シネマ見どころ

映画のおもしろさを広くみなさんに知って頂き、少しでも多くの方々に映画館へ足を運んで頂こうという趣旨で立ち上げました。

「そこのみにて光輝く」 (2014年 日本映画)

2015年02月21日 | 映画の感想・批評


 キネマ旬報ベスト1をはじめ、2014年度の各映画賞総なめの感があるこの作品、41歳で自ら命を絶った作家、佐藤泰志氏の小説が原作。監督は三重県伊賀市出身で、大阪芸大の映像学科卒業という経歴を持つ、呉美保(お・みぽ)。「酒井家のしあわせ」「オカンの嫁入り」に続く長編映画3作目の本作で、モントリオール世界映画祭最優秀監督賞受賞。主演は今乗りに乗っている綾野剛とくれば、これはもうぜひとも見なくては!!
 舞台は北海道函館。過去に鉱山で体験した大きな事故の記憶がトラウマになって、定職にもつかず独りアパートで暮らす主人公達夫。パチンコ仲間の拓児に誘われ、拓児の家を訪れた達夫はそこで姉の千夏と出会い、抜き差しならぬ関係へと陥っていく。この拓児一家が置かれた状況がすごい。老いた父親は寝たきりで、不随の身体ながらも性欲だけはしっかり残っていて、妻や娘にそのはけ口を請う。千夏は父親の介護と腐れ縁の中島との生活に疲れ切っていたが、弟とともに現れた達夫に救いを求めるかのように身を委ねる。
 千夏を演じる池脇千鶴のまさに体当たりの演技が見もの。愛を確かめ合うシーンはR-15指定とあって・・・濃厚。かつて北野シネマや京一会館で見たATGの作品を思い出してしまった。綾野剛はそこに映っているだけで観客の目を釘付けにしてしまう強い引力の持ち主。これは天性のものであろうか。夜明けの浜辺でかすかな希望を抱きながら、まぶしい太陽を迎えるラストシーンが頭に焼きつく。
 実はこの作品、2月7日に行われた「第88回キネマ旬報ベスト・テン第1位映画鑑賞会&表彰式」で見る機会を得た。今後京都シネマをはじめ全国の“選ばれた劇場”で凱旋上映の予定。この機会をどうぞお見逃しなく。
(HIRO)

監督:呉 美保
脚本:高田 亮
撮影:
出演:綾野剛、池脇千鶴、菅田将暉、高橋和也、火野正平、伊佐山ひろ子、田村泰二郎


「繕い裁つ人」(2015年日本)

2015年02月11日 | 映画の感想・批評
 池辺葵原作のコミックの映画化。神戸の港を見下ろす坂の上にある洋館に、「南洋装店」という小さな看板がかかっている。祖母の後を継いだ2代目・市江と、彼女の周りに集まる人々との交流を描く、心がほっこりする物語だ。
 市江は祖母の着る人に寄り添う洋服作りを尊敬し、祖母に仕込まれた仕立ての姿勢を頑固なまでに崩さない。そんな市江の作る洋服に惚れ込み、ブランド化してネット販売をと勧める百貨店の外注係の藤井は、足繁く南洋裁店に通う。だが、着る人の顔が見えない服は作りたくないと市江はきっぱりと断る。
 大量生産、大量消費、果ては大量放棄が普通になってしまった現代、藤井は決してそれを当然と思っている人間ではない。むしろ疑問に感じているからこそ、市江の服作りに対する思いに共感するところがある。一針一針丁寧に刺していき、祖母から譲り受けた足踏みミシンをカタカタカタと踏んでいく市江の作る服の魅力をもっと多くの人に知ってほしいという思いなのだ。傷んだら直し、年齢とともに変わる体型に合わせて補修して、一生着られる服をと願う市江。
 美味しいと評判だった店が、YVや雑誌で紹介されどっと客が押し寄せてきて、これまれこだわりの丁寧な手作りから手抜きになり、味が落ちたという話はよく聞く。これはきっと物作りをする人たちと使い手の永遠のジレンマかもしれない。
 市江のストレス解消が坂を下ったところにある喫茶店のチーズケーキというのも神戸らしい。3回、直径15㎝はありそうなケーキを頬張るシーンが出てくるが、現状満足、自信の揺らぎ、新たな決意とその表情で心境の変化を見せる中谷美紀は、やっぱりうまい女優だ。
 現代の私たちの生活の中で「繕う」という言葉は「死語」になりつつあるのではないだろうか。そういえば最近私は何かを繕ったことがあるだろうかと思いながら、映画を見ていた。(久)

