チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

「ヘリパッド工事を中止せよ!」---高江住民の会が防衛局への抗議行動

2013年10月25日 | 沖縄日記 高江

   (防衛局前での事前集会。新垣清涼県議会軍特委委員長の挨拶)

 10月25日(金)、台風27号の強風の中、いつものように普天間基地大山ゲートでの抗議行動を終えた後、嘉手納の沖縄防衛局に行った。高江の「ヘリパッドいらない住民の会」の防衛局への抗議と申入れ行動だ。

 住民の会と支援者が約15人。また、先週の県への要請行動に続いて、今日も4名の県会議員さんらが同席された。(新垣清涼議員(県民ネット)、山内末子議員(同)、嘉陽宗儀議員(共産党)、照屋大河議員(社民・護憲)) また、交渉には入れなかったが、玄関前には、10名ほどの人たちが待機し続けてくれた。

 冒頭、北部訓練場を飛ぶオスプレイの映像を防衛局職員らに見せた。強烈な下降気流で、イタジイの木々がちぎれそうになっているものだ。防衛局職員らは食い入るように見ていたが、どう感じたのだろうか。

 住民の会の抗議文は末尾に掲載した。いずれも、住民の会の独自の見解ではなく、県の環境影響評価審査会、そして沖縄県知事が指摘した事項を真摯に受け止めよ、というものだ。しかし、防衛局の回答は、全く無責任なものだった。以下、我々の要請とそれに対する防衛局の回答の問題点を簡単に述べる。

1.沖縄県知事は防衛局に対して、2回にわたってオスプレイの運用を前提とした再アセスを行えと要請した。防衛局は再アセスを実施し、それまで工事は中止せよ。

<回答>「そもそも県条例の対象外だったが、最大限の配慮をして自主アセスを行った。今回のアセスはCH53を前提としたもので、オスプレイへの機種変更は県の条例でも再アセスの必要はないとされている。知事の要請については、見解の相違だ。工事は中止しない。」

<問題点>知事や審査会の指摘は、CH53とオスプレイでは、生活環境、自然環境への影響は大きく異なるからアセスを再実施せよというもの。防衛局は、「オスプレイの飛行は環境に影響を及ぼさない」というが、その根拠は全くない。県知事の指摘は、沖縄県民を代表したものであり、「見解の相違」として無視することは許されない。

2.今年度工事を行っているN4-2地区ヘリパッドのすぐ東側は急峻な崖となっており、その上部の森林を全面伐採すれば非常に危険。工事をただちにストップせよ。

<回答>「東側の崖の部分は、土地の改変を行う場所ではないから、現時点では崩落の恐れがあるとは考えていない。」

<問題点>知事、審査会は、崖そのものを工事しなくても、上部の森林を全面伐採すれば崖の崩落の恐れがあると指摘している。上記の回答は、この指摘に全く答えていない非科学的なもの。このままでは今年1月の土砂崩落事故以上の大惨事が危惧される。

3.昨年掘削した国頭マージ(赤土)を今年度のヘリパッド工事の盛土材として再利用するというが、いったん掘り起こした赤土は非常に流出しやすいもので締め固めることができない。今年度のヘリパッドの盛土として再利用することは危険だ。

<回答>「国頭マージは一般的な盛土材として使われており、問題はない。」、「工事の施工にあたっては適切に対処する。」

<問題点>知事、審査会の指摘は、荷重のかからない場所なら赤土を盛土材にすることはありえても、道路の路体部分やましてオスプレイの離発着個所のような大きな荷重のかかる場所の盛土材とすることは不適切というもの。また、「適切に対処する」というが、具体的にどうするのかと聞いても、何の回答もない。 

 

 このような調子で防衛局は無責任な対応に終始した。それでも、多くの県会議員さんらの立ち会いのもと、住民の会として防衛局に強く抗議の申入れを行ったことは大きな成果だろう。これからも防衛局への抗議行動を強めていきたい。

 

*「高江ヘリパッド 住民がアセスやり直し要請」(2013.10.25 RBCニュース)

 

沖縄防衛局長 武田博史 殿                         2013年10月25日 

                                           ヘリパッドいらない住民の会

                 抗議文 

 北部訓練場では、連日のようにオスプレイが飛びかい、県道や集落上空で轟音をあげ、危険なヘリモードによる飛行や、兵士を吊下げての訓練などが繰り返されています。

 沖縄防衛局(以下「防衛局」)が北部訓練場のヘリ/オスプレイパッド建設工事に先立って実施した「自主アセス」は、旧来のCH53ヘリを対象としたものにすぎず、オスプレイの運用を想定したものではありませんでした。そのため、沖縄県知事は防衛局に対して、昨年10月11日、オスプレイを対象としたアセスを再実施するよう文書で要請しました。しかし、防衛局は本年7月30日、知事に対して「再アセスの実施は必要ない」と回答して県の要請を無視し、現地でも本格的な工事を進めています。

 一方、防衛局から出された「事後調査報告書」の審査をすすめてきた県の環境影響評価審査会は、本年8月に2日間にわたって現地に立入調査を行い、9月9日、知事に対して、オスプレイの運用を前提とした再アセスを実施するよう求める答申を出しました。知事も、この答申を受け、10月4日、防衛局に対して、オスプレイの運用を前提とした再アセスを実施するよう求める「環境保全措置要求」(以下「知事措置要求書」)を提出しました。しかし、防衛局は知事の再三の要請を無視したまま、ヘリ/オスプレイパッド建設工事を強行しています。

 このような、防衛局の態度に強く抗議し、以下、要求します。 

                   記 

1.沖縄防衛局は、沖縄県知事からの再三の要請を真摯に受け入れ、北部訓練場のヘリ/オスプレイパッド造成工事にあたって、オスプレイの運用を前提とした再アセスを実施すること。また、再アセスを行うまで、工事を中止すること。 

2.今年度のN-4.2着陸帯造成工事は、県の環境影響評価審査会、県知事が指摘しているように、非常に危険な工法のまま進められており、大規模土砂崩落事故が発生する恐れが強い。ただちに工事を中止すること。

 (1) N-4.2着陸帯造成工事は、急峻な崖の上部の森林を全面伐採するものであり、非常に危険である。「知事措置要求書」の「23 無障害物帯伐採の影響による崖の崩落の可能性及びその防止策」の内容を明らかにし、ただちに同箇所での森林伐採、造成工事を中止すること。

 (2) また、N-4.2着陸帯造成工事では、昨年度の工事で発生した赤土を盛土に再利用する計画となっている。この点についても、「知事措置要求書」では、強度的に問題があると指摘しており、その改善策を県と協議するまで造成工事に着手しないこと。

 

 

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