西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

花車岩井扇

2010-03-11 | 長唄の歌詞を遊ぶ (c) y.saionji
16-「花車岩井扇」

「手習子」と同じく、増山金八による「花車岩井扇」(1792・寛政4年)は、
川原崎座(森田座、控櫓)の顔見世狂言の所作だ。

金八は、”~づくし”の手法をかりて、題名にちなんだ”車づくし”で恋心を詠んでいる。

『積もる夜の
 通い車や雪車
 それえそれえ
 忍び車の君と我  
 扇車や恋車』

●雪の夜、降り積む雪をいとわず通う。二人の恋は人目を忍ぶ恋だから、
 逢いたい見たいの心はつのる。

その昔は”通い婚”だったから、男は牛車で恋人、あるいは妻の元に通った。
そして肌を合わせ、夜明け前に後朝(きぬぎぬ)の別れを迎えて帰って行く。

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tea breaku・海中百景
photo by 和尚

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