監督:三島有紀子
原作:池辺葵
脚本:林民夫
撮影:阿部一孝
出演:中谷美紀、三浦貴大、片桐はいり、黒木華、中尾ミエ、伊武雅刀、余貴美子

2014年度ベストテン発表

2015年02月01日 | BEST
ken:昨年のベストテンを日本映画、外国映画それぞれについてみなさんに発表頂き、コメントをお願いしたい。対象は昨年1年間に封切られた作品で、今年見た場合でも昨年封切りのものは対象とする(注1)。まず久さんからどうぞ。
久:日本映画はあまり見ていなくて6本選ぶのがやっと。1位から6位まで、もうこれ以上見ていないということで、私の場合はどうしようもない状態だった。実際は日本映画ももっと見たような気はする。そんなたくさん見ているわけではないが、昨年見た映画は全部で77本だった。
HIRO:いや、けっこう見ている(笑)。
久:そんな中で今年見た1位の「百円の恋」以外は5本しか入っていなかったという悲しい結果だ(笑)。
ken:ということは70本くらいは外国映画を?
久:そう。ただ、その中に日本と韓国が合作した映画、テノール歌手の話(注2)とかあるのでこれはどちらに入るのかよくわからないが。私は出ている俳優が好きで見に行っただけで映画そのものは特によかったわけではなかった。それで純粋の日本映画ということで6本を選んだ。私としては特にどれが1位ということでもない。上半期ベスト5選出のときは「太秦ライムライト」を1位にしたが、年間では「百円の恋」、「舞妓はレディ」が1,2位となり、6位に「ふしぎな岬の物語」を新たに加えた。本当はどれが1位とも5位ともいえないので評しようもない感じだ。外国映画は、1位が「めぐり逢わせのお弁当」。上半期ベスト5では「あなたを抱きしめる日まで」を1位にしたが、年間では4位に降りて後半見た映画が新たに3本加わった。印象もどうしても後半に見た映画ほど鮮明さが強くなるので、そういうことからも変わってくると思う。いろんな国の映画を見ているが、最近は単独の国の製作ではなくて合作が増えている。1位に挙げた作品もインドが舞台の物語だけれど、インド、フランス、ドイツの合作だ。こうして見るとドイツが合作として入っている映画が多い。2位に挙げた「シャトーブリアンからの手紙」もドイツとフランスの合作だし、3位の「リスボンに誘われて」もドイツ、スイス、ポルトガルの合作だ。「悪童日記」もドイツとハンガリー。このようにドイツが関わっている映画を去年はたくさん見ているのだなと改めて思った。
ken:個別の感想は?
久:1位については、昨年はインドに関わる映画をほかにも「きっと、うまくいく」「マダム・イン・ニューヨーク」を見ており、いずれもよかったが、3本の中では一番「めぐり合わせのお弁当」がよかった。主人公の女性の生き方というか、徐々に変わって行くところがおもしろかった。「シャトーブリアンの手紙」は去年1位に挙げた「アンナ・ハーレント」の監督と、この映画の監督が夫婦である(注3)。
HIRO:あ、そうなんだ。
久:舞台は題名からわかるとおりフランスで、戦後70年がたつ中で反省とか、そういうことで映画を作り続けていることとか、すごいなあと思った。それから「リスボンに誘われて」は久しぶりにジェレミー・アイアンズが出ていて、大学の先生(アイアンズ)がある日自殺しようとする女の子を助けて、彼女が落としていった本というのがポルトガルの反政府運動をしていた若者の手記みたいなもので、そのページに乗車券が挟んであって、先生は彼女を追いかけてスイスのその駅まで行くんだけれど結局見つからなくて、そのチケットで自分が乗ってリスボンまで行ってしまう。その間にその手記を読んで行くうちに書いている本人のことを調べたくなる。それで、その遺族、妹とか、友だちとかそういう人たちを訪ねて行くのが、すごくよかった。
