猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

ALONE アローン

2023-02-01 22:03:58 | 日記
2016年のアメリカ・スペイン・イタリア合作映画「ALONE アローン」。

テロリスト暗殺のミッションに失敗したアメリカ兵マイケル(アーミー・
ハマー)は、3000万以上の地雷が埋まる砂漠に足を踏み入れてしまう。
相棒のトミー(トム・カレン)は地雷を踏んで両脚の膝から下を吹き飛ばさ
れてしまい、マイケルも地雷を踏んで絶体絶命の窮地に立たされる。トミ
ーは恐怖と絶望から銃で自殺してしまい、マイケルは慟哭する。援軍が到
着するまでの52時間、1mmたりとも動くことのできないマイケルは、次
々と押し寄せる自然の脅威や、過去のトラウマから来るフラッシュバック
に襲われ続け、極限状態に追い込まれていく。

砂漠の地雷原で地雷を踏んでしまった兵士が、1歩たりとも動けない状況
で孤独に戦う姿を描いたサスペンス。米軍のスナイパーであるマイケルは、
相棒で親友のトミーと共に北アフリカでテロリストのリーダーを暗殺する
任務に就いていたが、失敗してしまう。敵の攻撃から逃げた2人は村へと
向かうが、途中で3000万以上の地雷が埋まっている危険地帯らしき場所
へ入ってしまう。マイケルは慎重だったが、先を急ぎたいトミーの言葉で
前進を続ける。すると、間もなくトミーは地雷を踏んで両脚が吹き飛び、
同時にマイケルも左足で地雷を踏んでしまう。
1歩も動けなくなったマイケルは離れた場所で横たわるトミーを𠮟咤激励
し、トミーの無線機で救援を呼ばせようとするが、気が動転してうまくで
きず、トミーはやがて銃で自殺してしまう。ショックを受けるマイケルだ
ったが、トミーの側にある無線機入りのバッグを何とか手繰り寄せる。し
かし無線で友軍に救助を要請すると、「砂嵐の影響で救助ヘリを向かわせ
ることができない」「周辺で任務を行う部隊が最短で52時間後に近くを
通過する」と言われてしまい、マイケルは絶望を感じる。
全く身動きできない状況で52時間も待つなんて、いくら鍛えている兵士
とはいっても過酷すぎる。マイケルは地雷を踏んだ左足はそこから動かせ
ず、右足は膝をついた格好だ(プロポーズの時みたいな)。暑さ、喉の渇き、
恐怖でマイケルはどんどん疲労していく。そんな時村人の男(クリント・
ディアー)がマイケルを見つけて近寄ってくる。英語が通じたので、マイ
ケルは水が欲しいと言って水筒を渡す。しかしその男は「あんたが自由に
なれないのは1歩踏み出さないからだ」などと的外れなことばかりを言い、
マイケルは話しながらイライラする。男はやっと水筒を持っていき、その
後男の娘が持ってきてくれて、マイケルは深く感謝する。
メイクとわかっていてもマイケルの衰弱ぶりがすごい。だんだんやせてい
っているように感じる。夜は狼が集まってきて、マイケルは動けないなが
らも銃で撃退する。翌日村の男が再び現れ、「あんたは運がいい」などと
言うのでマイケルはイラつく。しかしマイケルは最終的にその男に力づけ
られることになるのだ。不思議な男だった。後半はマイケルがトミーの幻
覚を見たり、子供の頃自分や母に暴力を振るっていた父のことを思い出し
たりするシーンが続く。マイケルは父のことがトラウマになっていた。思
い出や幻覚の中でマイケルの心身は限界を迎えようとしていた。
似た感じの映画で「ノー・マンズ・ランド」というのがあるが、あちらは
もっと悲惨で救われない。本作も良かったが(アーミー・ハマーの演技が
素晴らしかった)、「ノー・マンズ・ランド」の方がずっといい。大好き
な映画の1つである。




映画評論・レビューランキング

人気ブログランキング





コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする