富士田吉治―13「与作」
小万の出。
『跡を慕いて都より(与作を慕って都から)
はるばる来ぬる故郷の(はるばるやって来たいろは)
松は見知りし藤波や
びらり帽子に染め浴衣
関路は跡に有明の(ある、と有明を掛ける)
月毛の駒を道しるべ(有明の月と、月毛の馬を掛ける)
しゃんと乗ったる横田村(月毛の馬に乗って小万の里に向かう)
親里さして行く道の』
与作の出。
『同じ思いは後や先(与作とて思いは同じ)
路に後れて道芝の
させもが露の染め手綱(運を天にまかせ)
刀に変わる竹の鞭 (刀を鞭に持ち替えて)
不思議の縁に繋がれし
恋の重荷をうち乗せて
与作与作と招かれて
泊まりなら泊まらんせ(はいはい、お泊まりさんいらっしゃい)
京へ通しかよいのを乗せた(京までとはいい客を乗せたもんだ)
あやかり者と夕時雨』
〓 〓 〓
tea breaku・海中百景
photo by 和尚
小万の出。
『跡を慕いて都より(与作を慕って都から)
はるばる来ぬる故郷の(はるばるやって来たいろは)
松は見知りし藤波や
びらり帽子に染め浴衣
関路は跡に有明の(ある、と有明を掛ける)
月毛の駒を道しるべ(有明の月と、月毛の馬を掛ける)
しゃんと乗ったる横田村(月毛の馬に乗って小万の里に向かう)
親里さして行く道の』
与作の出。
『同じ思いは後や先(与作とて思いは同じ)
路に後れて道芝の
させもが露の染め手綱(運を天にまかせ)
刀に変わる竹の鞭 (刀を鞭に持ち替えて)
不思議の縁に繋がれし
恋の重荷をうち乗せて
与作与作と招かれて
泊まりなら泊まらんせ(はいはい、お泊まりさんいらっしゃい)
京へ通しかよいのを乗せた(京までとはいい客を乗せたもんだ)
あやかり者と夕時雨』
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tea breaku・海中百景
photo by 和尚