HIRO:題名からして誘われそうだ。
久:ポルトガルの歴史とか、私たちはあまり知らないが、そういうことを抜きにしても、あの時代を生きた若者たちの気持ちとか恋愛とかそういうことを絡めて、おもしろかった。
HIRO:もう上映していないのか?
久:上映は終わった。
ken:去年の秋ごろだったような・・・
久:そうだ。秋ごろだった。
HIRO:もう見るならDVDでしか見られない。京都シネマで見た?
久:京都シネマで。私のベストテンのほとんどは京都シネマで見た。去年、シニア料金が1100円に値上がりして、私はプレミア会員だから900円なのでどうしても京都シネマで見る(笑)。年金生活者にとっては・・・(笑)。
HIRO:今もいいの上映しているね、「百円の恋」。
久:そう。キネマ旬報ベストテンに入っている(注4)。京都での公開は遅いから。
HIRO:「百円の恋」はなぜ百円なのか、と。
久:安藤サクラのアルバイト先のコンビニへボクサー志望の男がやって来て百円のバナナを6束買って千円札出すのだけれど、彼女がお釣りを渡し損ねて落としてしまい、落っこちた百円を拾って渡すと、かれがそれをごまかして百円足りないという。それで、彼女がまたレジから百円出して渡す。結局、百円は返してくれるのだが、そこから始まったみたいな。
HIRO:なるほど。ブルー・リボン賞は安藤サクラだった(注5)。
ken:「百円の恋」は脚本(足立紳)を読んだが非常におもしろかった。安藤サクラ主演、姉の安藤桃子監督「0.5ミリ」も京都シネマで上映していて見に行こうと思ったら、京都シネマのホームページに連日混み合っていますと書いてあるから、すいてから見に行こうと思って、そのうちキネマ旬報ベストテンの2位に選出されたのできっと延長されると思っていたら、突然上映終了で見逃してしまった。あれはひどいと思った(笑)。安藤サクラ、いま一番油がのりきっている。
久:安藤サクラって美人でもないが、すごく個性があるというか、味があるというか、かえって美人じゃないところがよかったのでは。
HIRO:それは見なければいけない。
ken:それではHIROさん、どうぞ。
HIRO:日本映画の1~3位は上半期に入れた作品で、4位が「太秦ライムライト」。久さんの1位だが、京都ならではのチャンバラがどのように作られていったのかよくわかったし、傍役が初めて主役になったというのがいい。それから、このおじさんどこかで見たことがあるんですよね、知らない人だったが。剣の使い方など、あれが昔の殺陣の形かと、そういうのを教えられた。6位が「舞妓はレディ」。これはかなり期待して見た。京都をうまく売っているなというか、印象づける作品になっていた。ああ、ここは「マイ・フェア・レディ」のあの場面だというような両者の結びつきが分かって楽しかった。もう少し盛り上げて欲しかったが(笑)。続いて「紙の月」。キネマ旬報賞で助演男優賞をとった池松壮亮がもうちょっと魅力的だといいのだけれど、こんな若い大学生にそこまで貢ぐかという、その印象が初めにあって上位には行かなかった。しかし、宮沢りえがものすごく熱演していて印象に残った。あとは不満が残る作品もあったが、「渇き。」と「ふしぎな岬の物語」を8,9位に入れた。そして10位には続編の期待を込めて「寄生獣」を入れておく。外国映画の1位は「インターステラー」にした。