富士田吉治―23「百夜車」
一中節ですでに定評のあった吉治は、黒御簾の中で唄った
「とうがね」で客をうならせた。
吉治自身もこの曲で"吉治の唄浄瑠璃"という、
行くべき道を掴んだようだ。
秋狂言に吉治は惣治と「百夜車」を合作。
これは”百夜通い"を題材にした”道行物”で、
小野小町の元へ通う、深草少将が主人公となっている。
”百夜通い"は、たいていが最後の一日が叶わず、
満願ならずお亡くなりになる、というのが定説。
ゆえに”九十九伝説”といわれている。
もちろん、深草少将も雨、風いとわず通いに通い、
明日が満願という九十九日目に命が尽きる。
〓 〓 〓
tea breaku・海中百景
photo by 和尚
一中節ですでに定評のあった吉治は、黒御簾の中で唄った
「とうがね」で客をうならせた。
吉治自身もこの曲で"吉治の唄浄瑠璃"という、
行くべき道を掴んだようだ。
秋狂言に吉治は惣治と「百夜車」を合作。
これは”百夜通い"を題材にした”道行物”で、
小野小町の元へ通う、深草少将が主人公となっている。
”百夜通い"は、たいていが最後の一日が叶わず、
満願ならずお亡くなりになる、というのが定説。
ゆえに”九十九伝説”といわれている。
もちろん、深草少将も雨、風いとわず通いに通い、
明日が満願という九十九日目に命が尽きる。
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tea breaku・海中百景
photo by 和尚