シネマ見どころ

映画のおもしろさを広くみなさんに知って頂き、少しでも多くの方々に映画館へ足を運んで頂こうという趣旨で立ち上げました。

マリッジ・ストーリー(2019年アメリカ映画)

2020年04月29日 | 映画の感想、批評
 今のアメリカを舞台に、中年カップルの離婚闘争を描いた作品で、先日のアカデミー賞では、作品賞をはじめ主演女優、主演男優、助演女優、脚本、作曲と6部門にノミネートされた。惜しくも、今回は「パラサイト 半地下の家族」に話題を持っていかれたが、私は、本作はもっと注目されてもよいと感じたので、昨年の公開だが、今回、取り上げた。
 女優と舞台監督という立場で知り合い結婚し、子供を一人授かった夫婦が、ニューヨークとロサンゼルスを拠点に仕事をしながら、人生を歩んできた。しかし、結婚生活がうまくいかなくなり、離婚に向かうことを決意するところからこの物語が始まる。最初は、二人で話し合って協議離婚を目指していたが、それもうまくいかなくなり、弁護士を立てての争いに発展してしまうのである。その辺りから、「離婚」というものが、一度は愛し合った二人が痛みを伴いながらも、次の人生をスタートさせるという人間の感情的な部分は排除され、離婚をひとつのビジネスとして捉える人達によって牛耳られ、肝心の二人の気持ちはどこかにいってしまうのである。裁判で勝利を掴み取るにはどうすれば良いのかの1点に集中するのである。その部分は特に今の時代を表していると感じた。お金という物差しで測る、勝ち負けをはっきりさせる最近の風潮であろうか。
 何が正解で、何が間違いか。何事にも「ずばり正解!」を私も自然と求めてしまっているし、世間もそれを追求する時代。効率を優先し、間合いや譲り合いは後回しする。「〇〇ファースト」もその一環だろうか。声が大きい人の意見に皆が偏り、それ以外の存在自体がかき消される。でも、実際の人生はそうではない。分かろうとするが、何か掴めない、そういったモヤモヤした気持ちを抱えながらも、人は走っていく。ラストシーンがそれを示している。少し救われた気持ちになった。決して、ハッピーエンドではない、完璧ではないが、それが人間である。どういう結果が出ようが、お互いに気持ちが吹っ切れて、新しい形を模索する可能性が感じられて良かった。
 賞レースでは、本作で唯一アカデミー賞を獲得したローラ・ダーン(助演女優)は、とても印象に残った。前述の離婚をビジネスに捉える弁護士役で、テンションが高く高圧的で嫌味っぽく話す難しい役柄だが、「こんな人必ず居るね」と感じた。他の助演女優賞候補作をすべて観ていなかったが、獲得の可能性は一番高いのではと思った。賞は逃したが、スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーの微妙な表情や、話し合いながら、徐々に気持ちが高ぶってしまうシーン等も良かった。
 また、1979年米映画「クレイマー、クレイマー」との比較がよく取り上げられていたので、急遽、観なおした。40年前以上の映画なので、時代背景はあるものの、何が夫婦にとって良いのか?何が家族にとって良いのか?何が子供によって良いのか?を問い掛ける意味では同じと感じた。その当時は、まだまだ男尊女卑の意識が色濃く残る時代(多分!)に「離婚」というテーマを性別関係無く取り上げた意味では画期的だったのかもしれない。なので、アカデミー賞作品賞を受賞したのだろう。私は85年頃に観たと記憶しているが、最初の印象は、女性が子供を捨てて出ていくことが衝撃だった。私も男尊女卑の気持ちがあるのかもしれない。それと、変な題名だなという印象だった。原題は、「Kramer vs.Kramer」、クレイマーさんとクレイマーさんとの闘い。その後、この作品は、それまで私が観てきた(数年程度だが)ハッピーエンドのハリウッド映画とは違うなと感じたことが記憶に残っている。今、観なおすと、時代を先取りした映画だったように思う。今回観なおして、テーマ曲の旋律に改めて聞き入ってしまったのと、ファーストシーンのメリル・ストリープの演技と監督の演出には身震いした。
 以下2つの情報は、映画評論家の町山智浩さんの番組で見た内容だが、本作は監督の実体験をベースにした作品とのこと。元妻は「ヘイトフル・エイト」のジェニファー・ジェイソン・リーでその離婚協議の際に、相手側(相手側というのが面白い!)の弁護士だったのが今回のローラ・ダーンが演じた役のモデルだった!真に迫る演技が生まれたのは当然だった?しかも、その彼女は、ブラッド・ピットとアンジョリーナ・ジョリーが離婚調停する際にも弁護士として活躍していたとのこと。ちなみに、そのアンジョリーナ・ジョリーの元夫はビリー・ボブ・ソーントンという人で、ローラ・ダーンの元恋人。ハリウッドは狭い中でくっついたり離れたりしている。何とも複雑。
 また、本作はNetflix配給である。昨年のアカデミー賞受賞(外国語映画賞)「ROMA/ローマ」に続き、「アイリッシュマン」、そして本作とかなりの勢いである。公開対象が広いので、ハリウッド(所謂スタジオ系)より会社規模は大きいらしい。映画が映画館で観る時代が変わろうとしている。最近の新聞記事では、コロナウィルス感染を防ぐため家庭で過ごす人が増え、全世界でかなり契約件数が伸びているそうだ。今は、映画館が厳しい状況だが、コロナ収束後は、ハリウッドにも頑張ってほしい。そういう意味では、授賞式が2月よりもう少し遅かったら、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」が受賞していたかも・・・。
(kenya)

