西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

19-与作

2009-08-11 | 時系列的長唄の見方(c)y.saionji
富士田吉治―18「与作」

 
『つい聞き捨てて行く道も(流行の小歌を聞き捨てて)
 市村里村 早や過ぎて
 日陰も西に傾けば
 吉原雀さながらに(まるで遊里の客のように)
 留むる袖をふりきって(引き止められる袖を振り払い)
 急ぐ足さえ いさご道(気ばかり急ぐが、砂利の道)
 直ぐには行かぬ 駒の足(馬の歩みものろい)
 横田河に
 しばとてこそ 休らいぬ』

これで二人の道行きは終わる。
そして、この後再びドラマが進行する。

死を覚悟した二人だが、与作の忠僕の働きで悪巧みが露見。
与作は油留木家に帰り、一子をもうけた腰元重の井と結婚、
小万は妾となり一件落着。

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tea breaku・海中百景
photo by 和尚
コメント
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