「2001年宇宙の旅」みたいな高尚な宇宙映画という感じがして、将来そういう世の中が来るのかなと思った。実はきのう小学校のクラブ活動で液体窒素の実験をしてマイナス200度の世界を体感。一瞬で花が凍ってびっくりした。映画では凍らせて何十年か生命を維持して若い状態で蘇生させたりするのが不思議に思ったが、きのうの実験で可能なのだということを知って、よく出来ているなと感じた。金魚でも一瞬凍ってしまい、また元に戻すと生き返る。将来、時代が進めばもっと大きな生命体でも可能だと感じさせる映画だった。2位は「フューリー」。戦い慣れない若い兵士、最後に彼だけが生き延びるのだが、ブラッド・ピットが熱演していて、ああいう指揮官ならついていけるなという感じで予想以上によかった。「ゴーン・ガール」も妻が最後に生きて戻ってくる。ああ、そういうわけなんだと納得。最初のシーンに戻るんですね。髪の毛を撫でている場面。喉をかき切るという女とこの先も付き合って行かなければならないというところにもの凄く恐ろしさを覚えた。5位は「マダム・イン・ニューヨーク」で、インドでも英語が重要視されているというところがよくわかった。英語学校に通って段々英語が上手になるんだけれど、最後に飛行機の中で英語でヒンズー語の新聞を頼むところが痛快だった。やっぱり自分の国を大切にしているんですね。6位は「イコライザー」。えげつなく人を殺す。なんと19秒で5人も!ちょっと世の中からはみ出てしまった女の子のために頑張る、デンゼル・ワシントンがカッコよかった。次は「王の涙」。韓国映画だ。どろどろしているというか、ドラマチックで、今の日本映画に欠けている部分が韓国映画にはあるとうことが再認識できた。大垣で見たが、がらがらなのではと思っていたら、年配の女性陣でいっぱいでびっくり(笑)。あと「トム・アット・ザ・ファーム」もよかった。仲良く付き合っていた人が亡くなるんだけれど、故人の実家へ行って、自分がゲイだということを最後まで明かさないで雰囲気だけで匂わせるところが、森の中の湿気がいっぱいの中で撮影された空気とマッチして、とても印象に残った。トム・クルーズががんばった「オール・ユー・ニード・イズ・キル」と、ピーチパイが忘れられない「とらわれて夏」も入れておこう。以上です。
ken:さて私だが、日本映画のベストワンは「そこのみにて光輝く」。これはもう揺るがないというか、非常に重たいテーマだが、しっかりした作りで、みごとな出来だった。上半期のベスト5で挙げた作品以外では3位が「紙の月」。これはHIROさんの感想とは反対に池松壮亮がよかった。若手の男優の中では「そこのみにて光輝く」に出ていた菅田将暉と、この池松にとくに注目していて、なかなかうまい。それに少し前の銀行なら可能だった犯罪だと思った。
久、HIRO:なるほど、銀行OBの感想として(笑)。
ken:それもある(笑)。脚本家(早船歌江子)いわく、原作は不倫が本筋だけれど、映画ではサスペンスとして犯罪に軸足を置いて脚色したという。私も実はサスペンスとして見ておもしろかった。あと6位の「舞妓はレディ」はHIROさんのいうとおり「マイ・フェア・レディ」をうまくパロっていて純粋に楽しめた。「渇き。」は賛否両論ある映画だが私はおもしろかった。「超高速!参勤交代」か「WOOD JOB!」、どちらを入れようかと迷って「参勤交代」にした。これも娯楽映画としてよくできている。最後の「私の男」は1位の「そこのみにて光輝く」同様、きわめて重たい映画だが、近親相姦が前面に出すぎていてそこがちょっと引っかかるというか、10位に置いた理由だ。外国映画はなんといっても「誰よりも狙われた男」が最高におもしろかった。昨年の2月に亡くなったフィリップ・シーモア・ホフマンの主演で、名前からするとドイツ系なのだろう、ドイツの諜報機関のテロ対策班リーダーをやっている。
HIRO:その映画のことは前から知っていたのか?
ken:いや、それがたまたま仕事が休みの日にこれといって見たい映画がなかったので探していたら、浜大津のアレックスシネマにかかっていて、私がひいきにしているホフマン主演で原作が英国のスパイ小説の大家ジョン・ル・カレだというので見に行った。私もこの映画のことは事前には知らなかった。それから2位は「6才のボクが、大人になるまで。」。監督はリチャード・リンクレイターといってアメリカには珍しいタイプの「映画作家」という感じの人。これはもう驚いたというか、6才の男の子と少し上の姉がいて、イーサン・ホークが父親。夫婦が離婚していて母親が親権をもっているので、父親のホークが定期的に子どもに会いに来るという設定で、この男の子が大学に入学する18才までを描いている。6才から18才までの途中もあって12才になり15才になりと順を追って描いていて、アメリカ映画というのはすごいなあ、よくこれだけ姉も弟もよく似た子役を連れて来ると感心した。あとで解説を読んだら、似ているのも当たり前で本人だと知って驚いた。つまり12年かけてこの一家を撮っている。
久:それはほかの俳優も含めて全員を12年かけて撮っているということ?
ken:そのとおり。だから、最初ホークがまだ若い父親として出てくるのだけど、男の子が18才になったときはホークも白髪交じりになっていてうまくメークしていると思ったら、12年経って本当に老けているわけ(笑)。実験的手法というか、それに物語もよかった。男の子が大学進学が決まって高校卒業のホーム・パーティーを開くのだが、親戚や友だちやバイト先の店長とかみんなやって来る。それで、ホークが別れた妻とキッチンでふたりきりになったところで、「子どもたちをここまで立派に育ててくれてありがとう」というところが泣かせた。
HIRO:これ、アカデミー賞にノミネートされていた。
ken:そう。ゴールデングローブ賞では最優秀作品賞をとった。今度、浜大津のアレックスシネマでもやってくれる。
HIRO:それは是非見に行かないと。
ken:3位は「アデル、ブルーは熱い色」。これもすごい映画だった。カンヌで注目を集めたフランス映画だが、女性同士の熱烈な恋愛を描いていて、二部構成と長いながら本当におもしろかった。5位の「悪童日記」も起伏があるおもしろい映画だった。8位の「監視者たち」は香港映画をリメイク(注6)した韓国映画で、オリジナルを見た人にいわせるともっとおもしろかったということだが、黒澤明の「天国と地獄」を思わせるような、捜査官が犯罪者を集団で追うジェットコースター・ムービーだ。あと「トム・アット・ザ・ファーム」は不思議な雰囲気をもった映画だった。最後はやはりイーストウッドの「ジャージー・ボーイズ」にした。「舞妓はレディ」と奇しくも同じ趣向のエンディングで、岸部一徳が踊るのは元ミュージシャンだから驚かないが、クリストファ・ウォーケンが出演者全員と最後に出て来て一緒に歌っている姿がじーんと来た。
久:たしか、ウォーケンもミュージカルの出身では?前にも歌ったり踊ったりしたところを見たことがある。あのトラヴォルタが女装して太った母親役をやった映画で。娘がミュージカルスターを目指していて、ウォーケンが父親の役で踊っていたのでは?(注7)
ken:ああ、何となくわかる。そういえばそうだったか。


