ラットは今日も、きみのために。

マウスも研究者も頑張っています。
医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

木イチゴ、甘くみないで 香り成分塗って育毛・美肌効果=名古屋市立大大

2008年03月16日 | 食品・栄養

 ケーキやフランス料理のデザートに使われる木イチゴの香りのもととなる化学成分「ラズベリーケトン」に、育毛と美肌効果があることが、名古屋市立大大学院医学研究科の岡嶋研二教授、原田直明准教授らのグループの研究で分かった。成果は米科学誌「成長ホルモンとIGF研究」(電子版)に掲載された。

 岡嶋教授らは、ラズベリーケトンを生理食塩水などで薄めて、毛をそったマウスの皮膚に4週間塗り続けたところ、毛の成長促進作用があることを確認した。このデータを基に、10人の薄毛の人に毎晩1回5カ月間、頭皮にラズベリーケトンを塗り続けると、男性型脱毛症の男性4人と円形脱毛症の女性1人で、明らかに増毛が確認できた。

 また、5人の女性の顔にラズベリーケトンを毎晩1回、2週間塗ってもらい、塗り始めた前後で、引っ張った肌がどの程度戻るかで肌の弾力性を調べたところ、個人差はあったものの、平均すると塗った後の弾力性が明らかに増した。

 岡嶋教授らのこれまでの研究で、トウガラシの辛み成分である「カプサイシン」に知覚神経を刺激し皮膚の衰えを防ぎ、育毛させる効果があることが分かっていた。

 今回、ラズベリーケトンがカプサイシンに化学構造が似ていることに着目。ラズベリーケトンにもカプサイシンと同様に、知覚神経の刺激により髪の毛のもととなる毛母細胞を活性化させたり、細胞の老化を防いだりするタンパク質「インスリン様成長因子-I」の生成を促進させる作用があることを確認した。

 岡嶋教授は「ラズベリーケトンは甘い香りで、化粧品やサプリメントに応用できそうだ」と話している。

[中日新聞 / 2008年03月16日]
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008031602095739.html

毛を剃られたマウスちゃんたちと、有志の被験者さんたち、ごくろうさまでした。そのうちちゃんとした機序も解明されるようになると良いですね。

女王蜂になるのはなぜ ロイヤルゼリーが遺伝子を調整?=オーストラリア国立大学

2008年03月16日 | 生きもの色々
 ミツバチの特定の幼虫が女王蜂に育つのは、餌のロイヤルゼリーが遺伝子の働きを調節するためらしい――。こんな可能性を強く示唆する研究成果を、オーストラリア国立大のグループが米科学誌サイエンス電子版に発表した。

 ミツバチの働き蜂と女王蜂はどちらも雌。DNAの遺伝情報では差がないのに、なぜ体や役割に違いができるのかは大きな謎だ。女王蜂となる幼虫に餌として与えられるロイヤルゼリーを別の幼虫に与え続けると、やはり女王蜂になることから、ロイヤルゼリーがカギを握ると考えられてきたが、具体的な働きはわかっていなかった。

 グループは、DNAを化学的に変化させて遺伝子の働き方に違いを生むDNAメチル化という現象に着目。ミツバチの幼虫でメチル化を妨げる操作をすると、卵巣が大きくなるなど女王蜂のような体の発達を示すことを見つけた。

 栄養条件によりDNAメチル化などを介して遺伝子の働き方に変化が起こることが近年、哺乳(ほにゅう)類などで報告されている。このためグループは、ミツバチではロイヤルゼリーの摂取がメチル化を抑えるような効果と結びついていると推定した。

 ミツバチを研究する佐々木哲彦・玉川大准教授(分子生物学)は「女王蜂と働き蜂の分化には遺伝子の調節が関係すると考えられてきた。それを実験的に示唆した結果で興味深い。ロイヤルゼリーの摂取とDNAメチル化を直接結びつける研究ではないが、今後の進展が期待できると思う」と言っている。