原題:Marriage Story
監督・脚本:ノア・バームバック
撮影:ロビー・ライアン
出演:スカーレット・ヨハンソン、アダム・ドライバー、ローラ・ダーン、アラン・アルダ、レイ・リオッタ他

「雨の午後の降霊祭」(1964年 イギリス映画)

2020年04月22日 | 映画の感想、批評
 英国スリラー・サスペンスの名作として知られるこの映画を最初に見たのは、もうずいぶん昔の自主上映会だったろうか。カルトムービーのひとつとして名高いこの映画は、英国映画の新しい潮流を担ったひとり、ブライアン・フォーブスの代表作だ。フォーブスといえば「キングラット」という捕虜収容所を扱った秀作もあるが、やはり英国伝統のスリラーとして完成度が高いこちらを私は強く推す。今回改めてDVDで見直してみて感心した。
 アクターズ・スタディオ出身のアメリカの舞台女優キム・スタンレーが難役の霊媒師の女性を演じ、のちに巨匠の風格を示す名監督となるリチャード・アッテンボローが製作を兼ねて、その夫役に扮した。
 子どものころから霊能力が備わっているマイラは病弱の夫ビリーとふたり住まいで、霊媒師として定期的に降霊祭を催し、生計をたてている。
 マイラは繊細な神経の持ち主で、いささか精神が不安定な傾向にある。夫はそんな彼女にガラス細工の品物を扱うかのようにこわごわ接している。
 かれらの会話に登場するアーサーという幼くして亡くなったらしい男の子の存在が意味ありげだ。子ども部屋がそのままの状態で残されていて、マイラはアーサーの霊をときどき感じる。妻がアーサーを話題にすると夫がその話題を避けたいような悲痛な表情をするところが、のちに重要な伏線となるのだ。
 マイラは自分の霊能力が正当に評価されてしかるべきだと不満を抱いていて、もっと世に知らしめるために狂言誘拐を計画する。実直そうで気の弱い夫は妻に逆らった例しがないらしく、妻の指示どおり実行犯を担うのである。そうして、裕福な家庭の少女を誘拐してアーサーの部屋に監禁し、身代金目的の誘拐事件と見せかける。
 それが報道されたのを機に、妻が被害者宅に出向き、「私は霊媒師で少女の夢を見た。その居所を言い当てられるかも知れない」と売り込むのだ。むろん、少女の父親はハナから信じず追い払おうとするが、母親はそんな胡散臭い話でも何とかすがろうとするのである。
 後戻りができないところまで来てしまったけれど、いまなら少女を返して知らんぷりできるとビリーはマイラを諭すが、彼女はもはや聞く耳を持たない。ビリーは仕方なく身の代金の受け渡しに出向く。この場面が圧巻で、指定された場所に大金を持って現れる父親、その動向を近くで見守る複数の刑事、受け渡しのタイミングを見計らって右往左往しながら周囲をうかがうビリー。セミドキュメンタリ・タッチの演出が冴え渡り、英国のお家芸であるスリラーの手本となる名場面だ。
 もちろん、計画は思いどおりに行かない。段取りを間違って致命的なミスを犯してしまい、少女も身の代金も無事に返る計画が大きく狂って、ビリーの予期しなかった結末に至ろうとするのである。
 フォーブスのキレのいい演出もさることながら、ふたりの主演男女優の名演がみごとである。(健)

