統的で、しかも実にしっとりとした味わいを醸し出しており、古の情感を辺り一面に漂わせ、満足させられた。

 最後のベートーベン:ピアノ協奏曲第1番は、アルゲリッチが10歳の時から演奏してきたお気に入りの曲だというので、聴く前からいやが上にも期待感が高まる。アルゲリッチが世界的に有名になってからも度々取り上げた来た曲だが、2002年から始まったアルゲリッチ・プロジェクトで取り上げるのは、今回が初めてという。ここでもユベール・スダーン指揮スイス・イタリア語放送管弦楽団の伴奏の軽快で、何かリスナーが心安らかになる伴奏で始まる。ユベール・スダーンは日本でもお馴染みの指揮者であるが、改めてその見事な棒さばきには感心させられた。スイス・イタリア語放送管弦楽団は、あまり聴くチャンスに恵まれないオーケストラであるが、ここでの演奏は、一糸乱れぬバランスの良い演奏ぶりを聴かせる。チームワークの良さではかなり上位にランクされるオーケストラではないか。アルゲリッチのピアノ演奏は、肩から力を抜いた、自然体の演奏に終始する。これはアルゲリッチがこれまで、幾度となく演奏してきたベートーベン:ピアノ協奏曲第1番の到達点に立っての演奏ではないのか。この第1番を演奏するピアニストの多くが、若いベートーヴェンをイメージしてか、力に任せエネルギッシュに一気呵成に弾き挙げる。それに対し、ここでのアルゲリッチのこの第1番の演奏は、何かベートーヴェン中期か後期の作品であるかのような、スケールの大きさと気品を兼ね備えている。ベートーベン:ピアノ協奏曲第1番が、これほど情感豊かに弾かれた演奏は、私はこれまで聴いたことはない。伴奏との相性も申し分ない。さすが、“アルゲリッチ・プロジェクト”と名乗るだけの価値あるコンサートが聴けた一夜ではあった。(蔵 志津久)             

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◇クラシック音楽◇コンサート情報

2014-02-24 10:44:37 | コンサート情報

 

<コンサート情報>

 

~札幌交響楽団 東京公演~

シベリウス: 組曲「恋人」
      : 交響曲第4番
      : 交響曲第2番 

日時:2014年3月5日(水) 午後7時

指揮:尾高忠明

管弦楽:札幌交響楽団

 札幌交響楽団東京公演。尾高&札響の新しい伝説(シベリウス交響曲シリーズ)の第2章。希望あふれる第2番と光を求める第4番で、聴く者をシベリウスの森の奥へと誘う。

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◇クラシック音楽◇新譜CD情報

2014-02-21 13:25:29 | 新譜CD情報

 

<新譜CD情報>

 

~ギタリスト荘村清志デビュー45周年記念アルバム~

 

ギター:荘村清志

CD:ユニバーサルミュージック

愛のロマンス ~映画「禁じられた遊び」より
聖母の御子
歌 ~歌と踊り 第6番より
エンデチャとオレムス
アラビア風奇想曲
プレリュード 第2番 ~前奏曲集より
プレリュード 第5番 ~前奏曲集より
朱色の塔
サンブラ・グラナディーナ
歌と舞曲 第1番
粉屋の踊り ~「三角帽子」より
ソナタ イ短調
ソナタ イ長調
ルドヴィーコのハープを模した幻想曲
村人の幻想曲
アルハンブラの想い出

 このCDは、日本クラシック・ギター界の第一人者、荘村清志のデビュー45周年記念アルバム。
荘村清志(1947年生まれ)は、岐阜市本荘出身。1963年、来日したナルシソ・イエペスに認められ、翌年スペインに渡り4年間イエペスに師事。帰国後、1969年に日本デビュー・リサイタルを行う。その後、アメリカ各都市で公演を開き、国際的にも高い評価を受ける。

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◇クラシック音楽◇コンサート情報

2014-02-20 11:31:11 | コンサート情報

 

<コンサート情報>

 

バーンスタイン(ハーマン編):「キャンディード」組曲
チャイコフスキー:幻想序曲「ロミオとジュリエット」
チャイコフスキー:交響曲第5番

指揮:大植英次

管弦楽:東京交響楽団

会場:ミューザ川崎シンフォニーホール

日時:2014年3月1日(土) 午後6時

 指揮の大植英次は、1956年広島生まれ。桐朋学園で齋藤秀雄に指揮を師事。1978年、小澤征爾の招きによりアメリカ・タングルウッド・ミュージック・センターで学び、同年ニューイングランド音楽院指揮科に入学。タングルウッド音楽祭で恩師レナード・バーンスタインと出会い、以後世界各地の公演に同行。1980年タングルウッド音楽祭クーセヴィツキー賞、1981年ザルツブルク・モーツァルテウム指揮者コンクール第1位、ハンス・ハリング・ゴールドメダル、2007年第42回大阪市市民表彰、2009年ニーダーザクセン州功労勲章・一等功労十字章を受章するなど数々賞を受賞している。現在、大阪フィルハーモニー交響楽団桂冠指揮者、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー名誉指揮者。