[朝日新聞 / 2008年03月16日]
http://www.asahi.com/science/update/0316/TKY200803160121.html

アナフィラキシーショック:白血球「好塩基球」が原因=東京医科歯科大学

2008年03月16日 | 免疫
 ハチ刺されや食べ物が原因で起きる急性アレルギー反応「アナフィラキシーショック」の新たな発症メカニズムを、烏山一・東京医科歯科大教授(免疫アレルギー学)らが突き止めた。白血球の一種の「好塩基球」が活性化することで、ショックが起きていた。予防法などの開発につながる成果で、米医学誌「イミュニティ」電子版に13日掲載された。

 烏山教授らは、アトピー性皮膚炎など慢性アレルギー反応の引き金となる好塩基球に着目した。抗生物質のペニシリンでアナフィラキシーショックを起こすマウスから好塩基球を除去すると、ペニシリンを投与してもショックを起こさないことを確認した。

 一方、ショックを起こしたマウスの好塩基球を調べると、表面のIgGと呼ばれるたんぱく質(抗体)がアレルゲン(原因物質)と結合し、アレルギー症状を引き起こす血小板活性化因子を放出することが分かった。

 これまで、アナフィラキシーショックは、皮膚や粘膜などの細胞の表面にあるIgEという抗体とアレルゲンが結び付いて起きることが知られていた。

 重症のアナフィラキシーショックを起こした患者は、血液中の血小板活性化因子の濃度が増加しており、従来の発症メカニズムよりもショックの重症度が高い可能性がある。

 烏山教授は「血液中のIgGを調べれば、アナフィラキシーを起こすアレルゲンを事前に判定できるかもしれない」と話している。【大場あい】

[毎日新聞 / 2008年03月14日]
http://mainichi.jp/select/science/news/20080314k0000m040139000c.html?inb=rs

ポリフェノール高機能化の酵素を特定=京都大学

2008年03月16日 | 食品・栄養
 「体に良い」と注目されているポリフェノールの機能を高める植物の酵素を、京都大生存圏研究所の矢崎一史教授(植物分子生物学)らのグループが世界で初めて突き止めた。健康食品や医薬品の開発、生産などに幅広く利用できるという。米学術誌「プラント・フィジオロジー」3月号で発表した。

 ポリフェノールは、茶やワインなどに多く含まれる植物の成分で、抗酸化や抗菌活性がある。枝分かれしたヒゲのような形の五つの炭素の連なり「プレニル基」が結合してプレニル化ポリフェノールになると、活性が数十倍も強くなったり、抗がんや女性ホルモン活性などの新たな機能を得る。しかし、植物には微量しか含まれず、結合のために必要な酵素の正体が分からなかった。

 矢崎教授らは、根が漢方薬「苦参(くじん)」になるマメ科の多年草クララに注目した。クララの細胞内で働いている遺伝子を網羅的に解析し、これまで分かっている酵素の性質などから遺伝子を絞り込み、酵素を作る遺伝子と酵素N8DTを突き止めた。

 酵母に遺伝子を組み込んでN8DTを作り、酵素として機能することを確認した。N8DTは限られた種類のポリフェノールで働くが、他の種類で働く可能性のある候補遺伝子も複数見つかり、今後機能を確認する。

 酵素が見つかったことで、さまざまな機能を持つプレニル化ポリフェノールの開発と生産に道が開けた。抗がんや老化防止などの医薬品や機能性食品のほか、耐性菌を殺す薬剤、病気に強い植物や木の開発なども期待できるという。

[京都新聞 / 2008年03月15日]
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008031500031

「1リットルの涙」の難病、遺伝子治療で改善=群馬大学

2008年03月14日 | 医療技術
 群馬大大学院医学系研究科の平井宏和教授(43)は14日、難病の脊髄(せきずい)小脳変性症を、遺伝子治療で改善するマウス実験に成功したと発表した。