原題:Seance on a Wet Afternoon
監督:ブライアン・フォーブス
脚色:ブライアン・フォーブス
原作:マーク・マクシェーン
撮影:ジェリー・ターピン
出演:キム・スタンレー、リチャード・アッテンボロー、パトリック・マギー、ナネット・ニューマン

新型コロナウィルス感染症の影響で…

2020年04月15日 | 映画の感想・批評
 5月15日は京都三大祭りの一つ「葵祭」の日です。ところが今年は新型コロナウィルスの感染拡大を懸念して中止になりました。昨年末中国武漢市で発症し世界中にあっという間に拡がり、感染者数が200万人に迫り、死者も11万人を超え、京都府も感染者数が200人を超えました。中国の習近平主席の来日が中止となり、東京オリンピックの開催が延期になった途端、日本の感染者数が急激に増え、感染拡大防止のため密閉・密集・密接の「3密」を避け、外出自粛要請が言われるようになりました。

4月7日に政府が発出した「緊急事態宣言」を待つまでもなく、映画を取り巻く状況も変わってきました。3月に入ってから、楽しみにしていた映画の公開延期がどんどん増えてきました。「映画ドラえもん のび太の新恐竜」「ドクター・ドリトル」「ストーリー・オブ・マイライフ」「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」「名探偵コナン 緋色の弾丸」「燃えよ剣」「劇場」「トップガン マーヴェリック」、そして大林宣彦監督の遺作「海辺の映画館 キネマの玉手箱」、その他にも多くの映画が公開延期になっています。

関西では大阪府・兵庫県の映画館は休館中です。京都はまだ「緊急事態宣言」は出ていませんが、映画館はいろいろな対策をしています。いままで発行していた先売り券がなくなり、当日券しか扱っていません。また販売するチケットは座席数の50%を上限とし、必ず隣席を空けるようにし、休憩中はドアを開放したりしています。レイトショーも中止になっています。

そんな中、京都みなみ会館の呼びかけで関西のミニシアターを守ろうというプロジェクトが立ち上がり、Tシャツを販売しているというニュースをTVで見ました。黒地のTシャツで、前にはスクリーンとその下に座席を表した波が数本、白いスクリーンの中には「SAVE OUR LOCAL CINEMAS」と描かれています。後ろにはこのプロジェクトに賛同した映画館名がプリントされています。

烏丸姉小路の新風館に4月16日にオープン予定だった京都アップリング(4スクリーン)の開業も5月21日に延期になりました。

この「シネマ見どころ」は京都・滋賀在住の映画好きが集まってささやかながら映画の楽しみを届けてきました。このような状況で新作を紹介することは難しくなっていますが、工夫しながら続けていきます。早く収束して安心して映画が観られる環境に戻ることを願っています。

疫病除去を祈願する「祇園祭」、今年実施するのか中止するのか、まだ決まっていません。(久)

「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」 (2020年 日本映画)