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◇クラシック音楽CD◇クラウディオ・アバド&ベルリン・フィルのマーラー:交響曲第9番

2014-02-18 10:54:41 | 交響曲

マーラー:交響曲第9番

指揮:クラウディオ・アバド

管弦楽:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

録音:1999年9月、ベルリン(ライヴ録音)

CD:ユニバーサルミュージック UCCG1106

 指揮者のクラウディオ・アバド(1933年―2014年)が亡くなってもうひと月が経とうとしている。昨年予定されていた来日が急遽取り止めになっただけに、残念な思いをされた方も多くいるのではなかろうか。アバドは、イタリア、ミラノの出身。1956年からウィーン音楽院で指揮を学び、1959年に指揮者としてデビューを果たした。以後着実にキャリアを重ね、1968年にミラノ・スカラ座の指揮者となり、1972年には音楽監督、1977年には芸術監督に就任する。この間、スカラ・フィルハーモニー管弦楽団を設立して、楽団のレベルを引き上げることに成功を収める。そして、ロンドン交響楽団の首席指揮者を経て、1983年同楽団の音楽監督となる。1986年には、ウィーン国立歌劇場音楽監督に就任。さらに1990年、カラヤンの後任としてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督に就任し、これによりアバドは世界の指揮者の頂点を極めることになったのである。2000年に胃癌で倒れるが、以後回復しフリーの指揮者として、ルツェルン祝祭管弦楽団などを指揮していた。昨年予定されていた際も、ルツェルン祝祭管弦楽団と共に来日するはずであった。日本とのつながりとしては、2003年にアバドは、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞している。

 今回のCDは、アバドがマーラー:交響曲第9番を、1999年9月ベルリンでベルリン・フィルを指揮した時のライヴ録音盤である。マーラー:交響曲第9番は、これまでもバルビローリ指揮ベルリン・フィル盤、ワルター指揮ウィーン・フィル盤、バーンスタイン指揮ベルリン・フィル盤など数多くの名盤が残され、いわば指揮者の激戦区といった趣がある曲であるが、このアバド指揮ベルリン・フィル盤は、数あるマーラー:交響曲第9番の録音の中でも、その存在感を充分に発揮している名盤の一つといってもいいであろう。ここでのアバドは、決して無闇にオーケストラを引っ張ろうとはせずに、自然の流れの中に身を委ね、オーケストラのメンバーの自発性を誘い、そして全体としては自らの語り口で曲を締めくくっている。特に印象的なのは、マーラーが自らの死を暗示していると言われる第4楽章の指揮ぶりで、淡々とした流れの中に深い精神性を込めたものとなっており、マーラーとアバド、そしてオーケストラのメンバーの一体感が極限まで高まり、それを聴くリスナーは、その陶酔感の中に一体となり身を置くことになる。アバドが亡くなった今、この第4楽章を聴くと、アバドの現世との別れの思いが込められているようにも感じられてくる。

 マーラーは、交響曲として第1番~第9番のほかに「大地の歌」と未完の第10番があるので、全部で11曲の交響曲を作曲したことになる。このうち、声楽が入ったものが、第2番、第3番、第8番、「大地の歌」、一方、純器楽作品が第1番、第5番、第6番、第7番、そしてこの第9番である。第9番は、4楽章構成をとり、第1楽章と第4楽章が、静寂さを持った古典的で正統制を保った楽章となっている。一方で、第2楽章と第3楽章は、マーラー特有のアイロニー(皮肉っぽさ)に満ち溢れ、結果としてその対比が極めて印象的な交響曲になっているといえる。特にマーラーは、この曲に標題を付けなかったようであるが、第4楽章の最後の小節に「死に絶えるように」と書かれていることでも分るように、曲全体が「別れ」あるいは「死」というテーマに貫かれている。そして曲を聴いた印象は、崇高さが感じられ、そのこともあり、数ある交響曲の中でも最高傑作の一つとして、特別な時に演奏されることが多い曲である。ただ、マーラー自身は、この曲の初演の前に亡くなったため、演奏を聴くことができなかったという。