(注1)上半期ベスト5はキネマ旬報ベストテン方式で2013年12月から2014年6月までの間に公開された映画を選考対象としたが、年間ベストテンの今回は2014年1月から12月公開の作品を選考対象とした。
(注2)「ザ・テノール 真実の物語」(2014年、キム・サンマン監督、伊勢谷友介主演)
(注3)「シャトーブリアンからの手紙」(2011年)はフォルカー・シュレンドルフ監督。「ハンナ・アーレント」(2012年)はマルガレーテ・フォン・トロッタ監督。このふたりが夫婦。
(注4)第88回(2014年度)キネマ旬報ベストテン第8位
(注5)「0.5ミリ」「百円の恋」に主演した安藤サクラは第57回ブルー・リボン賞、第69回毎日映画コンクールの主演女優賞を受賞した。
(注6)「天使の眼、野獣の街」(2007年、ヤウ・ナイホイ監督の香港映画)のリメイク
(注7)クリストファ・ウォーケンは舞台のミュージカルからキャリアをスタートさせた。ジョン・トラヴォルタと共演したのは「ヘアスプレー」(2007年)。



各自2014年度ベストテン(日本映画は監督名を、外国映画は製作年、製作国と監督名を付した)

久さんのベストテン
【日本映画】
1.百円の恋(武正晴)
2.太秦ライムライト(落合賢)
3.舞妓はレディ(周防正行)
4.超高速!参勤交代(本木克英)
5.小さいおうち(山田洋次)
6.ふしぎな岬の物語(成島出)

【外国映画】
1.めぐり逢わせのお弁当(2013年インド/フランス/ドイツ、リテーシュ・バトラ)
2.シャトーブリアンからの手紙(2011年フランス/ドイツ、フォルカー・シュレンドルフ)
3.リスボンに誘われて(2013年ドイツ/スイス/ポルトガル、ビレ・アウグスト)
4.あなたを抱きしめる日まで(2013年イギリス/フランス、スチーヴン・フリアーズ)
5.悪童日記(2013年ドイツ/ハンガリー、ヤノーシュ・サース)
6.ソウォン 願い(2013年韓国、イ・ジュンイク)
7.鉄くず拾いの物語(2013年ボスニア・ヘルツェゴヴィナ/フランス/スロヴェニア、ダニス・タノヴィチ)
8.世界の果ての通学路(2012年フランス、パスカル・プリッソン)
9.ワン チャンス(2013年イギリス/アメリカ、デヴィッド・フランケル)
10.フォンターナ広場 イタリアの陰謀(2012年イタリア、マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ)


HIROさんのベストテン
【日本映画】
1.WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常(矢口史晴)
2.ぼくたちの家族(石井裕也)
3.太秦ライムライト
4.小さいおうち
5.映画 クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(高橋渉)
6.舞妓はレディ
7.紙の月(吉田大八)
8.渇き。(中島哲也)
9.ふしぎな岬の物語
10. 寄生獣(山崎貴)

【外国映画】
1.インターステラー(2014年アメリカ、クリストファ・ノーラン)
2.フューリー(2014年アメリカ/イギリス/中国、デヴィッド・エアー)
3.ゴーン・ガール(2014年アメリカ、デヴィッド・フィンチャー)
4.ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(2013年アメリカ、アレクサンダー・ペイン)
5.マダム・イン・ニューヨーク(2012年インド、ガウリ・シンディ)
6.イコライザー(2014年アメリカ、アントワン・フークワ)
7.王の涙 イ・サンの決断(2014年韓国、イ・ジェギュ)
8.トム・アット・ザ・ファーム(2013年カナダ/フランス、グザヴィエ・ドラン)
9.オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年アメリカ/カナダ、ダグ・リーマン)
10.とらわれて夏(2013年アメリカ、ジェイソン・ライトマン)


kenのベストテン
【日本映画】
1.そこのみにて光輝く(呉美保)
2.ぼくたちの家族
3.紙の月
4.小さいおうち
5.白ゆき姫殺人事件(中村義洋)
6.舞妓はレディ
7.渇き。
8.愛の渦(三浦大輔)
9.超高速!参勤交代
10.私の男(熊切和嘉)

【外国映画】
1.誰よりも狙われた男(2013年アメリカ/イギリス/ドイツ、アントン・コルベイン)
2.6才のボクが、大人になるまで。(2014年アメリカ、リチャード・リンクレイター)
3.アデル、ブルーは熱い色(2013年フランス、アブデラティフ・ケシシュ)
4.8月の家族たち(2013年アメリカ、ジョン・ウェルズ)
5.悪童日記
6.あなたを抱きしめる日まで
7.罪の手ざわり(2013年中国/日本、ジャ・ジャンクー)
8.監視者たち(2013年韓国、チョ・ウィソク)
9.トム・アット・ザ・ファーム
10.ジャージー・ボーイズ(2014年アメリカ、クリント・イーストウッド)