西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

14-与作

2009-08-06 | 時系列的長唄の見方(c)y.saionji
富士田吉治―13「与作」

小万の出。

『跡を慕いて都より(与作を慕って都から)
 はるばる来ぬる故郷の(はるばるやって来たいろは)
 松は見知りし藤波や
 びらり帽子に染め浴衣
 関路は跡に有明の(ある、と有明を掛ける)
 月毛の駒を道しるべ(有明の月と、月毛の馬を掛ける)
 しゃんと乗ったる横田村(月毛の馬に乗って小万の里に向かう)
 親里さして行く道の』

与作の出。
 
『同じ思いは後や先(与作とて思いは同じ)  
 路に後れて道芝の
 させもが露の染め手綱(運を天にまかせ)
 刀に変わる竹の鞭 (刀を鞭に持ち替えて)
 不思議の縁に繋がれし
 恋の重荷をうち乗せて

 与作与作と招かれて
 泊まりなら泊まらんせ(はいはい、お泊まりさんいらっしゃい)
 京へ通しかよいのを乗せた(京までとはいい客を乗せたもんだ)
 あやかり者と夕時雨』


 〓 〓 〓


tea breaku・海中百景
photo by 和尚
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする