ラットは今日も、きみのために。

マウスも研究者も頑張っています。
医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

ネズミにも“道具”の概念=理化学研究所

2008年03月26日 | 心のしくみ
 高度な脳機能をもつ人間やサルなどだけでなく、ネズミにも道具を使う能力があることを、理化学研究所の研究グループが突き止めた。

 げっ歯類が道具を使うことが確認されたのは初めて。脳の発達や進化を解明する手がかりになるという。26日付の米科学誌「PLoS ONE」に掲載された。

 この道具を使うネズミは、モルモットの仲間で南米チリ原産の「デグー」。もともと後ろ足で直立して前足を器用に使う特徴がある。

 理研脳科学総合研究センターの入来篤史チームリーダーらは、生後半年~1年のデグー6匹を使い、手の届かない場所に好物のヒマワリの種を置き、さらに小さなくま手も与えて行動を観察した。その結果、くま手を引き寄せただけで種を取れる場合は、1日もすると上手に引き寄せるようになった。

 くま手の向きを変えたりする工夫が必要なときでも、2か月以内に6匹すべてが種を取れるまでに習熟。おなじ複雑な動作でもサーカスで芸を教え込むようなケースとは異なり、くま手を自ら道具と認識して目的達成に役立てていることが確認された。

[読売新聞 / 2008年03月26日]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080326-OYT1T00420.htm

理化学研究所 プレスリリース
ネズミの一種“デグー”を訓練して道具機能を理解させることに成功
- 脳の高次認知機能を研究するための新たな実験モデルを確立 -
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2008/080326/index.html
リリース本文
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2008/080326/detail.html



…インターネットするネズミもここにいますよ、なんてね^^
理研の脳科学総合研究センターの新しいセンター長に利根川進さんも来られるそうですし(1987年ノーベル生理学・医学賞受賞。現在、マサチューセッツ工科大学教授)。まだまだ脳科学の分野って面白いことがいっぱい解き明かされてくるような気がしますね。楽しみです。
ところでどうして実験対象がテグーなのでしょう?ハムスターも同じ位食いしん坊だけど餌をゲットするためならきっと同じようなトレーニングも出来るような気がしたのですが(ラットなら体も脳も大きいからもっと楽勝だよ?とか思ったり)。

細胞の繊毛ができる仕組み解明=大阪バイオサイエンス研究所

2008年03月26日 | 蛋白質
 細胞の表面に生えている繊毛が形作られる仕組みを、大阪バイオサイエンス研究所と米ハーバード大の研究グループが明らかにした。繊毛ができないために、目の網膜色素変性症がおきたり、腎臓に多発性の嚢胞(のうほう)ができたりすることが知られており、病気の解明につながる可能性がある。英科学誌ネイチャー・セル・バイオロジー(電子版)に掲載した。

 繊毛は細胞1個に1~数十本あり、長さは0.001~0.01ミリ。目の細胞は光、鼻の細胞はにおいを感じるなど、アンテナの役目をしている。

 大阪バイオサイエンス研究所の大森義裕研究員(発生生物学)らは、繊毛に異常のある熱帯魚ゼブラフィッシュを使い、繊毛の形成に必要な遺伝子を特定した。その遺伝子からできるたんぱく質を「エリプサ」と名付け、酵母菌で役割を調べた。細胞内でつくられた繊毛の材料のたんぱく質は、別のたんぱく質と結びつき、細胞内を移動。繊毛の根元でエリプサと結びつき、繊毛の先端部に運ばれることがわかった。

 エリプサに相当するたんぱく質は人にもあり、大森研究員は「人にも同様の繊毛形成の仕組みがあると考えられる」と話している。

[朝日新聞 / 2008年03月26日]
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200803260070.html


納豆食べれば若返る? 動物実験で実証=自治医科大学

2008年03月26日 | 食品・栄養
 納豆製造会社251社で組織する全国納豆協同組合連合会は26日、自治医科大学循環器病臨床研究所の早田邦雄・准教授がマウスによる実験で納豆に多く含まれる物質の「ポリアミン」にアンチエイジング(抗老化)機能があることを実証したと発表した。

 ポリアミンはすべての生物の細胞内でアミノ酸から合成される物質で細胞分裂やタンパク合成などの活動に関与している。大豆やシイタケなどのほか、納豆、チーズといった発酵食品に多く含まれている。早田准教授は平成16年にポリアミンが動脈硬化を防ぐことを発見したが、動物実験でアンチエイジング機能もあることをつきとめた。

 高濃度ポリアミンを配合した餌を与えたマウスは、血中のポリアミン濃度が上昇、毛並みはきれいで若々しく、死亡率が低かった。人間もポリアミンを多く含む納豆などを継続して食べると血中のポリアミン濃度が上昇する。早田准教授は、「同じほ乳類の人間に対してもアンチエイジング効果が期待できる」と話している。

 早田准教授は、健康なマウスを飼育条件を同じにして、高濃度のポリアミンを含む餌、市販の餌、ポリアミン濃度の低い餌を与えたマウスを生後50週で比較して、ポリアミンにアンチエイジング機能があることを実証した。早田准教授は「マウスの毛並みは健康と老化の指標になる。マウスの生後50週は人間では中年期に当たる」と指摘した。

 市販の餌にはポリアミンを多く含む大豆かすと大豆油が配合されている。それぞれをミルクカゼインとラードに変えることでポリアミン濃度の低い餌にした。ポリアミン濃度の高い餌は合成したポリアミンを大豆、納豆に含まれる量の2倍を添加した。餌に含まれる他の成分や脂質量は同じにして比較した。

[msn産経ニュース / 2008年03月26日]
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/080326/biz0803261941014-n1.htm

全国納豆協同組合連合会 ホームページ
http://www.710.or.jp/index.html



ん~なんか色々微妙すぎ。「マウスの毛並み」って(笑)
でも納豆をかけた暖かいご飯は大好きです。