西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

24-百夜車

2009-08-16 | 時系列的長唄の見方(c)y.saionji
富士田吉治―23「百夜車」


一中節ですでに定評のあった吉治は、黒御簾の中で唄った
「とうがね」で客をうならせた。
吉治自身もこの曲で"吉治の唄浄瑠璃"という、
行くべき道を掴んだようだ。

秋狂言に吉治は惣治と「百夜車」を合作。

これは”百夜通い"を題材にした”道行物”で、
小野小町の元へ通う、深草少将が主人公となっている。

”百夜通い"は、たいていが最後の一日が叶わず、
満願ならずお亡くなりになる、というのが定説。
ゆえに”九十九伝説”といわれている。

もちろん、深草少将も雨、風いとわず通いに通い、
明日が満願という九十九日目に命が尽きる。


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tea breaku・海中百景
photo by 和尚
コメント
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