 研究成果は、専門誌「欧州分子生物学機構機関誌」のネット版で公開される。この病気にかかると、脊髄や小脳の神経細胞が徐々に破壊され、歩行などが困難になる。根治療法は見つかっていない。平井教授は今後、サルを使った実験に取り組み、患者への応用を探るという。

 平井教授は3年前に、HIVウイルスから病原性を除去したベクター(遺伝子の運び屋)を作製。昨春、このベクターに「CRAG」と呼ばれる治療用の遺伝子を組み込んで、同変性症を発症させた生後21~25日のマウスの小脳に注入したところ、よろよろしたり転んだりしていたマウスが約2か月後には正常に歩けるほど回復したという。

 同変性症は、遺伝が原因の場合、神経細胞内に毒性のあるたんぱく質の塊が蓄積して発症すると考えられている。「CRAG」には塊を溶かす働きがあることが、培養細胞を使った実験ですでに確認されていた。しかし、生体細胞に注入する方法が確立されておらず、今回の研究で初めて、生体での効果が確認された。

 平井教授の話「サルでの実験は治療用遺伝子の量を増やせばうまくいくと思う。ベクターの安全性が確認されれば、人の臨床試験も行いたい」

 ◆脊髄小脳変性症◆ 患者の4割は遺伝性とされるが、それ以外は原因不明の神経疾患。歩行がふらつく、話すとき舌がもつれるなどの運動失調が主な症状で10、20年という長い期間をかけて進行する。国内の患者は約2万人。実在の女性患者の日記を基にした「1リットルの涙」はテレビドラマや映画にもなった。

[読売新聞 / 2008年03月14日]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080314-OYT1T00499.htm

ES細胞使って腎臓・膵臓再生=東京大学

2008年03月14日 | 遺伝子組替マウス
 東京大の中内啓光教授のグループが万能細胞の一種である胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を使い、腎臓や膵臓(すい・ぞう)をつくる遺伝子を欠いたマウスの受精卵から、こうした臓器をもつマウスをつくることに成功した。受精卵にES細胞を注入したら臓器がまるごと再生された。将来の人間の臓器づくりの手法開発の足がかりになりそうだ。13日からの日本再生医療学会で発表する。

 中内教授らは遺伝子操作で腎臓がないマウスをつくった。このマウスの受精卵が細胞分裂を始めた初期の段階で、正常なマウスのES細胞を注入し、子宮に戻した。

 すると、生まれたマウスにはちゃんと腎臓ができていた。調べたら、注入したES細胞から腎臓ができたことがわかった。この腎臓が機能して、尿がつくられ、ぼうこうにたまっていくことも確かめた。

 同様の手法で膵臓も再生できた。血糖値の変化から、膵臓もほぼ正常に働いているとみられた。

 この成果を受けて、グループは新年度、サルの膵臓をブタの体内で再生させる研究を始める。

 中内教授は「狙った臓器を、体の中で発生の過程をたどって再生できたことが大きい。臨床応用につながるよう研究を進めていきたい」と話す。

[朝日新聞 / 2008年03月13日]
http://www.asahi.com/science/update/0312/TKY200803120249.html

幹細胞を移植し心筋再生、ブタを使った実験に成功=京都大学

2008年03月14日 | 再生医療
 人の心筋にわずかに含まれる幹細胞を取り出し、心筋梗塞(こうそく)を起こしたブタに移植して心臓の機能の一部を回復させる実験に、京都大の王英正准教授(心筋再生医学)のチームが成功した。名古屋市で開催の日本再生医療学会で14日、発表する。

 チームはマウスで同様の実験をしているが、今回は手法を改良し、人により近い条件で成功させた。臨床応用では患者本人の幹細胞を移植に使うのを想定。王准教授は「最も実用に近く、安全な手法だ」と話している。

