2021年のフランス映画「すべてうまくいきますように」を観に行った。
芸術や美食を好み、ユーモアと好奇心にあふれ、何より生きることを愛
していた85歳の父・アンドレ(アンドレ・デュソリエ)が脳卒中で倒れ
る。体の自由が利かなくなったという現実を受け入れられず、安楽死を
願う。そして人生を終わらせるのを手伝って欲しいと長女のエマニュエ
ル(ソフィー・マルソー)に頼んだのだ。エマニュエルは妹のパスカル
(ジェラルディン・ぺラス)と、父の気が変わることを望みながらも、ス
イスの合法的に安楽死を支援する協会とコンタクトをとる。
フランソワ・オゾン監督作品。安楽死(尊厳死)という重いテーマを扱い
ながらも、どこかユーモラスな雰囲気で観られるのはフランス映画なら
ではかもしれない。勝手気ままに生きてきたエマニュエルとパスカル姉
妹の父・アンドレが脳卒中で倒れる。一命はとりとめたが、アンドレは
体の自由が利かなくなってしまう。エマニュエルとパスカルは毎日のよ
うに見舞いに行くが、やがてアンドレはエマニュエルに「終わらせて欲
しい」と言い、エマニュエルはショックを受ける。
安楽死がフランスでは認められておらず、スイスでは可能であるとは知
らなかった。エマニュエルはパスカルと相談し、合法的に安楽死ができ
るところをネットで調べる。するとスイスの協会が見つかり、詳しい話
を聞く。スイスのベルンで行われるため、協会から救急車で迎えに行く
のだと言う。費用は1万ユーロ。これって結局裕福でない人は自然に死
ぬのを待つしかない訳で、結局何でもお金なんだな、という皮肉さも感
じた。
エマニュエルはスイスの協会と連絡を取り続けるが、一方でアンドレは
リハビリが功を奏し日に日に回復していく。孫の演奏会やレストランへ
出かけ、生きる喜びを取り戻したかに見えた。だが、父はまるで楽しい
旅行の日を決めるかのように、娘たちにその日を告げる。娘たちは戸惑
い葛藤しながらも、父と真正面から向き合おうとする。
大ファンのソフィー・マルソー目当てで観に行った映画だが、考えさせ
られるなかなかいい映画だった。体の自由が利かず、意識もはっきりし
ない状態なら尊厳死を考えるのもわかるが、アンドレはだいぶ回復して
きており、外出したりレストランで食事を楽しんだりしているので、そ
んな何が何でも死ななくてもいいんじゃないか、と思った。何故そんな
に死にたがるのか。自然に死ぬのが嫌なのか。姉妹もそう考えるのだが、
頑固者のアンドレを説得できるはずもない。
姉妹は父と長い間別居しているが何故か離婚していない母(シャーロット
・ランプリング)を連れてくるが、母は夫をちらっと見て「まだ死にそう
にないわね」と言う。それがおかしかった。夫婦のことは夫婦にしかわ
からないというのはこういうことをいうのだろう。ソフィー・マルソー
がかなり年とっていてびっくりしたが、青いセーター姿はかわいかった。
やはりこの人はいくつになってもかわいい。ラストシーンは印象的だっ
た。
良かったらこちらもどうぞ。フランソワ・オゾン監督作品です。
「海をみる」
「ぼくを葬(おく)る」
「17歳」
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していた85歳の父・アンドレ(アンドレ・デュソリエ)が脳卒中で倒れ
る。体の自由が利かなくなったという現実を受け入れられず、安楽死を
願う。そして人生を終わらせるのを手伝って欲しいと長女のエマニュエ
ル(ソフィー・マルソー)に頼んだのだ。エマニュエルは妹のパスカル
(ジェラルディン・ぺラス)と、父の気が変わることを望みながらも、ス
イスの合法的に安楽死を支援する協会とコンタクトをとる。
フランソワ・オゾン監督作品。安楽死(尊厳死)という重いテーマを扱い
ながらも、どこかユーモラスな雰囲気で観られるのはフランス映画なら
ではかもしれない。勝手気ままに生きてきたエマニュエルとパスカル姉
妹の父・アンドレが脳卒中で倒れる。一命はとりとめたが、アンドレは
体の自由が利かなくなってしまう。エマニュエルとパスカルは毎日のよ
うに見舞いに行くが、やがてアンドレはエマニュエルに「終わらせて欲
しい」と言い、エマニュエルはショックを受ける。
安楽死がフランスでは認められておらず、スイスでは可能であるとは知
らなかった。エマニュエルはパスカルと相談し、合法的に安楽死ができ
るところをネットで調べる。するとスイスの協会が見つかり、詳しい話
を聞く。スイスのベルンで行われるため、協会から救急車で迎えに行く
のだと言う。費用は1万ユーロ。これって結局裕福でない人は自然に死
ぬのを待つしかない訳で、結局何でもお金なんだな、という皮肉さも感
じた。
エマニュエルはスイスの協会と連絡を取り続けるが、一方でアンドレは
リハビリが功を奏し日に日に回復していく。孫の演奏会やレストランへ
出かけ、生きる喜びを取り戻したかに見えた。だが、父はまるで楽しい
旅行の日を決めるかのように、娘たちにその日を告げる。娘たちは戸惑
い葛藤しながらも、父と真正面から向き合おうとする。
大ファンのソフィー・マルソー目当てで観に行った映画だが、考えさせ
られるなかなかいい映画だった。体の自由が利かず、意識もはっきりし
ない状態なら尊厳死を考えるのもわかるが、アンドレはだいぶ回復して
きており、外出したりレストランで食事を楽しんだりしているので、そ
んな何が何でも死ななくてもいいんじゃないか、と思った。何故そんな
に死にたがるのか。自然に死ぬのが嫌なのか。姉妹もそう考えるのだが、
頑固者のアンドレを説得できるはずもない。
姉妹は父と長い間別居しているが何故か離婚していない母(シャーロット
・ランプリング)を連れてくるが、母は夫をちらっと見て「まだ死にそう
にないわね」と言う。それがおかしかった。夫婦のことは夫婦にしかわ
からないというのはこういうことをいうのだろう。ソフィー・マルソー
がかなり年とっていてびっくりしたが、青いセーター姿はかわいかった。
やはりこの人はいくつになってもかわいい。ラストシーンは印象的だっ
た。
良かったらこちらもどうぞ。フランソワ・オゾン監督作品です。
「海をみる」
「ぼくを葬(おく)る」
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