2020年04月08日 | 映画の感想、批評


 世界中が新型コロナウィルスの脅威にさらされ、ついに我が国でも「緊急事態宣言」が発令されるまでになった。映画館も休業やむなしの感なのだが、そんな中、感染のリスクを負ってまでも見に行きたい映画として話題になっているのが本作「三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実」である。
 三島由紀夫が壮絶な死を遂げて今年でちょうど50年。その1年半前の1969年5月13日、三島は東大駒場キャンパスの900番教室で1000人を超える学生たちとの討論会に出席していた。迎えたのは東大全共闘のメンバーたち。この年の1月には学生たちが占拠していた安田講堂に機動隊が出動。瓦礫と火炎瓶で抵抗した学生たちだったが、催涙弾と放水攻撃を浴びせられ敗北。しかし、自分たちの手で国を変えようとする全共闘運動を再び盛り上げていこうと「東大焚祭委員会」なるものを設立し、その目玉となる討論会に、自分たちとは全く違った政治的思想を持つ、ノーベル文学賞の候補にもあがった世界的文豪を呼び、言葉を使って闘い合おうというのだ。
 まずは、TBSによくぞこの映像が残っていて、目の前で見られるということに感動した。今回企画プロデュースを行ったTBSの関係者たちには本当に感謝したい。この討論会の模様は翌6月に早速「討論 三島由紀夫VS東大全共闘 美と共同体と東大闘争」という本にまとめられ、その全貌が明らかにされたのだが、やはり文章と映像では伝わるものが違う。三島の放つオーラの凄さ、そして当時の学生たちの政治や社会に真剣に向き合う姿がリアルに伝わってくる。最初はどんなバトルが繰り広げられるのだろうと思っていたのだが、会場いっぱいの学生たちは三島の話を意外なほど静かに聞き、変なヤジも飛ばさない。(今の国会とは大違いだ)それどころか、途中から三島のことを「三島先生」と呼んで対応したり、ユーモアのある返答に笑顔で応えたりして、お互いに尊敬の念を持ちながら自分の考えを主張する姿に好感を覚えてしまった。しかしさすがに東大生同士、難解な言葉や概念を用いて高度な哲学や歴史観を滔々と述べる姿には異次元の知性を感じ、偉大な「敵」を論破することに言いようのない快感を味わっているようにも思えた。
 50年を経た今、TBSのプロデューサーから依頼を受けた豊島圭介監督は、4時間近くある当時の映像とともに、元東大全共闘や元楯の会のメンバー、討論の場にいた報道関係者、親交があった人々、三島を論じる文化人たちにインタビューを行い、三島の人物像と各人のその後の生き方に迫る。しなやかに、したたかにこの半世紀を生き抜いた人々もまた、魅力に溢れている。
(HIRO)

監督:豊島圭介
撮影:月永雄太
出演:三島由紀夫、芥正彦、木村修、橋爪大三郎、篠原裕、宮澤章友、原昭弘、平野啓一郎、内田樹、小熊英二、瀬戸内寂聴、椎根和、清水寛、小川邦雄
ナビゲーター:東出昌大

「シェイクスピアの庭」(2018年、イギリス)

2020年04月01日 | 映画の感想、批評
新型コロナウィルス感染予防策を十分に身に着けたうえで、それでもいささかおっかなびっくりで京都シネマへ。この作品への期待度はマックス、小さなホールで満杯だったら、それはそれで嬉しい。でも・・・・このご時世、感染したらシャレにならない!どこまでも自己責任を自覚しながら。なんとも罪作りな新型コロナウィルスである。
作品中の言葉でも語られるが、「疫病は短剣のひと刺しではない、草刈り鎌で薙ぎ払われる如く 数多の死がもたらされるのだ」というセリフは、時代を超えて今に語り掛けてくる。