 この録音でアバドは、内省的な第1楽章を、実に柔らかく、しかも深遠さと荘厳さ持って、淡々と指揮を進める。何か遠い昔を回想するかのようででもあり、マーラーが自らの死を予感して、過ぎ去リ日の追憶に耽っているような雰囲気を巧みに演出する腕は、さすが世界の頂点を極めた指揮者であることを実感させる。第2楽章と第3楽章は、いつものマーラーが戻ってくる楽章である。マーラー&ベルリン・フィルは、そのことを意識してメリハリのある演奏に終始する。それでも他の曲のマーラーのアイロニーさとは一味異なり、抑制のあるアイロニーとでも言ったらよいのであろうか。アバドもその辺のところは、お見通しかのようにさらりと指揮するので、聴いていて不快感はない。むしろ、第1楽章と第4楽章を際立たせる役割を果たしているかのように感じられる。そして最後の第4楽章を迎える。ここでアバドは、あたかも息を止めて、天上から聴こえてくる音楽を聴き取ろうとするかのように指揮する。中庸を踏まえ、しかも秘めた荘厳さが印象的だ。ここには交響曲の美しさを極限にまで昇華させた演奏がある。そして、「死に絶えるように」と書かれた最後の小節へと向かうに従い、静寂さが辺りを覆う。アバドが亡くなってひと月経った今この録音を聴くと、あたかもアバド自身が別れの挨拶をしているかのように感じてしまう。(蔵 志津久)

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◇クラシック音楽◇コンサート情報

2014-02-17 11:24:45 | コンサート情報

 

<コンサート情報>

 

~ベルリン・バロック・ゾリステン with エマニュエル・パユ~

テレマン:フルート協奏曲 ニ長調 TWV51:D2
バッハ: 「音楽の捧げ物」BWV1079から「6声のリチェルカーレ」
ブランデンブルク協奏曲第5番 BWV1050
テレマン:ヴィオラ協奏曲 ト長調 TWV51:G9
C.P.E.バッハ:ハンブルク交響曲第5番
バッハ:管弦楽組曲第2番 ロ短調 BWV1067

日時 2014年2月26日(水) 19:00 開演

フルート:エマニュエル・パユ

弦楽合奏:ベルリン・バロック・ゾリステン

会場:サントリーホール

日時:2014年2月26日(水) 午後7時

 フルートのエマニュエル・パユは、1970年ジュネーブで生まれる。パリ国立音楽院で学ぶ。同音楽院卒業後、オーレル・ニコレに師事。1989年神戸国際コンクール第1位。1992年ジュネーブ国際コンクール第1位。1993年ベルリン・フィルの首席ソロ奏者に就任。現在、ソロ・フルーティストとしても世界で演奏活動を展開している。

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◇クラシック音楽◇新譜CD情報

2014-02-14 10:32:43 | 新譜CD情報

 

<新譜CD情報>

 

~金 聖響&神奈川フィルのマーラー:交響曲第10番~

マーラー:交響曲第10番(クック版)

指揮:金 聖響

管弦楽:神奈川フィルハーモニー管弦楽団

録音:2013年2月、横浜みなとみらいホール

CD:オクタヴィア・レコード OVCX‐00073

 指揮の金 聖響は、大阪府池田市出身。ボストン大学、ニューイングランド音楽院大学、ウィーン国立音楽大学で学ぶ。1998年ニコライ・マルコ国際指揮者コンクール優勝。2009年神奈川フィルハーモニー管弦楽団常任指揮者、同年12月オーケストラ・アンサンブル金沢アーティスティック・パートナーに就任。2010年フランダース交響楽団(ベルギー)首席指揮者に就任。このCDは、2010年から金聖響と神奈川フィルハーモニー管弦楽団が全精力を挙げて取り組んでいるマーラー・シリーズの第3弾。

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◇クラシック音楽◇コンサート情報

2014-02-13 15:34:46 | コンサート情報

 

<コンサート情報>

 

~スイス・ロマンド管弦楽団の首席客演指揮者に就任した山田和樹指揮読売日本交響楽団~

ベートーヴェン:交響曲第3番 「英雄」
R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」

指揮:山田和樹

管弦楽:読売日本交響楽団

会場:東京芸術劇場コンサートホール

日時:2014年02月27日 (木) 午後7時

 指揮の山田和樹(1979年生まれ)は、神奈川県出身。東京芸術大学音楽学部指揮科で学び、芸大在学中に芸大生有志オーケストラ「TOMATOフィルハーモニー管弦楽団」(2006年より「横浜シンフォニエッタ」に改称)を結成し、音楽監督に就任した。2009年若手指揮者の登竜門として名高いブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。2010年より2012年までNHK交響楽団副指揮者を務めた。2012年のシーズンからは、スイス・ロマンド管弦楽団の首席客演指揮者、日本フィルハーモニー交響楽団の正指揮者、仙台フィルハーモニー管弦楽団のミュージックパートナーに就任。2012年文化庁芸術祭賞新人賞(音楽部門)受賞現在、ドイツベルリン在住。

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