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「あの日、あの時、愛の記憶」(2011年ドイツ映画)

2012年11月29日 | 映画の感想・批評
第二次世界大戦でドイツの非人道的な仕打ちの犠牲となったのはユダヤ人ばかりではない。国内的には障害者や性的少数者もそうだが、他民族ということでは隣国のポーランドが犠牲になっている。おまけに、ポーランドは東に隣接するのが大国ソ連だったので、往復びんたのような目にあった。
 映画はポーランド内の強制収容所に始まる。収容されているのはユダヤ人ばかりでなく、対独レジスタンスに関係するポーランド人もいる。ユダヤ人の女とポーランド人の男が所内で結ばれ、女は妊娠したらしい。男は仲間の手引きで収容所内の非道を告発する重要書類を隠し持って脱走する手はずを整えており、ついでに女を連れて行くのだ。
 まず脱走するまでのスリル。脱走後は、ふたりが無事に逃げ切れるかというスリル。そうして、結局ふたりは離ればなれになったまま終戦を迎え、女はニューヨークで恵まれた家庭を得て幸せそうに暮らし、男はポーランドで作家として活躍している。女は洗濯屋のテレビでインタビューを受ける男に気づき、かれに連絡を取ろうと四苦八苦する。
過去と現在が交互に語られて行くのだが、果たしてふたりは再会を果たせるのか、という興味が湧いてきて、それもまた新たなスリルとなるところに、この映画のおもしろさがある。(ken)

原題:Die verlorene Zeit
監督:アンナ・ジャスティス
脚本:パメラ・カッツ
撮影:セバスチャン・エドシュミット
出演:アリス・ドワイヤー、ダグマー・マンツェル、マテウス・ダミアッキ



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