シェイクスピアが生きた時代も数々の伝染病で劇場は封鎖され、都市の機能は奪われ、そして何よりも多くの命が奪われた。あれから400年。現代の世界は・・・・・


グローブ座の火事を機に、断筆したシェイクスピア(ケネス・ブラナー演)は故郷に20年ぶりに帰って来るが、家族は「あなたは客人、だから最高のベッドでお休みを」と、冷たい対応。400年前も現代の単身赴任のお父さんも変わらないか!妻の側に立てばむべなるかな。「どれほどの名声と富を上げたか知らないが、20年も音沙汰なしでは。」しかも、華麗なる愛の言葉のソネットのモデルであったサウサンプトン卿の訪問を一緒に喜べったって!
文盲の妻は「その陰で私はどれほどつらい思いをしていたと思っているの!」
8歳上の妻アン・ハサウェイ(ジュディ・デンチ演)の恨み節は、思わず「よう言うた!」

サウサンプトン卿(イアン・マッケラン演)とのやり取りも深みがある。たった二人で対峙する意味深なシーンに、ソネット集を読んでいない私でもぞくぞくする。

一貫して、あの時代を彷彿とさせる、室内の暗さ、ろうそくの明かりだけが頼りの、「あなたは今どこにいるの?」と目を凝らしてしまうが、その緊張感も、新鮮。時代の重さを感じさせる。

シェイクスピア家はカトリック、いろいろ宗教がらみの対立も複雑だし、資産を作った義父の遺産の行方も気になる娘婿の清教徒の割には俗っぽさもあって面白い。相続できるのは男子のみ。遺産相続のためには男の子を生まなければならない、当時の相続制度の壁。
長女は文字が読み書きできる。だからなのか、父を客観視でき、寄り添う力があり、家族の気持ちを代弁もできる。そして父はこの長女をスキャンダルから見事に守ってみせる。
しかし、家に残っている次女と妻は文字が書けない、読めない。その苛立ちは胸に迫る。
とくにまだ独身の次女には、屈折した感情が渦巻いている。早世した双子の兄を愛してやまなかった父に、「かわりに私が死ねば良かったと思っているでしょ!」
11歳で疫病で死んだ息子ハムネットはすばらしい詩を書いていたという。
しかし、息子の死の真相と、詩を書いたのは本当は誰なのか。

「私の死後、妻には2番目に良いベッドを!」という遺言は、夫婦仲の悪さの証拠として有名な語り草だったが、どうやら真相は違うらしい。実は愛の証なのだと。
今作品では、父が息子の死の真相を突き止め、語り合う中で家族の再生が図られる、愛と希望にあふれた結末であった。その過程で、真相がわかってもなお、アンの「息子は疫病で死んだ!」は、全てをのみ込み、娘を守ろうとする母の愛の強さ。名優ジュディ・デンチに泣かされた。

シエイクスピアが「世の中の総てを知り尽くした特別な人」と外から言われても、生身の悩めるお父さんであったし、夫であったし、彼の残した作品ともどもに、どの時代にも通じる普遍性のある人間物語として、監督は描きたかったし、描き切っている。
シェイクスピアに精通し、時代背景を様々に置き換えて表現してきた監督ならではの、シェイクスピア愛に溢れた作品として、ケネス・ブラナーの代表作になった。私自身、監督のファンだし、読みつくしたとはおくびにも言えない似非シェイクスピア・マニアだが、本作は十分に堪能させてもらった。人間シエイクスピアがますます好きになった。
音楽を担当したパトリック・ドイルは監督の盟友ともいえる存在。エンドロールの楽曲が心地よい。歌詞の日本語訳がなかったのが哀しいが、ドイルの娘さんが歌っているとのこと。全編通じての音楽も素晴らしかったので、DVDの発売を早くも心待ちにしている。

マイナー作品故、ただでさえ少ない上映館と上映日数。新型コロナウィルス感染予防で映画館も厳しくなっている。奇跡的に見ることが出来た事にも感謝している。感染症にかからないためには、心にたっぷりと栄養をあたえて心身ともに免疫力を高めることに尽きる!と思っている。その意味でも、私は自信があるわ!笑
(アロママ)

原題:ALL IS TRUE
監督:ケネス・ブラナー
脚本:ベン・エルトン
撮影:ザック・ニコルソン
出演:ケネス・ブラナー、ジュディ・デンチ、イアン・マッケラン、キャスリン・ワイルダー、リディア・ウィルソン