猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ザ・ビーチ

2019-07-10 21:38:40 | 日記
2000年のアメリカ映画「ザ・ビーチ」。

刺激を求めて1人旅でタイにやって来たリチャード(レオナルド・ディカプリオ)だが、
新しい事をしようとしても、結局、同じ事の繰り返し。そんな時、カオサン通りの安宿
でダフィ(ロバート・カーライル)という奇妙な男と知り合う。ダフィは伝説のビーチに
ついて、とり憑かれたように語る。そこは、美しすぎる程に美しく、日常の全てから解
放される夢の楽園。だが、その翌日、ビーチの場所を記した地図を残し、ダフィは自殺
していた。ビーチの存在に半信半疑なリチャードだったが、ダフィの死をきっかけに、
隣室にいたフランス人カップル、フランソワーズ(ヴィルジニー・ルドワイヤン)とエテ
ィエンヌ(ギヨーム・カネ)を誘って、楽園を探す旅へ出かける事になる。

これはサスペンスなのか。変わった映画だった。退屈なアメリカを飛び出してタイにや
って来たリチャードだが、結局は何も変わらない毎日。そこへダフィという男と知り合
い、伝説のビーチについて聞かされる。興味は持ったものの本当にそんな楽園のような
ビーチが存在するのかどうかわからない。そして翌日ダフィは部屋で自殺していた。ダ
フィの死について警察から聴取を受けた後、リチャードはそのビーチに行ってみること
にし、隣室のフランス人カップル、フランソワーズとエティエンヌを誘う。
ダフィが残した地図を頼りに、苦労して海を渡ると、ビーチは実在していた。美しい海、
そしてそこには大麻草が生い茂っていた。そこではサル(ティルダ・スウィントン)をリ
ーダーとした少人数のコミュニティが出来ていた。楽園は楽園だが、ルールや秩序に守
られたビーチだったのだ。ともかくリチャードたちはそこで楽しく毎日を過ごし、フラ
ンソワーズがリチャードを好きになったためカップルにもなった。だがそんなある日、
悲劇は起きる。
ダフィはどうして地図を持っていながらビーチに行ってみようとしなかったのだろう。
リチャードを誘っても良かったのに、どうして自殺したのだろう。まずそこから変わっ
た話だ。そして美しい楽園も、秩序を重んじるコミュニティであり、リーダーが仕切っ
ており、本当の意味での自由ではない。自給自足だが必要なものは街へ買いに行く。そ
れでも、毎日遊んで暮らせるのだから、自由と言えば自由かもしれないが、私には日常
の全てから解放される程自由だとは思えなかった。こういったコミュニティはちょっと
したことがきっかけで乱れるものだ。世の中に楽園なんてないと思う。あるいは自分が
充足した生活を送れていれば、そこは楽園なのだと思う。
この映画の時レオナルド・ディカプリオは25~26歳くらいだったと思うのだが、20歳
前に見える。本当にこの人は童顔だなあ。でもまだ顔も細いし、美青年で迫真の演技だ
った。異色作だが、おもしろかった。




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