 王准教授らは平成17年、心筋組織に高い能力を持つ幹細胞が1万分の1の割合で含まれているのを発見している。

 今回は患者1人から提供を受けた心筋組織から幹細胞を採取して1カ月かけて培養。血流を妨げて心筋梗塞を引き起こしたブタの患部に幹細胞を注射後、血管や細胞の成長を促す薬剤を含むゼラチンで覆った。4週間後に調べると、患部面積の8%で心筋が再生し、心臓の収縮機能が10~12%回復したという。

 王准教授は「iPS細胞や胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を使う手法も考えられるが、現時点では安全性などに課題が多い」と指摘している。
 
[産経ニュース / 2008年03月13日]
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080313/acd0803132329012-n1.htm

難病「ALS」の進行を抑制=東北大学

2008年03月14日 | ラット
 運動神経が死んで全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病、筋委縮性側索硬化症(ALS)になったラットの脊髄(せきずい)に、神経細胞を増やす働きがある物質を投与し病気の進行を抑える実験に、青木正志東北大講師(神経内科)らの研究チームが13日までに成功した。名古屋市で開催の日本再生医療学会で14日、発表する。

 サルの実験でも同様の効果が出始めており、引き続き効果と安全性が確認されれば、少数の患者を対象にした臨床試験を来春にも始める計画。

 チームは、神経を含む多様な細胞を増やす働きがある肝細胞増殖因子(HGF)という物質の働きで、脊髄の細胞死を抑制したり、神経のもとになる「前駆細胞」が神経に成長するのを促進するのではないかとみている。

[産経ニュース / 2008年03月13日]
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/080313/acd0803130853004-n1.htm

乳がん悪化のカギ遺伝子を発見=カリフォルニア大学ローレンス・バークリー国立研究所

2008年03月13日 | 遺伝子組替マウス
 乳がんが悪性化する時に決定的な役割を果たす遺伝子を米カリフォルニア大ローレンス・バークリー国立研究所の厚井(こうい)重松輝美上級研究員らのグループが見つけた。13日付の英科学誌ネイチャーに発表する。この遺伝子はギャングのボスのように多数の遺伝子の働きを変え、がん細胞の増殖と転移を促す。乳がんの悪性度の診断法や治療法の開発につながりそうだ。

 グループは、転移した乳がん細胞で働いているSATB1という遺伝子に注目。SATB1が活発に働くと、患者の生存率が下がる傾向があることを見つけた。

 培養した乳がんの細胞でSATB1が働かないようにすると、1000以上の遺伝子の働きが変化し、がん細胞の増殖が抑えられた。マウスのがんではSATB1が働かないようにすると増殖や転移が抑えられ、働くようにすると転移が増えた。SATB1はゲノムの構造を変えて、多数の遺伝子のスイッチを切り替えているらしい。

 「1個の遺伝子が乳がんの転移を決めている可能性がある。この遺伝子を標的にした治療法が考えられるだろう」と厚井重松さん。

[朝日新聞 / 2008年03月13日]
http://www.asahi.com/health/news/TKY200803120434.html

ES細胞を使って腎臓と膵臓再生=東京大学

2008年03月13日 | 再生医療
 東京大の中内啓光教授のグループが万能細胞の一種である胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を使い、腎臓や膵臓(すい・ぞう)をつくる遺伝子を欠いたマウスの受精卵から、こうした臓器をもつマウスをつくることに成功した。受精卵にES細胞を注入したら臓器がまるごと再生された。将来の人間の臓器づくりの手法開発の足がかりになりそうだ。13日からの日本再生医療学会で発表する。

 中内教授らは遺伝子操作で腎臓がないマウスをつくった。このマウスの受精卵が細胞分裂を始めた初期の段階で、正常なマウスのES細胞を注入し、子宮に戻した。

 すると、生まれたマウスにはちゃんと腎臓ができていた。調べたら、注入したES細胞から腎臓ができたことがわかった。この腎臓が機能して、尿がつくられ、ぼうこうにたまっていくことも確かめた。

