ラットは今日も、きみのために。

マウスも研究者も頑張っています。
医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

ヘルペス感染の仕組み解明=免疫抑制の受容体を利用=大阪大学

2008年03月21日 | 免疫
 皮膚などにただれを起こし、角膜に感染すると場合によっては視力低下などの重い症状になる単純ヘルペスウイルス(HSV)が、感染する際に細胞の表面の免疫抑制にかかわる受容体(レセプター)を利用していることを大阪大免疫学フロンティア研究センターの荒瀬尚教授(免疫学)らの研究グループが突き止め、米科学誌セルに20日、発表した。
 HSVの国内の年間患者数は約8万人とされ、症状が治まってもウイルスが神経節に潜伏して再発を繰り返すなど、完治が難しい。荒瀬教授は「さらに解明が進めば、感染を防止する治療薬の開発が期待できる」と話している。

[時事ドットコム / 2008年03月21日]
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200803/2008032100032

血中コレステロールを調節できる遺伝子発見=群馬大学

2008年03月21日 | 生きもの色々
 群馬大生体調節研究所の原田彰宏教授(44)らの研究グループは20日、米国、台湾の大学との共同研究で、細胞がコレステロールを取り込む際に働く2つの遺伝子を発見したと発表した。研究成果は欧州学術専門誌「EMBO Journal」電子版に同日付で公開された。血中コレステロール量を調節する新薬開発などで活用できる可能性があるという。

 血中の悪玉コレステロール(LDL)が増えすぎると、高脂血症や動脈硬化など生活習慣病の原因になる。このため、研究グループは、体長約1ミリの線虫という生物(線形動物)の細胞を使って、人間の細胞がLDLを取り込む構造の解明を進めた。

 その結果、線虫と人間が共通して持っている遺伝子「RAB35」と「RME-4」を発見。細胞表面の「LDL受容体」というタンパク質がLDLをとらえ、細胞内に効率良くコレステロールを取り込み再利用することで、血中コレステロールを適切に保っていたことが分かった。

 原田教授らは「血中コレステロールを下げる展望ができた」と話しており、今後、血中コレステロールを調節する研究などに役立てていきたいとしている。

[産経新聞,IZAニュースβ版 / 2008年03月21日]
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/131529/



すごい。
センチュウと同じ遺伝子、同じたんぱく質が自分の体の中で活躍してるということを、頭では知っていたつもりなのに、こうして改めて知らされるとやっぱりびっくり。
栄養過多でコントロール出来ない都会人は病気に‥センチュウ他多くの生命から見たら、なんという贅沢な悩みなのでしょう。
暖かい季節になってきましたから、外に出て少し体を動かしてみましょう。

太陽系外惑星に有機物、生命探しに弾み=NASA

2008年03月21日 | 宇宙へ
 米航空宇宙局(NASA)など米英の研究チームが、地球の生命に不可欠な有機物のうち、最も簡単なメタンを太陽系外の惑星に初めて発見した。20日発行の英科学誌ネイチャーに論文を発表した。この惑星は表面温度が高く、生命が存在するとは考えにくいが、メタンを検出できたことは、太陽系外惑星での生命探しに弾みをつけることになる。

 NASAジェット推進研究所(JPL)のマーク・スウェイン博士らは、こぎつね座の方角にあり、地球から63光年(約600兆キロ)離れたHD189733bという惑星を、NASAのハッブル宇宙望遠鏡で観測。恒星が出す赤外線が、惑星の大気を通過して変化するパターンを調べたところ、メタンが存在することがわかった。

 この惑星は、表面温度は千度程度とみられる。メタンは、地球や火星、木星、土星、土星の衛星タイタンなどに存在する。火星やタイタンのメタンは、生命現象と関連するとの見方もある。

[朝日新聞 / 2008年03月21日]
http://www.asahi.com/science/update/0320/TKY200803200233.html


確証は無いのですが、生命はきっともうずっと前から宇宙全体のいたる所に広がっていてもおかしくないとごく当然に思っています。まだ解明されていない宇宙と生命の関わりについて、少しずつ分かってくるのが楽しみです。今夜は星空を仰いで、大きな月の向こう、星空の彼方にある有機化合物たちの営みに、思いを馳せてみたいと思います。

動物の愛目覚める「春告げホルモン」を発見=名古屋大学

2008年03月21日 | 生きもの色々
 春になると繁殖行動をとる動物たちは、どのように季節の変化を察知するのか? ウズラを調べた名古屋大大学院生命農学研究科の吉村崇・准教授らの研究グループが、日が伸びると甲状腺刺激ホルモン「TSH」の分泌が増え、脳に「春が来た」と伝えることを突き止めた。20日発行の英科学誌ネイチャーで発表した。

 TSHは体温の調節など代謝をコントロールする働きが知られ、脳で果たす役割は解明されていなかった。植物に花を咲かせるホルモンは昨春、別の研究グループによって特定されたが、動物に春を教えるホルモンが見つかったのは初めて。

 鳥類は、繁殖期以外は精巣や卵巣など生殖器をできるだけ小さくして、飛びやすい体を保っている。ウズラのオスは吉村准教授らのこれまでの研究で、春になるとDIO2という遺伝子が活発化して精巣が大きくなることが知られていた。

 そこで、冬を想定して6時間の日照の下で育てたウズラのオスを20時間の日照に延ばし、DIO2よりも早く活発化する遺伝子を探した結果、TSHを作る遺伝子が該当した。脳の「視床下部」にTSHの受容体として働く特別なたんぱく質があることも確認され、人工的に脳にTSHを注射すると、精巣が大きくなることが確かめられた。

 吉村准教授は「次はTSHを作る遺伝子のスイッチを入れる仕組みを解明することが課題。この成果を応用すれば繁殖期を長くするなど、家畜の生産性を上げることも期待できる」と話している。

[朝日新聞 / 2008年03月21日]
http://www.asahi.com/science/update/0319/NGY200803190010.html


初ヒバリ、シジュウカラ、ウグイス‥。巣作り&求愛の歌が野に山に聴こえる季節になりました。季節周期というテーマは、日周期の研究よりも時間もかかり成果も出にくいと思います。まだ知られていないことも多いのではないでしょうか。家畜の生産性なども大切ですが、人の心の状態(季節うつとか)についても何か解明されたら良いなあと思います。