猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

他人の血

2022-02-02 22:17:03 | 日記
1984年のフランス・アメリカ・カナダ合作映画「他人の血」。

1938年のパリ。洋服店でデザイナーをする自己中心的だが情熱的な娘エレ
ーヌ(ジョディ・フォスター)。彼女はある日、ファシズムに抵抗するレジス
タンスのジャン(マイケル・オントキーン)に出会い、彼に恋をする。彼には
恋人がおり、そのため彼女を拒み続けるが、諦めきれないエレーヌは積極的
な態度に出る。やがて根負けしたジャンもエレーヌに惹かれ始め、2人は愛
し合うようになる。しかしそんな中戦争が勃発し、ジャンも戦争へ行くこと
になり、エレーヌは嘆き悲しむ。そしてジャンが捕虜になってしまったとい
う知らせが届き、エレーヌは勤め先の店主から紹介されたドイツ人貿易商ベ
ルグマン(サム・ニール)を利用してジャンを解放してもらおうと考える。

クロード・シャブロル監督による恋愛映画であり反戦映画。デザイナーをし
ている若く美しいエレーヌは、ある日レジスタンス運動に身を投じているジ
ャンと出会い、彼を好きになる。エレーヌには交際している男性がいたがあ
っさりと彼を振り、ジャンに猛アプローチをする。だがジャンには恋人がお
り、なかなかエレーヌの想いを受け入れない。それでもエレーヌは積極的に
ジャンに近づき、やがてジャンもエレーヌに惹かれるようになる。エレーヌ
は情熱的で積極的だが、悪く言えばかなり自己中心的な性格で、ある意味嫌
な女でもある。結局ジャンを恋人から奪ったのだから。
エレーヌにはジャンが危険な目に遭ってまでレジスタンス運動をしているの
か理解できない。愛に生きるタイプのエレーヌにとって、ファシズムとか戦
争とかはどうでもいいことだった。どう考えてもこの2人は合わないと思う
のだが、好きになってしまったのなら仕方ないのだろう。やがて戦争が始ま
りジャンも戦場へ行き、その後捕虜になってしまう。エレーヌは知り合いに
なったドイツ人貿易商のベルグマンを利用する。ベルグマンは若く美しいエ
レーヌの虜になっていた。それを知ってジャンを助けるために利用しようと
するのだから、エレーヌはやっぱり悪女かもしれない。
けれどもエレーヌは同僚で友達の女性の母親がユダヤ人で、強制収容所に連
行されるということを聞いてベルグマンに頼んだりと、友達思いなところも
ある。積極的で行動的なのだ。結局ベルグマンも「ユダヤ人のことは私にも
どうにもできない」と言って断られてしまうのだが。ベルグマンが裏で手を
回してくれたお陰でジャンは帰還する。そしてレジスタンス活動を再開する
が、エレーヌは彼を手伝うことになる。もちろんフランスのためではなくジ
ャンのためである。
政府要人が宿泊しているホテルに、エレーヌが暗殺用の銃を密かに運ぶシー
ンは本当にハラハラする。映画の1番の見どころかもしれない。若い女性が
あんな危険な任務をするなんて。それもジャンへの愛ゆえである。でもベル
グマンも気の毒な人だ。エレーヌを心から愛していて、彼女の頼みを色々と
聞いてきたが、彼女は手に入らないことはわかっているのだ。ベルグマンも
また愛に生きた男なのかもしれない。本作はジョディ・フォスターが大学生
の頃出演した映画で、結構太っている。今はとても筋肉質で引き締まってい
るが、そういえば若い時は割とふっくらしていたな、と思い出した。でもや
はり知的な美しさは印象的である。悲しい物語だった。


アフタヌーンティーに行きました。スイートポテトプディング、とってもお
いしかったです





コメント (2)
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