 同様の手法で膵臓も再生できた。血糖値の変化から、膵臓もほぼ正常に働いているとみられた。

 この成果を受けて、グループは新年度、サルの膵臓をブタの体内で再生させる研究を始める。

 中内教授は「狙った臓器を、体の中で発生の過程をたどって再生できたことが大きい。臨床応用につながるよう研究を進めていきたい」と話す。

[朝日新聞 / 2008年03月13日]
http://www.asahi.com/science/update/0312/TKY200803120249.html

“睡眠不足は肥満のもと”5時間未満だと1・4倍に=日本大学

2008年03月12日 | 生活習慣病
 睡眠時間が短いと肥満や糖尿病などの生活習慣病になりやすいことを、日本大学の兼板佳孝講師(公衆衛生学)らが大規模調査で明らかにし、12日、発表した。

 兼板講師らは、地方公務員2万1693人に、1999年と2006年に睡眠時間などを尋ね、両時点での健康診断データと比較した。

 その結果、いずれの時点でも睡眠時間が5時間未満の場合、5時間以上に比べて肥満の人が約1・4倍であることがわかった。逆に、99年で肥満の人は06年に睡眠時間が短くなっている傾向があり、肥満と短時間睡眠が悪循環の関係になっていることがうかがわれた。

 また、高血糖には睡眠時間が5時間未満の方が約1・3倍なりやすく、99年時点では5時間以上寝ていたのに、06年時点で5時間未満に睡眠時間が減少した人は、中性脂肪の数値が高い状態に約1・4倍なりやすいことがわかった。

 兼板講師は「生活習慣病の予防に向け、食事や運動などだけでなく睡眠も重視していく必要がある」と話している。

[読売新聞 / 2008年03月12日]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080312-OYT1T00590.htm

体内時計:藻類で遺伝子発見、世界初=名古屋大学

2008年03月12日 | 生きもの色々
 藻類の体内時計を構成する時計遺伝子の存在を、名古屋大遺伝子実験施設の石浦正寛教授らの研究グループが発見した。体内時計はほぼすべての生物が持つ生活リズムで、睡眠や細胞分裂などの時間をコントロールしている。時計遺伝子はこれまで動物、高等植物、菌類などで見つかっているが、藻類での確認は世界初という。11日発行の米科学誌「Genes&Development」(電子版)に発表した。

 石浦教授らは単細胞性の緑藻の一種で池や川に生息する「クラミドモナス」(直径約10マイクロメートル)に、ホタルの発光遺伝子を注入。体内時計の働きで細胞内の葉緑体が光る個体を多数作り、発光周期などを観察した。このうち周期に乱れのあった100余りの個体の遺伝子を解析し、乱れの原因となり、時計を構成すると思われる遺伝子6個を特定した。

 これまで見つかった動物、植物、菌類などの時計遺伝子間には共通性がなく、体内時計がどのように進化してきたのかは謎だった。今回発見した6個の遺伝子のうち、3個は植物の時計遺伝子と似ている部分があるといい、研究グループは「進化を解明する手がかりになる」と期待している。【安達一正】

[毎日新聞 / 2008年03月11日]
http://www.mainichi.jp/select/science/news/20080311k0000e040021000c.html

ネコを飼うと心臓発作を起こす確率が減少する=ミネソタ州立大学

2008年03月11日 | 心のしくみ
【Technobahn 2008/3/11 12:50】4300名を対象とした10年間に渡る統計調査の結果、ネコを飼っているいる人は心臓発作を起こす可能性がそうでない人に比べて3分の1も減少していることが米研究機関の調査により判明した。

 この調査を行ったのは米ミネソタ大学心臓病研究所(Minnesota Stroke Institute at the University of Minnesota)のアドナン・クレシ(Adnan Qureshi)博士を中心とする研究グループ。

 研究グループは30歳から75歳までの4435名の米国人を対象にして、ペットの有無と病気の発生の間に因果関係はあるのか、統計調査を実施。その結果、ネコを飼っている人に関してのみ、心臓発作を起こす可能性がそうでない人に対して3分の1も減少していることが判ったとしている。

