猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

パパは、出張中!

2019-07-15 21:25:04 | 日記
1985年のユーゴスラビア映画「パパは、出張中!」。

スターリンの影響から未だ抜け出せない第2次世界大戦後のサラエヴォ。6歳のマリク
(モレノ・デバルトリ)は両親と兄と祖父と共にそれなりに幸せな生活を送っていた。し
かしある日、父親のメーシャ(ミキ・マノイロヴィッチ)が突然逮捕されてしまう。逮捕
の理由は、メーシャが愛人のアンキッツァ(ミーラ・フルラン)に漏らしたちょっとした
国家批判がメーシャの義兄である人民委員会のジーヨ(ムスタファ・ナダレヴィッチ)に
漏れてしまったからである。父親はどこに行ったのかと尋ねるマリクに母親のセーナ(
ミリャナ・カラノヴィッチ)は「パパは、出張中よ」と言うしかなかった。

エミール・クストリッツァ監督のカンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品。時代の波
が押し寄せ、翻弄されるある一家の様子を、6歳の少年の目を通して描かれている。マ
リクの父親メーシャは、愛人に何気なく体制批判について口にするが、そのことが愛人
の口から人民委員会の者に漏れてしまう。しかもそれはメーシャの妻セーナの兄、つま
り義兄なのだ。義弟までもを逮捕するということに驚かされるが、そういう時代だった
んだなあ。元々メーシャは出張が多く、マリクに父親のことを聞かれた母親セーナは、
パパは出張中だと言うしかなかった。
ユーゴスラビアという国や時代背景をよく知らなくても楽しめる映画だった。ところど
ころにラジオのサッカー中継が入るのがいい。国民は皆サッカーが好きで、ラジオに耳
を傾けて勝敗の行方を気にする。ユーゴスラビアはサッカーが強かったのだろうか。も
ちろん子供たちもサッカーが大好きだ。マリクは毎日いろんな経験をする。勉強や初恋
や割礼や恋の終わりや。彼にとってはそれらが世界の全てなのである。
メーシャはしかし最低男だ。愛人には妻と離婚して一緒になると言っておきながら、そ
んな気はない。彼は妻子を愛しているのだ。妻もそんな最低夫の子供を身籠っている。
愛人はメーシャの義兄にメーシャが言っていたことを口にしてしまうが、彼女もまさか
義弟を逮捕するとは思っていなかったのだ。クストリッツァの作風はペーソスやアイロ
ニー感が漂っていて、私は好きである。ナレーションがマリクなのもかわいらしくて良
かった。


良かったらこちらもどうぞ。クストリッツァ監督作品です。
アンダーグラウンド
アリゾナ・ドリーム
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