ノアの小窓から

日々の思いを祈りとともに語りたい

エジンバラ公フィリップ殿下

2020年06月12日 | 思い出

 2014年の記事の焼き直しです。
 旅行中の失敗談ですが、結果的には、楽しい思い出になったことです。
 この数日、メディアで、エリザベス女王の旦那様フィリップ殿下が取り上げられているので、あの日の出来事を思い出したのです。

         ★  
     
 1991年9月でした。正確な日付けは覚えていません。
 一か月ほどのショートステイで、ロンドン郊外のベッケンハムという町にいました。
 ウィークデイは英語学校で英語の勉強をしているということに、休日は観光にと、気楽なホリディを楽しんでいました。

 それは土曜日か日曜日でした。私は、バッキンガム宮殿の衛兵交代を観に行こうと思いt立ち、イギリス国鉄と地下鉄を乗り継いで、なんとかバッキンガム宮殿の門の前までたどり着いたのです。
 ところが、どこで間違ったのか、着いてみると、もうその日の儀式は終わっていました。あまり人もいないがらんとした門前で、「さて、どうしたものかしら」と思案してしまいました。
 「きちんと時刻表を調べて、早めに出てこないから衛兵交代を観そびれてしまった。相変わらず、ドジだね。あんたは。さて・・・」
 自分に毒づいてみても、始まりません。

 吹っ切れない気持ちで、丈の高いいかめしい門扉から、遠くに見える宮殿の玄関を見つめました。
 ふと、玄関へ通じる車寄せに、黒塗りの大きな車が待機しているのが、目に留まりました。
 そばに正装の運転手が立っています。車に詳しくない私でも、それが特別の「御用車」だとわかりました。

 「どなたが出てくるのかしら。エリザベス女王さま? エジンバラ公?、それとも」
 しばらくすると、正面の大きな玄関ドアが開いて、男性がお二人出てきました。
 なんと、お一人は、日本の皇太子殿下でした。今の天皇陛下です。
 すぐ後から出ておいでになった背の高い紳士が、エジンバラ公なのは、遠目にもわかりました。

 お二人は、さりげなく立ち話でもするように言葉を交わされている様子で、やがて握手をされました。
 タイミングを計ったように、黒塗りの車が玄関前に回っていきました。皇太子殿下が乗られると、車が動き出し、タイミングを合わせるように開いたバッキンガム宮殿の門に向かってくるのです。

 こういう時は、私もやはり日本国民ですね。
 思わず、車に、手を振っていました。
 何か叫んだかも知れませんが、覚えていません。なにしろ、ふだんは日本人観光客がいっぱいいるはずの、あたりに、まるで日本人がいなくて、まばらな外国人観光客たちは、だれも車の中の方が日本の皇太子だとは気付かないようでした。

 車が消え去った後も、しばらく呆然と門扉の前に立っていました。

 こういうことがあると、思うのです。
 旅行はスケジュール通りにいかなくてもいい。ハプニングがあるから、楽しい!!

 遠目ですが、思いがけず女王陛下のご主人と日本の皇太子殿下をお見掛けするなんて、ラッキー!!





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