 研究グループでは心臓疾患の場合、長期間に渡る精神的ストレスが血管に悪影響を及ぼし、それが原因の一つとなって心臓発作などに至ることが知られている、とした上で、ネコなどもペットを飼うことによって精神的ストレスが解消されるなどの良い影響を人に与えてきたことが、今回の結果につながったのではないか、と述べている。

 その上で、ネコなどのペットを飼うことは安上がりの心臓病予防につながると結論付けている。

 ただし、犬を飼っている人は飼っていない人に対して明確な心臓疾患発症率の減少の結果は見られなかったとも述べており、他のペット動物の効果に関しては今のところ不明だ。

 研究グループの発表は米国心臓疾患予防協会(American Stroke Association)の会合で発表されたものとなる。

[TechnoBahn / 2008年03月11日]
http://www.technobahn.com/news/2008/200803111250.html

大豆食品の定期摂取で乳がん発症リスク低下=米国、国立がんセンター

2008年03月11日 | 食品・栄養
【3月11日 AFP】大豆食品を定期的に食べている女性は乳がんにかかるリスクが低いとする研究が7日、米科学雑誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー(Journal of Clinical Oncology)」に発表された。

 国立がんセンターが政府の出資により行ったこの研究によると、大豆などに含まれるイソフラボン化合物「ゲニステイン」の血中濃度が高い女性は低い女性より乳がんの発症率が低いという。

 研究では全国の40-69歳の女性約2万5000人を平均10年半にわたり追跡調査した。乳がんを発症した女性144人と発症していない女性288人の血液サンプルを比較し、ゲニステイン濃度と乳がん発症リスクの関連性を調査した。

 その結果、ゲニステイン濃度が最も高かったグループの乳がん発症リスクは、濃度が最も低かったグループの3分の1だったことが分かった。最も高かったグループの1日当たりのゲニステイン摂取量は、豆腐100グラムまたは納豆50グラムに相当する分量だった。

 なお同研究では、サプリメントなどによりゲニステインその他のイソフラボン化合物を過剰に摂取すると、乳がんリスクが高まる可能性があることも分かっている。

 研究チームの岩崎基(Motoki Iwasaki)国立がんセンター室長は、研究結果は通常の食事時のイソフラボンの摂取に限ったものであるため、食事の際の摂取には問題ないとしている。

 最近の別の研究では、大豆製品を中心にした食事をしている高齢女性は心臓病のリスクが低いとの結果が出ている。

 一方、英国では、アスピリンのような製薬を定期的に摂取すると、乳がんの発症リスクが大幅に下がる可能性があるとの研究が発表されている。(c)AFP

[AFP BB News / 2008年03月11日]
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2362347/2720629

生プラ分解:微生物を発見 ごみ減量化に期待=農業環境技術研究所

2008年03月10日 | 生きもの色々
 自然界で分解される生分解性プラスチック(生プラ)を強力に分解する微生物をイネの葉から発見したと、農業環境技術研究所(茨城県つくば市)などが10日、発表した。プラスチックごみの減量化が期待できるという。

 研究チームは、生プラの構造が植物の葉の表面の構造に似ていることから、表面に付着して葉を分解する性質がある微生物の中に、生プラを分解できるものがあるのではないかと調査。イネなどの葉を洗浄した液から、生プラを溶かす酵母を発見した。

 比較的分解しやすいポリブチレンサクシネートアジピン酸(PBSA)でできた農業用マルチフィルムは、土中にすき込むと1カ月ほどで分解が始まるが、発見した酵母を入れたパレット上では早いものだと3日程度で分解されたという。また、分解しにくいポリ乳酸も常温で分解することができた。

 同研究所生物生態機能研究領域の北本宏子主任研究員は「使っている間は分解せず、使用後にすみやかに分解させるなどコントロールが可能になる」と話している。【石塚孝志】

[毎日新聞 / 2008年03月10日]
http://mainichi.jp/select/today/news/20080311k0000m040099000c.html